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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第7章(1)~木村藤子先生-1

それはもう5年くらい前の話。


まだママが潜在意識のことなんて、な~んにも知らなかったころ。


ママはある日、青森の木村藤子先生という、神様にお仕えしている人の所に連れて行かれた。


「連れて行かれた」というのも変な言い方だけど、でも、本当に、「連れて行かれた」んだって。


発端は、ある人と会話をしていた時のこと。


ママは、何気なく知人のEさんのことを話した。
Eさんは幼いときから持病があって、大人になった今も症状が続いている。
良い治療の方法も見つからず、かつ、不可思議な症状が出る時もあるのだと話した。 
 

すると、その人が、”もしかしたら霊障かも。木村藤子先生は霊障に強いから、一度見てもらったら?”と言ったのだ。


ママは、Eさんにそれを伝えた。
即座に、「行く!」という答えが返ってきた。
そして、「マサコさんも一緒だよね?」と。


「ええっ?私が?どうして?」とママは驚いたそう。


だって、その頃、Eさんとは単なる知り合い程度にしか過ぎなかったし、
そもそも自分の個人的な相談に行くのに、良く知りもしない他人を伴って行くなんて、 ママだったら絶対嫌だと思ったんだって。


でも、Eさんは、
「何となく、一緒(に行く)と思ったんだけど?」と言う。


ここでママがすぐに断らなかったのには理由がある。


Eさん自身はごく普通の人なんだけど(と、本人は言っている)、
彼女には不思議な力を持つ”おばあちゃん”がいて、
ここぞと言う時には、連絡があり、必要なメッセージを伝えてくるのだ。


ママも一度助けられたことがあった。


ママがある事で困り果てて相談した時、
「大丈夫です。その答えは既におばあちゃんから受け取っています。
"マサコさんがいついつに相談してくると思うから、そうしたらこれを伝えてあげなさい"と 言われました。 かくかくしかじか・・・・・」といった具合に答えてくれた。


ママは最初、信じられなかったんだって。
 

「だって、何も話してないのに、何でも知ってるんだよ?」


しかも、相談したのは土曜日なのに、 おばあちゃんからはその4日前の火曜日に連絡が来ていたのだという。


未来のことに対する答えを先に用意して待っているなんて・・・!

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第7章(2)~木村藤子先生-2

とにかくそういうわけで、Eさんが”何となく一緒と思った”のなら、 何かそれなりの理由があるのかも・・・・、とママは考えたのだ。


それでママは、その夜、ノリちゃんに電話をしてみた。


ノリちゃんと言うのは、ママの古くからの友人で、超直感人間。
ママがとても尊敬している人。


ノリちゃんは、ママの話を聞くなり、
「あなたも行かなきゃ駄目よ!」と言った。


「えっ?なんで?」


「なんでかわからないけど、行かなきゃ駄目!」


いつもノリちゃんの言葉は、ママにはずっしり響く。
「わかった」


かくして、二人は1か月後、新幹線の車中に居た。


ママは車窓から見える景色を眺めながら、2週間ほど前のEさんとの会話を思い出していた。


Eさんはこう言った。
「おばあちゃんが、”自分から、ヒモはどこ?って探すようになったら駄目” だって言ってた」


「え? どういう意味かなあ?」


「自分で一生懸命(問題を解こうと)頑張っていたら、あるとき、
”あ、こんな所にヒモがある”って気が付いて引っ張ってみる。
そしたら、そこに答えがあった、って言うのはいいんだけど、
(先に何もしないで)ヒモはどこ?ヒモはどこ?って、
 ヒモだけ探すようになるのは駄目だって」


ママは、何故そんなことを言われたのかわからなかった。


すると、Eさんがそんなママの気持ちを見透かしたかのように、
「この間、マサコさんが
”おばあちゃん、私達が青森に行くことになるって、わかってたんだから 先に教えてくれればよかったのにね!” って、言ったでしょ?」


「ああ・・・・でもあれは冗談のつもりで・・・・」


「冗談のつもりでも、口から出るって事は、心の中で思ってるって
ことだから同じなんだって」


ママはそんな風にたしなめられた。

有頂天になっていた自分が恥ずかしかった。

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第7章(3)~木村藤子先生-3

ママがそんなことをぼんやり思い返していると、
Eさんが話しかけてきた。


「一昨日、おばあちゃんから連絡があって、
今回の青森行きはマサコさんのためだって。
私はフィルターだって」


つまり、Eさんの青森行きにママが付き添う形になっているけど
実は、本命はママだという。


「え?、私のためって何だろう?」


特段悩みを抱えているわけでもないし・・・。
相談事もこれといってないしなぁ。


ママはEさんの言葉をさほど気にしていなかった。


しかし、実際には恐るべき展開が待ち受けていたのだ。


木村藤子先生というのは、青森県に在住している有名な霊能者なんだって。
神様の言葉を伝えてくれるんだけど、その能力は江原啓之さんや美輪明宏さんも 敬意を払うほどだとか。

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第7章(4)~木村藤子先生-4

青森に到着して1泊し、翌朝、木村藤子先生を訪ねた。


待合室には何人かの相談者が居て、皆、自分の予約した時間が来るのを待っていた。

悩み事を抱える人達で、部屋の空気は重苦しかった。


だけど、ママは単なる付き添いで、自身は別に相談事もなかったから 、至って気楽な気分でいたという。


何しろ、傍観者にすぎないのだから。


しかし、このあと、ママを叩きのめすような出来事が待っていた。


そうとは知らないママは呑気にEさんの付き添い気分で
一緒に(神殿の)部屋に入っていった。


部屋に入る時、何故か木村先生の突き刺さるような、冷たい視線を 感じたような気がした。


ん? 気のせい?


ママとEさんはソファに座った。


やはり、冷たい視線を感じる。
それも、ママにだけ・・・・。

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第7章(5)~木村藤子先生-5

挨拶が済むと、Eさんがあらかじめ用意してきた質問を順番に尋ね始めた。


ママ:(先生の冷ややかな目が気になる・・・・)


Eさんは病気のことや仕事のことを尋ねていた。


先生は質問のたびに神棚の方を向いてしばらく手を合わせ、
その後、お告げを伝えてくれた。


ママは付き添い(のはず)だったので、口を開くこともなく、黙って二人の会話を聞いていた。


そして、Eさんが、ママとの関係について聞いた時。


先生は突然ママのほうを向いて、恐い顔で
「この、マサコさんという人はスゴイ人です」と言った。


ママは一瞬ほめられているのかと勘違いしそうになったが、
先生の冷たい視線に、すぐにそうではないとわかった。


先生は畳み掛けるように、
「この人はひどい人です」と続けた。

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第7章(6)~木村藤子先生-6 魂の揺さぶり

ママは 、
「その後に自分の身に起きたことを、本当に信じられなかった。
気が動転してしまって・・・」と言った。


木村藤子先生はママを睨みつけながら、
ママの悪口を言い続けたんだって。


品格がないだの、冷たい人だの、
Eさんのこともそのうち邪魔者にして排除するだろうとか、
いかにママがひどい人間かということを
(Eさんに)延々と説明していた。


ママは一体何が起きているのか理解できなくて
呆然として、もう頭の中は真っ白だったって。


ただ、座っているだけなのに、
何ひとつ発言したわけでもないのに、
なぜ、いきなりこんなひどいことを言われているのか・・・。


しかも攻撃は止むことなく続く・・・。


ママは何が何だかわからなくて
顔面蒼白でその場に凍り付いていたという。


「よく、頭の中が真っ白になる、って言うでしょう?
本当に真っ白になるんだよ!
もう、ママはパニックだったもん!」


ママは何とか矛先を変えようと思った。


それで、やっとの思いでこう言った。
「あの・・・・一番知りたいのはEさんの病気のことなんですけど・・・」


すると、木村藤子先生が、待ってました!とばかりに、声も高らかに 「聞きましたか? ね? 彼女はこういう人なんです」
と、Eさんの方を向いて言った。


まるで鬼の首を取ったといわんばかりに。


こういう人、って? え? なに? 
ママはますますパニックに陥った。

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第7章(7)~木村藤子先生-7

木村藤子先生は恐い顔をして、
「あなた、今、”一番”って言いましたね?
”一番”とか、”絶対”なんて言葉は軽々しく使ってはいけません。
言葉には言霊があるんですよ」と厳しい口調で言った。


さらに、
「あなたは今、私が話していることを遮りましたね?
もしEさんがこのまま東京に帰ることになったら、 Eさんはあなたのせいで(話を最後まで聞くことが出来ず)、消化不良のまま帰ることになるんですよ」
と続けた。


ママ「・・・・・・・・・・」


先生は、もう一度繰り返した。


「いいですか?
Eさんはいろいろ聞きたいことがあってここに来たんです。
時間だって限られてるんです。(予約の人が沢山いるから)
それなのに、あなたが、”一番聞きたいのはこれなんです”って遮ったら、 彼女は答えを得られないまま東京に帰らなくてはいけないんですよ!」


言霊・・・


人の話を遮る・・・・・・


先生の言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡った。


そして浮かんだ「自分本位」という言葉・・・・・・


その瞬間、ママの脳裏に
「今回の青森行きはマサコさんのためだって」という言葉が蘇った。


同時に何かが、ぐっと胸に込み上げてきた。
そして、涙がつぅ~っと頬を伝わり落ちた。


そうだ、私は今までこんな風に人に接してきたんだ・・・・・・・。


その時。

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第7章(8)~木村藤子先生-8

「今、涙が出ましたね?」と木村藤子先生が言った。


「はい・・・・」


答えながら、ママにはもうわかっていた。


木村藤子先生は人の心もすべて読み取れるんだ・・・・・・・。


ママの胸に何かが込み上げてきたその瞬間に、
先生の態度が一変したのをママは見逃さなかった。


木村先生はさっきまでの恐い顔が嘘のように、
柔和な顔で、「気づきましたね?」と言った。


ママは泣きながらこっくりと頷いた。
「はい・・・・」


あとからあとから溢れてくる涙を止めることが出来なかった。

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第7章(9)~木村藤子先生-9


その後の木村藤子先生は別人のように優しかったんだって。


丁寧な口調で、ママを諭すように、(ママに必要なことを)話してくれた。


そして、ママの母方のおばあちゃん(注:20年前に亡くなっている)がメッセージをもって現れていると言って、それを伝えてくれた。


さらに、「他に何か聞きたいことはありますか?」と二人に促してくれたりもした。


優しく、愛に満ちた(素の)先生の姿がそこにはあった。


おいとまする時には、ママもEさんもソファから降りてきちんと正座をした。 (そうせざるを得ない心境だったんだって)


お礼を述べた後に、Eさんが、
「今後とも宜しくお願いします」と言って頭を下げたので、ママはびっくりした。


(後で、「なんで、”今後とも”って言ったの?」と聞いたら、
Eさんは、「わからないけど、何となく・・・。また、来るような気がしたから」と答えた。
ママはそれを聞いた時、自分はもう来ることはないだろうと思ったそう)


部屋を出る時、先生が、
「遠くからいらっしゃったのに、きついことを言ってごめんなさいね」とママに声をかけた。


そして、ネットに自分のことを悪く書かれたりしていることを知っている、と寂しそうに言った。


ママは何か言葉をかけてあげたかったけど、何も思い浮かばなかった。


ドアを閉めるときに、そっと先生の後姿を見ると、
その背中はとても寂しく、悲しげだった。

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第7章(10)~木村藤子先生-10


青森から帰ると、ママはすぐにノリちゃんに電話をして、事の成り行きを話した。


ノリちゃんは、
「ああ、それは揺さぶりだね」と言った。


「揺さぶり?」


「うん。
大事なことを話すのに、普通に話したのでは伝わらないから、
だから揺さぶったんだよ。
遠くから来てるし、時間は少ししかないし、その限られた状況の中で 伝えなくちゃいけないわけだから」


そっか・・・・。


揺さぶりかあ・・・。


「でも、それにしても辛辣なことを言われたら落ち込むよね?」と、ママが訴えると、
ノリちゃんは、「神様は厳しいんだよ」とさらりと言った。


そして、
「カウンセラーじゃないんだから。相談者の話を優しく聞いてアドバイスをあげる、とかいうのとは違うんだよ」と続けた。


そうなんだ・・・・。


神道のことも、木村先生の立場も、ママはよくわかっていなかったのだ。

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第7章(11)~木村藤子先生-11  気づき

その3ヵ月後。


木村藤子先生はテレビに出演した。


それを機に、全国から相談者が殺到したと聞く。 
 

予約の電話は1日中話し中で繋がらなくなり、
中には予約なしで押しかけたり、
早朝、夜中でもお構いなく家のドアを叩いて懇願する人さえも現れるようになったのだとか。


ママはネットで先生を中傷するような書き込みを見ると
あの寂しげな背中を思い出して胸が痛むと言った。


「ねえ、エフちゃん、ママが思うに、神様は、
”ヒモの在り処はここですよ”とか、”答えはこれですよ”なんて、
安易にポン!と与えるようなことはしない気がするの。


高い視点から、その時、その人に必要な言葉だけを伝えてくるんじゃないかな。


だから、言われた言葉に不満があったとしても、それに腹を立てるのではなくて、なぜ、それを言われたのかを一生懸命考えてみる。


そして、考えることによって”気づき”が生まれると、自然とヒモが見つかって、その先の答えにまで辿り着けるんじゃないのかなぁ。


そのプロセスこそがとても大切なんだと思う。
自分で、”気づく”ことが」


現にママも木村先生に辛辣なことを言われて相当落ち込んでいたけど、 その後1年間もの間ず~っと考え続けた結果、大事なことに気づいたんだって。


ママ、それって、人の話を遮らないで最後まで聞くってこと?


「ふふ・・・違うよ、エフちゃん!」

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第7章(12)~木村藤子先生-12

その話は、先生があの状況の中で、わかりやすい例えとして使っただけなの」


そうなの?


「うん。相手の気持ちを尊重するとか、相手に思いやりを持つとか、 いろんな意味にとれるけど、 一言で言うなら、人に愛を持ちなさい、ってことかな?」


ママが1年間考え続けたことは、そのことではなくて、
「中庸」の意味なんだって。


「先生はね、ママに、、”あなたには真ん中がない”って言ったの」


真ん中って?


「つまり、”中庸”とか”中立”のことだと思うんだ」


それともうひとつ。


先生はママたちの帰り際に、
「みんな同じなんですよ」と繰り返し言った。


中庸。
みんな同じ。


この二つの言葉が、後に、ママがセラピストを目指す上で、
とっても大事なキーワードになってくる。


その時になって、ママは初めて、何故、木村藤子先生のところへ
連れて行かれたのかがわかるんだけど。


もしかしたら、ママ自身が決めてきた青写真だったのかもしれない。


ヒプノを勉強する以前に、そういう人の所へ行って、あらかじめ必要なことを 学んでおく、って。


そして、ちゃんとEさんのおばあちゃんが前もって
「あなたのため」って言ってくれることで、ママが先生の言葉を真摯に受け止められるように 布石を打っておいたのかもしれない。


ママは
「木村先生に本当に感謝している」と言った。

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第7章(13)~木村藤子先生-13 お役目

「だって、エフちゃん、毎日毎日、全国からやってくる相談者のために 朝から晩まで神様の前に座りっぱなしでお告げを伝えるんだよ?」


それもお金のためではない。
だから、お礼に関しては、「お気持ちで」とおっしゃる。
金額は決まっていない。


「もし、すごい霊能力を授けますから、
命尽きるまで、毎日相談者のために働きなさい、って言われたら
エフちゃん、どう思う?」


(ママはそう言いながら、自身の過去世を思い出していた。
特別な能力なんて要らない、自由に普通の女の子として暮らしたい、 そう思ってある役目を放棄したのだ。
その時の役目を遂行することこそが、ママの今回の人生の目的になっている)


う~ん・・・・・


そっかぁ・・・・
木村先生って大変だね・・・・・


「でしょ?
先生は霊能者として生きることに抵抗があって、一度は自殺しようと思ったんだって。
でも、それすらも神様に阻まれてしまい、”死ぬことさえも許されない”のだと悟るんだって。

結局、自分の役目を果たすしかないと、今の役割を受け入れたらしいの」


厳しいことを言われたとか、
遠くから行ったのにほんの5分しか視てもらえなかったとか、
ネットにいろんなことを書かれても先生が一切弁明しないのは
この役目を受け入れる、と心を決めているからなんだろうな、
とママは最近思うようになったんだって。


私はこうこうこういうお役目なので、このように振舞うしかないんです、なんて一々弁明しない。
ただ淡々と黙って遂行する。
それこそが使命を受け入れているということなのでは?
って・・・・。


おそらく、神様は必要なことを端的に告げる。
木村先生はその真意を汲み取って相談者に伝えなければならない。


「もし厳しいお言葉を告げられたのに、先生が自分なりの優しい言葉に置き換えちゃたりなんかしたら、 神様に叱られたりするのかもね・・・。ちゃんとそのまま伝えなさい、って・・・」


ええ? 神様に叱られちゃうの?


「ママが、そうかもねって勝手に思ってるだけだよ」


人にはそれぞれ役目がある。


木村先生の役目はとても大きい。
 

ママは自分の役目を、「レイキ」のアチューンメントを受けたときに知ったと言う。

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第7章~木村藤子先生のこと

お兄ちゃんの話の前に・・・。

ママ、今日(2013年1月9日)、木村藤子先生がテレビに出るよ、っ
て言ったら、ママは「絶対見る!」って楽しみにしてたのに、
仕事に行ったらすっかり忘れて、残業しちゃったんだって。

途中で気が付いて慌てて帰って来たけど、もう番組は終わるところ
だった。

「あ~あ・・・」って、がっかりのママ。

木村藤子先生はママの恩人なんだって。

あの時の先生との出会いが後々、いろんなことを気づかせてくれ
たからね・・・」

先生と会ったのはもう6年ぐらい前だけど、強烈な思い出になってる
んだって。

「相当揺さぶられたし。 (笑)」

なんで、連れて行かれたのが木村先生のところだったのかなあ、
って呟いたら、すかさず友人のノリちゃんに、
「だって、そんじょそこらの人の言葉だったら、マサコさんは
聞く耳を持たないでしょ」って言われて、
ママはすご~く納得してた。

「この人は・・・」って、敬服できる人の言葉でないと、きっと受け入れ
ないだろうから。

過去にも、と言っても、もう20年ぐらい前の話だけど、
そのころママは首の痛みが酷くて、あちこち病院に行ったけど
どうも原因がはっきりしなかった。
で、友人からすごい霊能者の人がいるよ、と勧められて、予約を
入れ、遠くまで会いに行ったんだって。

チャイムを鳴らして、ドアが開き、その人の顔を見た瞬間、
ママはバリヤーを張った。
「だってね、エフちゃん、ほら、よく漫画とかで目の下に影を描く
ことがあるでしょう?
あんな感じ。明らかに低級霊か何かが憑いてるんじゃないかな、っ
て・・・。」
高尚な雰囲気とは程遠かったんだって。

ママは、初対面でもわりとそういうことを察知する。
だから、木村先生だったのだと思う。

「木村先生の時はね、途中からわかったの。
神様のお告げを聞いて伝えてくれるだけじゃなくて、先生自身が
目の前の人の心まで読み取れるぐらいの力を持っているんだって
ことが」

その後、テレビに出演しているのを見て、すごい力を持ってる人だっ
たんだと知ってママはびっくりしてたっけ。

みつるお兄ちゃんは、テレビでアップになった先生を見て、
「あっ! この人、目が違う!」って叫んだ。

「目が違う!ほら!」って。

お兄ちゃんは、先生が霊視してるとき、視てる世界が(いわゆる)
三次元ではなくて、他の次元を視てると言った。

ママは先生とは一度しか会っていないけど、実はずっと心に引っか
かっていることがあった。

(続く)

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第7章~木村藤子先生のこと(続き)

木村先生の所をおいとまするとき
先生が、「遠くからいらっしゃったのに、きついことを言ってごめんな
さいね」って、ママに声をかけた。

木村先生が短時間で何とかママに気づかせようと、敢えてそのよう
な態度をとったのだと、ママには分っていた。

だから、「いいえ、とんでもないです。ありがとうございました」って
ママは言った。

本当にありがたいと思った。

ママが心の底からそう思っていたことも、きっと先生には伝わってい
たと思う。

だからこそ、
「ネットにいろんなことを書かれているのを知ってます」って、寂しそ
うに言ったのだと思う。

ママは胸が詰まって、何も言えなかった。

そのとき、木村先生がぽつりと、「書いて下さい」と言った。
その言葉の前後をママはよく覚えていないのだけれど、たぶん、
ママが今回思ったようなことを書いて欲しかったのかなって思う。

(その頃は)誹謗中傷が多かったから。

でも、ママはこのとき、自分には無理だと思った。
ブログを始める気もなかったし、読む分には楽しかったけど、
自分の日記を不特定多数の人たちに公開するなんて、ママの性格
では絶対にできっこない。

心の中で、ごめんなさい、私には何もできない、って詫びた。

そして、このことがず~っと、ママの心に引っ掛かっていた。

だから、数年後、ヒプノという道に出会い、ブログを始めることになっ
たとき、木村先生のことを書かなくちゃ、ってママは思った。

それが、『第7章 木村藤子先生』なんだよね?

「うん。ねえ、エフちゃん、それを書いた後、不思議なことが起こった
んだよ」

(続く)

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第7章~木村藤子先生のこと(続き)

木村先生のことを書いて、一週間位経った頃。

ママは、ブログを読み返しながら、「少しは先生に恩返しできたのか
なぁ?」ってぼんやりと考えていたんだって。

そしたら。

いきなり、目の前(正確には右斜め前)に、小さな点のようなもの
が、ポッ!と現れた。

人影だった。

それが、す~っと大きくなって、
「ちょうど片手ぐらいの大きさで止まったんだけど、なんと、木村
先生だったの!」

あれっ?木村先生?って、ママが思った瞬間、先生はお辞儀をして
また、す~っと縮んで消えてしまった。

ママは、ぽかんとしていた。

今のは、なに?

錯覚? それにしては、くっきりとリアルだった。

もしかして、お礼に来てくれた?

いやいや、そんなこと・・・・。

ママのブログなんて読んでる筈がないし・・・。

ママが先生のことを考えていたので、その想いをキャッチしたのか
な。それだったら、有り得るかも・・・。

う~ん・・・、不思議・・・。

それだけでは終わらなかった。

数日後に知人からメールが来た。
「マサコさんのブログを読みました。その夜、不思議なことが起き
たんです」

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第7章~木村藤子先生のこと(続き)

なんと、夢に木村先生が現れたのだという。

そして、「あなたに大変なことが起きてるわよ。こっちに来て」と
言って、鏡の前に連れて行かれたのだそう。

鏡を見ると・・・・。

自分の背後に男の人が写っていた。

「あっ!」
彼女には思い当たることがあった。

翌朝、すぐにお祓いを頼んだ。

「ママも事情はよくしらないんだけど、その頃、彼女の身にはいろん
なことが起きていたみたいなの」

もしブログを読まなかったら、木村先生が夢に出てこなかっただろう
し、そうしたら、気が付くのが遅れてもっと大変なことになっていたと
思う、と彼女は言った。

木村先生が助けに来てくれたんだね?

「そういうことになるよねえ・・・。
ねえ、エフちゃん、眠っている間はみんな、潜在意識の世界にいる
わけだから、木村先生も自分が知らないところで人助けしてたこと
になるのかな?
(顕在意識の)先生自身には、身に覚えのないことかも・・・」

ふ~ん・・・・、不思議なことって、あるんだね・・・。
ママが誰かの力によって木村先生の所に連れて行かれたことだっ
て、不思議だものね?

「エフちゃん、不思議なこととか、たまたま、っていうこととかは、
やっぱり目に見えない力によるものじゃないかと思うんだ」

みんな、なぜそんなことが起きたのかわからないから、
”不思議だね”で済ませてるけど、本当は目に見えない力が陰で
動いていたり、最初からそうなるように自分で青写真を作っていた
り。そんな気がするんだよね、ってママは言った。

以前、沖縄の精神科医の越智啓子先生が、著書に書いてあったん
だけど、先生の診療の予約受付日は2か月に1日だけ。
その日は朝から電話が鳴りっぱなし。
かけてもかけても、話し中。

予約が取れて、診療に訪れた人の中には、
「先生の本を読んで感銘を受けて、ちょうど翌日が予約の日だった
ので、電話をしたら、1回で繋がって予約が取れました!」と言う人
もいれば、
「一年間かけ続けてようやく繋がりました」と言う人もいるんだって。

そして、越智先生はそのことを、
「その人にとって、診療を受けるベストタイミングに守護天使が電話
を繋ぐようになっている」って書いてあったの。

「だから、木村先生に観てもらうのも、ベストタイミングで行くように
なってるんじゃないかなあ」

中には、せっかく遠くから行ったのに5分しか見てもらえなかったと
か、冷たいことを言われたと言う人もいるけど、ママが思うには
それはそれで意味があるんだと思う、って。

「もしかすると、それもシナリオ通りかもしれないよね?」

人間は自分の人生のシナリオを、ある程度決めて生まれてくるよう
だけど、そのシナリオの中には喜びやハッピーなこともあるし、悲し
みやつらいことも含まれているようだ。

ドラマや映画や漫画だって、主人公にはいいことも起こるし、よくな
いことも起こる。
決して平穏無事な物語にはならない。
主人公につらいことが起こって嘆き悲しみ、絶望の淵に立たされる
と、観客や読者は、その気持ちに共鳴して、共に涙を流す。
やがて、主人公はそのつらさ、苦しさを乗り越える。
あるいは、それをバネにして、前向きに生きようと奮起する。
観客や読者は、今度はその主人公の姿に、そして勇気や努力に
感銘を受け、惜しみない拍手を送る。

「私たちの人生も同じようになってる」って、ママ。

つらいことや苦しいことも必ず用意されている。
そして、そのハードルを用意してきたのは、実は自分自身である。

「ヒプノに出会って一番良かったなあって思えるのは、実はこの
ことなの」

それまではつらいことがあると、
「何で私がこんな目に・・・」って打ちひしがれていた。

だけど、ヒプノですべてのハードルは自身で計画してきたものだと
わかってからは、嫌なことがあると、
「う~ん・・・、そうきたか。ええっと、これにはどう対処すればいいの
かな?」って向き合えるようになった。

「だって、そうでしょう? ”なんで私がこんな目に会うの?”って
思っても、答えは、”それはあなたがあらかじめ用意しておいたハ
ドルだからです” なんだもん」

前もって自分でハードルを置いておいたのに、いざその地点に来る
と、(その記憶は失っているから)
「え? なんでこんなところに、こんなハードルがあるの!?」って。
何とか、どかしたいと思うんだけど、それは無理だよね。
自分でそのハードルを飛び越えようと計画してきたわけだから。

そして、そのハードルを越えると、自分がいろんなことを得られるよ
うに設定してあったりする。
三次元的にいうと、新しい出会いがあるとか、転機が訪れるとか。

魂の面でいうと、魂が磨かれ、「気づき」が起きる。
「気づき」が起きると、ステージがあがるようになっている。

ただし、自身の力でハードルを飛び越えてこそ、「気づき」が起きる
らしい。

だから、安易に他人に「答え」をもらおうとしても、(それはシナリオに
反するので)そうはいかないようになっている。

「ねえ、エフちゃん、難しい算数の問題にぶつかった時に、最初から
考えもしないで、誰かに、教えてもらうこともできるかもしれないけ
ど、それだと、一生懸命考えて考えて、できた!っていうときの達成
感がないでしょう?」

「それに、次にまた同じような問題にぶつかったときに、また解けな
いから、すぐに他人に解いてもらおうとするよね?ずっと他力本願で
自分の力はず~っと伸びないよね?」

ああ・・・。ってことは、木村先生のような人に視てもらうのも・・・。

「うん。苦しいから、つらいから、みんな答えがほしいわけでしょう?
救ってほしいわけじゃない?」

「ところが、当てにして行ったのに、思うような答えが得られなかった
としたら?」

憤りを感じるかもしれない。

「でも、それはまだ、答えを受け取るタイミングじゃないから、ってい
う場合もあると思うんだ。あるいは、(その課題は)自分で乗り越えら
れるから、っていう場合だってあるだろうし」

木村先生は決して、その時の気分で優しくしたり、そっけなくしたり、
そんなことはしてないと思うよ、ってママは言った。

「5分で帰されたとしたら、それにもきっと意味があって、そのために
先生のところに連れて行かれたんじゃないかな?
だって、期待して行ったのに、思うような答えがもらえなかったら、
がっかりもするし、怒りも感じるかもしれないけど、その先はどうな
る? 」

ええっと・・・。また、さらにその問題に自分で向き合うしかない・・。

よね?
それこそが今のその人にとって大事なことなのかもしれないでしょ?

基本的には、自分で用意してきたハードルは自分で乗り越えなけ
ればならない。その人が自分の成長のために用意してきたものだか
ら。
人に頼んで、ブルドーザーでハードルを撤去したりしたら、元も子も
ない。

ふうん? じゃあ、ママ、5分で追い返されたとしたら、それをやって
るのは、木村先生の意志ではなくて、目に見えない力の仕業?

「木村先生の意志ではないよね。先生は神様にお伺いを立てて、
それを忠実に伝えているだけだから。
先生は”媒体”だから」

そっかあ・・・・。


 第8章~レイキ

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