それはもう5年くらい前の話。
まだママが潜在意識のことなんて、な~んにも知らなかったころ。
ママはある日、青森の木村藤子先生という、神様にお仕えしている人の所に連れて行かれた。
「連れて行かれた」というのも変な言い方だけど、でも、本当に、「連れて行かれた」んだって。
発端は、ある人と会話をしていた時のこと。
ママは、何気なく知人のEさんのことを話した。
Eさんは幼いときから持病があって、大人になった今も症状が続いている。
良い治療の方法も見つからず、かつ、不可思議な症状が出る時もあるのだと話した。
すると、その人が、”もしかしたら霊障かも。木村藤子先生は霊障に強いから、一度見てもらったら?”と言ったのだ。
ママは、Eさんにそれを伝えた。
即座に、「行く!」という答えが返ってきた。
そして、「マサコさんも一緒だよね?」と。
「ええっ?私が?どうして?」とママは驚いたそう。
だって、その頃、Eさんとは単なる知り合い程度にしか過ぎなかったし、
そもそも自分の個人的な相談に行くのに、良く知りもしない他人を伴って行くなんて、 ママだったら絶対嫌だと思ったんだって。
でも、Eさんは、
「何となく、一緒(に行く)と思ったんだけど?」と言う。
ここでママがすぐに断らなかったのには理由がある。
Eさん自身はごく普通の人なんだけど(と、本人は言っている)、
彼女には不思議な力を持つ”おばあちゃん”がいて、
ここぞと言う時には、連絡があり、必要なメッセージを伝えてくるのだ。
ママも一度助けられたことがあった。
ママがある事で困り果てて相談した時、
「大丈夫です。その答えは既におばあちゃんから受け取っています。
"マサコさんがいついつに相談してくると思うから、そうしたらこれを伝えてあげなさい"と 言われました。 かくかくしかじか・・・・・」といった具合に答えてくれた。
ママは最初、信じられなかったんだって。
「だって、何も話してないのに、何でも知ってるんだよ?」
しかも、相談したのは土曜日なのに、 おばあちゃんからはその4日前の火曜日に連絡が来ていたのだという。
未来のことに対する答えを先に用意して待っているなんて・・・!
とにかくそういうわけで、Eさんが”何となく一緒と思った”のなら、 何かそれなりの理由があるのかも・・・・、とママは考えたのだ。
それでママは、その夜、ノリちゃんに電話をしてみた。
ノリちゃんと言うのは、ママの古くからの友人で、超直感人間。
ママがとても尊敬している人。
ノリちゃんは、ママの話を聞くなり、
「あなたも行かなきゃ駄目よ!」と言った。
「えっ?なんで?」
「なんでかわからないけど、行かなきゃ駄目!」
いつもノリちゃんの言葉は、ママにはずっしり響く。
「わかった」
かくして、二人は1か月後、新幹線の車中に居た。
ママは車窓から見える景色を眺めながら、2週間ほど前のEさんとの会話を思い出していた。
Eさんはこう言った。
「おばあちゃんが、”自分から、ヒモはどこ?って探すようになったら駄目” だって言ってた」
「え? どういう意味かなあ?」
「自分で一生懸命(問題を解こうと)頑張っていたら、あるとき、
”あ、こんな所にヒモがある”って気が付いて引っ張ってみる。
そしたら、そこに答えがあった、って言うのはいいんだけど、
(先に何もしないで)ヒモはどこ?ヒモはどこ?って、
ヒモだけ探すようになるのは駄目だって」
ママは、何故そんなことを言われたのかわからなかった。
すると、Eさんがそんなママの気持ちを見透かしたかのように、
「この間、マサコさんが
”おばあちゃん、私達が青森に行くことになるって、わかってたんだから 先に教えてくれればよかったのにね!” って、言ったでしょ?」
「ああ・・・・でもあれは冗談のつもりで・・・・」
「冗談のつもりでも、口から出るって事は、心の中で思ってるって
ことだから同じなんだって」
ママはそんな風にたしなめられた。
有頂天になっていた自分が恥ずかしかった。
ママがそんなことをぼんやり思い返していると、
Eさんが話しかけてきた。
「一昨日、おばあちゃんから連絡があって、
今回の青森行きはマサコさんのためだって。
私はフィルターだって」
つまり、Eさんの青森行きにママが付き添う形になっているけど
実は、本命はママだという。
「え?、私のためって何だろう?」
特段悩みを抱えているわけでもないし・・・。
相談事もこれといってないしなぁ。
ママはEさんの言葉をさほど気にしていなかった。
しかし、実際には恐るべき展開が待ち受けていたのだ。
木村藤子先生というのは、青森県に在住している有名な霊能者なんだって。
神様の言葉を伝えてくれるんだけど、その能力は江原啓之さんや美輪明宏さんも 敬意を払うほどだとか。
青森に到着して1泊し、翌朝、木村藤子先生を訪ねた。
待合室には何人かの相談者が居て、皆、自分の予約した時間が来るのを待っていた。
悩み事を抱える人達で、部屋の空気は重苦しかった。
だけど、ママは単なる付き添いで、自身は別に相談事もなかったから 、至って気楽な気分でいたという。
何しろ、傍観者にすぎないのだから。
しかし、このあと、ママを叩きのめすような出来事が待っていた。
そうとは知らないママは呑気にEさんの付き添い気分で
一緒に(神殿の)部屋に入っていった。
部屋に入る時、何故か木村先生の突き刺さるような、冷たい視線を 感じたような気がした。
ん? 気のせい?
ママとEさんはソファに座った。
やはり、冷たい視線を感じる。
それも、ママにだけ・・・・。
挨拶が済むと、Eさんがあらかじめ用意してきた質問を順番に尋ね始めた。
ママ:(先生の冷ややかな目が気になる・・・・)
Eさんは病気のことや仕事のことを尋ねていた。
先生は質問のたびに神棚の方を向いてしばらく手を合わせ、
その後、お告げを伝えてくれた。
ママは付き添い(のはず)だったので、口を開くこともなく、黙って二人の会話を聞いていた。
そして、Eさんが、ママとの関係について聞いた時。
先生は突然ママのほうを向いて、恐い顔で
「この、マサコさんという人はスゴイ人です」と言った。
ママは一瞬ほめられているのかと勘違いしそうになったが、
先生の冷たい視線に、すぐにそうではないとわかった。
先生は畳み掛けるように、
「この人はひどい人です」と続けた。
ママは 、
「その後に自分の身に起きたことを、本当に信じられなかった。
気が動転してしまって・・・」と言った。
木村藤子先生はママを睨みつけながら、
ママの悪口を言い続けたんだって。
品格がないだの、冷たい人だの、
Eさんのこともそのうち邪魔者にして排除するだろうとか、
いかにママがひどい人間かということを
(Eさんに)延々と説明していた。
ママは一体何が起きているのか理解できなくて
呆然として、もう頭の中は真っ白だったって。
ただ、座っているだけなのに、
何ひとつ発言したわけでもないのに、
なぜ、いきなりこんなひどいことを言われているのか・・・。
しかも攻撃は止むことなく続く・・・。
ママは何が何だかわからなくて
顔面蒼白でその場に凍り付いていたという。
「よく、頭の中が真っ白になる、って言うでしょう?
本当に真っ白になるんだよ!
もう、ママはパニックだったもん!」
ママは何とか矛先を変えようと思った。
それで、やっとの思いでこう言った。
「あの・・・・一番知りたいのはEさんの病気のことなんですけど・・・」
すると、木村藤子先生が、待ってました!とばかりに、声も高らかに 「聞きましたか? ね? 彼女はこういう人なんです」
と、Eさんの方を向いて言った。
まるで鬼の首を取ったといわんばかりに。
こういう人、って? え? なに?
ママはますますパニックに陥った。
木村藤子先生は恐い顔をして、
「あなた、今、”一番”って言いましたね?
”一番”とか、”絶対”なんて言葉は軽々しく使ってはいけません。
言葉には言霊があるんですよ」と厳しい口調で言った。
さらに、
「あなたは今、私が話していることを遮りましたね?
もしEさんがこのまま東京に帰ることになったら、 Eさんはあなたのせいで(話を最後まで聞くことが出来ず)、消化不良のまま帰ることになるんですよ」
と続けた。
ママ「・・・・・・・・・・」
先生は、もう一度繰り返した。
「いいですか?
Eさんはいろいろ聞きたいことがあってここに来たんです。
時間だって限られてるんです。(予約の人が沢山いるから)
それなのに、あなたが、”一番聞きたいのはこれなんです”って遮ったら、 彼女は答えを得られないまま東京に帰らなくてはいけないんですよ!」
言霊・・・
人の話を遮る・・・・・・
先生の言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡った。
そして浮かんだ「自分本位」という言葉・・・・・・
その瞬間、ママの脳裏に
「今回の青森行きはマサコさんのためだって」という言葉が蘇った。
同時に何かが、ぐっと胸に込み上げてきた。
そして、涙がつぅ~っと頬を伝わり落ちた。
そうだ、私は今までこんな風に人に接してきたんだ・・・・・・・。
その時。
「今、涙が出ましたね?」と木村藤子先生が言った。
「はい・・・・」
答えながら、ママにはもうわかっていた。
木村藤子先生は人の心もすべて読み取れるんだ・・・・・・・。
ママの胸に何かが込み上げてきたその瞬間に、
先生の態度が一変したのをママは見逃さなかった。
木村先生はさっきまでの恐い顔が嘘のように、
柔和な顔で、「気づきましたね?」と言った。
ママは泣きながらこっくりと頷いた。
「はい・・・・」
あとからあとから溢れてくる涙を止めることが出来なかった。
その後の木村藤子先生は別人のように優しかったんだって。
丁寧な口調で、ママを諭すように、(ママに必要なことを)話してくれた。
そして、ママの母方のおばあちゃん(注:20年前に亡くなっている)がメッセージをもって現れていると言って、それを伝えてくれた。
さらに、「他に何か聞きたいことはありますか?」と二人に促してくれたりもした。
優しく、愛に満ちた(素の)先生の姿がそこにはあった。
おいとまする時には、ママもEさんもソファから降りてきちんと正座をした。 (そうせざるを得ない心境だったんだって)
お礼を述べた後に、Eさんが、
「今後とも宜しくお願いします」と言って頭を下げたので、ママはびっくりした。
(後で、「なんで、”今後とも”って言ったの?」と聞いたら、
Eさんは、「わからないけど、何となく・・・。また、来るような気がしたから」と答えた。
ママはそれを聞いた時、自分はもう来ることはないだろうと思ったそう)
部屋を出る時、先生が、
「遠くからいらっしゃったのに、きついことを言ってごめんなさいね」とママに声をかけた。
そして、ネットに自分のことを悪く書かれたりしていることを知っている、と寂しそうに言った。
ママは何か言葉をかけてあげたかったけど、何も思い浮かばなかった。
ドアを閉めるときに、そっと先生の後姿を見ると、
その背中はとても寂しく、悲しげだった。
青森から帰ると、ママはすぐにノリちゃんに電話をして、事の成り行きを話した。
ノリちゃんは、
「ああ、それは揺さぶりだね」と言った。
「揺さぶり?」
「うん。
大事なことを話すのに、普通に話したのでは伝わらないから、
だから揺さぶったんだよ。
遠くから来てるし、時間は少ししかないし、その限られた状況の中で 伝えなくちゃいけないわけだから」
そっか・・・・。
揺さぶりかあ・・・。
「でも、それにしても辛辣なことを言われたら落ち込むよね?」と、ママが訴えると、
ノリちゃんは、「神様は厳しいんだよ」とさらりと言った。
そして、
「カウンセラーじゃないんだから。相談者の話を優しく聞いてアドバイスをあげる、とかいうのとは違うんだよ」と続けた。
そうなんだ・・・・。
神道のことも、木村先生の立場も、ママはよくわかっていなかったのだ。
その3ヵ月後。
木村藤子先生はテレビに出演した。
それを機に、全国から相談者が殺到したと聞く。
予約の電話は1日中話し中で繋がらなくなり、
中には予約なしで押しかけたり、
早朝、夜中でもお構いなく家のドアを叩いて懇願する人さえも現れるようになったのだとか。
ママはネットで先生を中傷するような書き込みを見ると
あの寂しげな背中を思い出して胸が痛むと言った。
「ねえ、エフちゃん、ママが思うに、神様は、
”ヒモの在り処はここですよ”とか、”答えはこれですよ”なんて、
安易にポン!と与えるようなことはしない気がするの。
高い視点から、その時、その人に必要な言葉だけを伝えてくるんじゃないかな。
だから、言われた言葉に不満があったとしても、それに腹を立てるのではなくて、なぜ、それを言われたのかを一生懸命考えてみる。
そして、考えることによって”気づき”が生まれると、自然とヒモが見つかって、その先の答えにまで辿り着けるんじゃないのかなぁ。
そのプロセスこそがとても大切なんだと思う。
自分で、”気づく”ことが」
現にママも木村先生に辛辣なことを言われて相当落ち込んでいたけど、 その後1年間もの間ず~っと考え続けた結果、大事なことに気づいたんだって。
ママ、それって、人の話を遮らないで最後まで聞くってこと?
「ふふ・・・違うよ、エフちゃん!」
「その話は、先生があの状況の中で、わかりやすい例えとして使っただけなの」
そうなの?
「うん。相手の気持ちを尊重するとか、相手に思いやりを持つとか、 いろんな意味にとれるけど、 一言で言うなら、人に愛を持ちなさい、ってことかな?」
ママが1年間考え続けたことは、そのことではなくて、
「中庸」の意味なんだって。
「先生はね、ママに、、”あなたには真ん中がない”って言ったの」
真ん中って?
「つまり、”中庸”とか”中立”のことだと思うんだ」
それともうひとつ。
先生はママたちの帰り際に、
「みんな同じなんですよ」と繰り返し言った。
中庸。
みんな同じ。
この二つの言葉が、後に、ママがセラピストを目指す上で、
とっても大事なキーワードになってくる。
その時になって、ママは初めて、何故、木村藤子先生のところへ
連れて行かれたのかがわかるんだけど。
もしかしたら、ママ自身が決めてきた青写真だったのかもしれない。
ヒプノを勉強する以前に、そういう人の所へ行って、あらかじめ必要なことを 学んでおく、って。
そして、ちゃんとEさんのおばあちゃんが前もって
「あなたのため」って言ってくれることで、ママが先生の言葉を真摯に受け止められるように 布石を打っておいたのかもしれない。
ママは
「木村先生に本当に感謝している」と言った。
「だって、エフちゃん、毎日毎日、全国からやってくる相談者のために 朝から晩まで神様の前に座りっぱなしでお告げを伝えるんだよ?」
それもお金のためではない。
だから、お礼に関しては、「お気持ちで」とおっしゃる。
金額は決まっていない。
「もし、すごい霊能力を授けますから、
命尽きるまで、毎日相談者のために働きなさい、って言われたら
エフちゃん、どう思う?」
(ママはそう言いながら、自身の過去世を思い出していた。
特別な能力なんて要らない、自由に普通の女の子として暮らしたい、 そう思ってある役目を放棄したのだ。
その時の役目を遂行することこそが、ママの今回の人生の目的になっている)
う~ん・・・・・
そっかぁ・・・・
木村先生って大変だね・・・・・
「でしょ?
先生は霊能者として生きることに抵抗があって、一度は自殺しようと思ったんだって。
でも、それすらも神様に阻まれてしまい、”死ぬことさえも許されない”のだと悟るんだって。
結局、自分の役目を果たすしかないと、今の役割を受け入れたらしいの」
厳しいことを言われたとか、
遠くから行ったのにほんの5分しか視てもらえなかったとか、
ネットにいろんなことを書かれても先生が一切弁明しないのは
この役目を受け入れる、と心を決めているからなんだろうな、
とママは最近思うようになったんだって。
私はこうこうこういうお役目なので、このように振舞うしかないんです、なんて一々弁明しない。
ただ淡々と黙って遂行する。
それこそが使命を受け入れているということなのでは?
って・・・・。
おそらく、神様は必要なことを端的に告げる。
木村先生はその真意を汲み取って相談者に伝えなければならない。
「もし厳しいお言葉を告げられたのに、先生が自分なりの優しい言葉に置き換えちゃたりなんかしたら、 神様に叱られたりするのかもね・・・。ちゃんとそのまま伝えなさい、って・・・」
ええ? 神様に叱られちゃうの?
「ママが、そうかもねって勝手に思ってるだけだよ」
人にはそれぞれ役目がある。
木村先生の役目はとても大きい。
ママは自分の役目を、「レイキ」のアチューンメントを受けたときに知ったと言う。
木村先生の所をおいとまするとき、
先生が、「遠くからいらっしゃったのに、きついことを言ってごめんな
さいね」って、ママに声をかけた。
木村先生が短時間で何とかママに気づかせようと、敢えてそのよう
な態度をとったのだと、ママには分っていた。
だから、「いいえ、とんでもないです。ありがとうございました」って
ママは言った。
本当にありがたいと思った。
ママが心の底からそう思っていたことも、きっと先生には伝わってい
たと思う。
だからこそ、
「ネットにいろんなことを書かれているのを知ってます」って、寂しそ
うに言ったのだと思う。
ママは胸が詰まって、何も言えなかった。
そのとき、木村先生がぽつりと、「書いて下さい」と言った。
その言葉の前後をママはよく覚えていないのだけれど、たぶん、
ママが今回思ったようなことを書いて欲しかったのかなって思う。
(その頃は)誹謗中傷が多かったから。
でも、ママはこのとき、自分には無理だと思った。
ブログを始める気もなかったし、読む分には楽しかったけど、
自分の日記を不特定多数の人たちに公開するなんて、ママの性格
では絶対にできっこない。
心の中で、ごめんなさい、私には何もできない、って詫びた。
そして、このことがず~っと、ママの心に引っ掛かっていた。
だから、数年後、ヒプノという道に出会い、ブログを始めることになっ
たとき、木村先生のことを書かなくちゃ、ってママは思った。
それが、『第7章 木村藤子先生』なんだよね?
「うん。ねえ、エフちゃん、それを書いた後、不思議なことが起こった
んだよ」
(続く)
木村先生のことを書いて、一週間位経った頃。
ママは、ブログを読み返しながら、「少しは先生に恩返しできたのか
なぁ?」ってぼんやりと考えていたんだって。
そしたら。
いきなり、目の前(正確には右斜め前)に、小さな点のようなもの
が、ポッ!と現れた。
人影だった。
それが、す~っと大きくなって、
「ちょうど片手ぐらいの大きさで止まったんだけど、なんと、木村
先生だったの!」
あれっ?木村先生?って、ママが思った瞬間、先生はお辞儀をして
また、す~っと縮んで消えてしまった。
ママは、ぽかんとしていた。
今のは、なに?
錯覚? それにしては、くっきりとリアルだった。
もしかして、お礼に来てくれた?
いやいや、そんなこと・・・・。
ママのブログなんて読んでる筈がないし・・・。
ママが先生のことを考えていたので、その想いをキャッチしたのか
な。それだったら、有り得るかも・・・。
う~ん・・・、不思議・・・。
それだけでは終わらなかった。
数日後に知人からメールが来た。
「マサコさんのブログを読みました。その夜、不思議なことが起き
たんです」