半年後にわかった。
ママはアチューメントの最中に、Kさんとママがあたかも古代ギリシャかローマにいるかのような場面を見たのがどうしても気になって、 仲間に過去世退行を頼んだのだ。
「古代ギリシャかローマで、今に関わる過去世へ」と誘導してもらった。
過去世へ降りる階段を降りている途中から、ママは白い服を来た5、6歳の女の子になっていた。
そして、階段をジャンプしてぴょんと飛び降りると、そこは大理石の床の上だった。
天井の高い、大広間。円柱形の太い柱。
家の外には広い庭園がある。
Kさんは、(その時代では)少し歳の離れたママのお兄ちゃん。
教室の先生はお母さん。
父親は何か、神聖な職に就いているようだ。
時代はかなり古く、起源前かもしれない。
10代の場面に移すと、ママは家庭教師のような人について勉強をしていた。
天体のこと、星の動き、
植物から抽出して作る薬のこと、
他にもそれぞれの分野に長けた人からママはいろんなことを学んでいた。
セラピストが、「近所の子供たちとどんな遊びをしていますか」と聞いてくれたが、 遊んでいる気配は感じられない。
広い屋敷の中で暮らし、日常生活の中でその敷地から出て一般人と接することはあまりなさそう。
なんだか特別な家族のようだ。
父親がどんな仕事をしているのか、と(セラピストが)聞いてくれたが、よくわからなかった。
そして、「その人生で最も重要な場面へ」と誘導してもらうと、
そこには20歳になったママが・・・。
窓の外を眺めている。
同じくらいの年頃の女の子3人が楽しそうにおしゃべりをしながら歩いているのを羨ましそうに見ている。
私もあんな風にお友達と楽しく過ごしてみたい!
特別な能力は要らないから、普通の女の子として生活したい!
ママはそんな気持ちを抑えきれなくなった。
そして。
家を飛び出したのだ。
自由を求めて。
次は25歳の場面へ、と誘導してもらうと・・・。
(ママ)「・・・・・真っ暗です」
このように次々と年齢を重ねていく場面を見ているときに急に真っ暗になった時には、亡くなっている可能性が高い。
それでは、あなたが亡くなる寸前の場面へ、とセラピストが言った。
そこには、22歳で道端に(行き倒れのように)倒れているママがいた。
ママは自由になりたくて家を飛び出したものの、すぐにみんなとは住む世界が違うことに気付いた。
それで家に戻ろうとしたのだが、自身に違和感を感じ、そして、自分の両手を見て愕然とする。
既に力を失っていた。
ママ(が生まれた家)の一族は皆生まれた時からヒーラーのような力を持っており、 それを人々のために役立てる使命を担っている。
ママはそれを放棄した。
だから、「大いなる存在」に力を取り上げられてしまったのだ。
そう、ママが教室でAさんとのセッションをやったとき、Aさんが過去世で火山の神を鎮める役を放棄して、やはり「大いなる存在」から力を取り上げられたのと同じだった。
ママは生きるエネルギーすらも失い、後悔の念に苛まれながら絶望のうちに死んだ。
あの時Aさんは中間世で、
「自分が決めてきた使命は全うしなければならない」と言っていたが、
ママもやはり中間世で超意識(高次の存在)から、
「やるべき使命を決めて生まれてきた時は、それを遂行しなければいけない人生のときもある」と言われた。
セラピストに「この人生を振り返って思うことは?」と聞かれ、ママは泣きながら 「(家族に)ごめんなさい・・・・。人々のために使える能力を持っていたのに、それを捨てちゃったから・・・・。 そういう一族を選んで生まれてきたんだから、自分が決めてきたことは全うすべきだった」と言った。
最も悲しかったのは亡くなった後の場面だった。
それは・・・・。
屋敷ではママの亡骸を前に家族が集まっていた。
ママの亡骸は沢山のお花で囲まれていた。
一族には特別な力があったので、人間が輪廻転生することも知っていたし、いつかまた再会するであろうこともわかっていた。
お兄ちゃん(Kさん)は、悲痛な面持ちでこう言った。
「妹よ、遠い未来に必ずやエネルギーをよみがえらせるよ」
ママ!今、鳥肌が立った!それって、その、「遠い未来」って、もしかして・・・?
「そう、それがあのレイキのアチューンメントだったの。
あのアチューンメントを通して、過去の能力もよみがえらせたの。
だから、二人は古代ギリシャかローマ人のような格好をしてたんだと思う」
ええっ・・・不思議・・・・・。
「だから、その時のお兄ちゃんであるKさんからアチューンメントを受ける必要があったし、そういう風に決まってたの、たぶん」
セラピストが、「失ったエネルギーというのはヒプノのことですか?」と聞いた。
超意識の答えは、 「ヒプノは失ったエネルギーの一部である」
セラピスト:「今回のマサコさんの使命は?」
超意識:「自分で決めたから、自分でわかっている」
セラピスト:「彼女はアトランティスの時代にオリハルコンを(ある人に)渡してしまったと言っているが?」
超意識:「彼女はおろかだった。いつも使命を全うしない」
セラピスト:「なぜ、彼女は全うできない?」
超意識:「(全うするには)強い意志が必要。自分が捨て身になることだ」
セラピスト:「彼女は何から捨て身の経験をすればいいのか?」
超意識:「本人がわかっている」
セラピスト:「彼女へのアドバイスは?」
超意識:「自分を信じなさい。本を読んで得た知識ではなくて、もともと持っている力を信 じて・・。 自分が信じないと封印されたままになる」
そして、こうも言った。
「恐れるな。恐れが全てを阻む」
じゃあ、ママはそのギリシャのときに使命を放棄しちゃったから、今回はヒプノをやるって決めてきたの?
「それもあるみたいなの。でもね、面白いんだけど、今生の目的を決めたのはその過去世だけが原因じゃないの。
他にもいくつかの過去世が絡んでるの」
他にも?
「うん、”オリハルコン”が出てきたでしょ?」
レイキのアチューンメントを受けた時に、時空を超えて飛んできた石だ。
「その過去世も2回見たの」
「1回目はね、アトランティスの街の広場。
半円形の階段にママが腰かけているの」
なんだかその町は明るくて、幸せに満ちてきらきら輝いている感じ。
人々も幸せそう。
ママは白くて裾の長い服を着ていて、長い髪を耳の横で束ねている。
そして、ママの前には若い女の子達がきゃっきゃとはしゃぎながら一列にならんでいる。 みんな楽しそうだ。
ママが女の子の額(第三の目のあたり)にオリハルコンを10秒くらいかざす。
それって、何の意味があるの?
「よくわからないんだけど、オリハルコンでその人のエネルギーを増幅させているような気がするの」
多分、その行為は日課のように行われていたのだと思う。
昔、日本で紙芝居が始まると子供たちが集まってきたように、
ママが広場に姿を現すと、どこからともなく女の子達が集まってきて列を成すようだ。
セラピストが「次の場面へ」と言った。
そこは街のはずれ。
黒い服をまとった魔女がいて、手には黒い籠を持っている。
ママはオリハルコンを魔女に手渡している。
ママは引き換えに何かを手に入れたのだと思うが、それが何なのかはわからなかった。
その様子をお兄ちゃんであるKさんが遠隔で見ている。
(そう、Kさんはこの時もママのお兄ちゃんだったのだ)
広場の階段の上には太い円柱が何本か立っている。
その1本の柱の影から、Kさんが妹の愚かな行為を悲しそうに見ているのだ。
ママ、その”オリハルコン”って、そもそも何なの?
「アトランティスに存在したといわれる、幻の金属らしいの」
でも、ママにだって、よくわからない。
それで、ママは2回目にこの過去世を見たとき、セラピストに頼んだ。
「オリハルコンを人の額にかざすとどんなことが起きるのかを見せて」
(ママはいつも好奇心の塊だ)
すると、すごいものが見えた。
人の額にかざした瞬間、卵より一回りくらい大きい、そのオリハルコンの内部で、 オパールのような青や緑の光がちらちらと動きだしたのだ。
「青や緑の炎が点滅しながら石の中でうねっている感じ」
それはあまりにも鮮やかでくっきりとした映像だった。
ママはその美しさにに目が釘付けになったんだって。
「それにとっても神秘的だった。石のなかでエネルギーが動いているのがはっきりわかったし。
オリハルコンを第三の目にかざすでしょ?そうするとそこを入り口にして、その人の持っている(本来の)エネルギーを 増幅して強化しているみたいだった」
それを行うのはママの役目だった。
ママもお兄ちゃんも、家族全員、いや、一族は何らかの聖職に就いていたようだ。
ある晩、ママの寝室の窓をノックする音が・・・。
窓の外には大きな、人間大のミツバチの姿があった。
顔は人間だけど、羽があって、姿はミツバチにそっくり。
会話の内容はわからないが、何かをママにそそのかしている。
「人助けのため」なのか、「何かの役に立てたいから」なのか、 ちょっとだけオリハルコンを貸して欲しいと言っているような気がする。
翌日、ママは街はずれの魔女の家を訪ね、石を渡してしまうのだ。
(それは決して手離してはいけないものだったのに)
ああ、その石が、レイキのアチューンメントのときに戻ってきたの?
「うん。そうだと思う。戻してくれたのは魔女じゃないよ。
”今、返すぞ”って言う声は、”大いなる存在”からのように聞こえたから」
そして、ママはそっとこう言った。
「あのね、その時の魔女と今生で再会したの」
そもそもアトランティスでの過去世を2度目に見に行ったのは、その再会を確かめたかったからなんだって。
どこで? どこで再会したの?
「それがね~・・・・。ヒプノを勉強した時の仲間なんだよね・・・」
え~っ?同じ教室に居た、ってこと?
「そうなの。初対面ですぐわかったんだよね。あ、この人、あの時の魔女じゃないかな、って。 だから美加さんに頼んでセッションで見に行ったの」
それで、やっぱりそうだったの?
「うん。そうだった。本人には言えなかったけど」
その魔女さんとは、他の時代でも縁があったそう。
その時は親しい友人だったらしい。
夏子さんが、”魂にはグループがある”って言ってたから、、 同じグループの人同士って何度も出会うのかもね。
でも、今までに輪廻転生した全ての人生を見るわけではないから、 たまたま今生の人生に関わるひとつの過去世を見ただけで、ある人のことを ”良い人だった”とか、”悪い人だった”とか決め付けるのは良くないと思うの」
結局、人生を舞台に例えるなら、その都度、演じる役を交代しているに過ぎないから。
ママだって、悪役を演じる時もあれば、人助けをする役の時もあるのだ。
「そういえば先生が、”こういう教室に来る人は、魔女だった過去世を持っている人が多いのよ”って言ってた」
魔女だったり、シャーマンだったり、呪術師だったり、そういった過去世の影響を受けている人達が、 今生ヒプノを勉強しているのかもしれない。
さて、ママがこの古代ギリシャとアトランティスの二つの過去世での後悔から、今生ヒプノセラピストになったのかというと、違うのだ。
まだ他にも、関わる過去世がある。
「ひとつは江戸時代なの」
この時に見た過去世は鮮明だった。
リラクゼーションのあと、過去世に誘導してもらうのだが、大抵は最初に 「足元を見て下さい」と言われる。
ママは感覚、聴覚派だからあまり映像でははっきり見えないのだが、 この時は足元がはっきりと見えた。
わらじを履いていた。
砂利道のようなところをざっ、ざっと無心に歩いていたのだ。
どうも山道らしい。
時折、ふっと遠くの景色に目をやる場面もある。
ママは20歳の若者だった。
この人生を子供の頃から辿ってみると、面白いことに6歳くらいで 「自分はなぜ、何のために生まれてきたのだろう」なんて考えているのだ。
彼は粗末なわらぶき屋根の家が点在する小さな村に生まれ、 近所の子供たちが鬼ごっこをしているのをぼんやりと眺めながら (自分は仲間に加わらずに)そんな事を考えている。
10代で寺子屋に入るが、そこでの学問には飽き足らず、 「自分が知りたいのはこんなことではない、僕は真理が知りたい」と 20歳で山に入るのだった。
そして、山の中をさまよい続ける。
あるときは大きな岩のくぼみに身を横たえ、星空を眺めながら 「真理が知りたい」と祈ったりしている。
最後は切り立った崖の、人ひとりがやっと座れるくらいのわずかな場所に胡坐をかき、そこを動くこともなく 、毎日合掌してひたすら祈り続け、64歳でことっと横に倒れて、息を引き取るのだ。
「中間世で、何て言ったと思う?
この人生は最初から真理を追究する人生にしようと決めていたので、 思い通りの人生が送れて満足だった、って言ったの!」
つまり、生まれる前からそういう人生にする、って決めてたんだね? だから6歳くらいでそんなこと考えてたんだ・・・。
「うん。それでね、”今度生まれ変わったら、どんな人生にしたいですか?”って セラピストが聞いたらね、”この人生はとても満足だったけど、自分の人生を自分ひとりの(悟りの)ために 使ったから、今度は人のために使いたい”って答えたの」
それが、ヒプノなの?
「ううん、1回目にこの過去世を見たときには、まだヒプノに繋がらなかったの」
と言うことは、この過去世も2回目がある?
「そうなの。美加さんにセッションをやってもらって、”ヒプノに関わる過去世へ”って誘導してもらったときに また出てきたの」
ママは笑いながら、
「その時も、砂利道をざっ、ざっと歩いてて・・・・」と言った。
あれ、これは前に見たことがある過去世と同じだ、なんで、これがヒプノと関係あるんだろう、って思ったんだって。
寺子屋で学び、真理を知りたくて山へ入り、崖の上で瞑想して、 64歳で亡くなる・・・。
同じ人生だったが、1回目では見なかった場面も出てきた。
「びっくりしたのはね、谷へ降りて行って小川の水を飲もうとしている場面なの。
細くて長い木の枝を杖代わりに持って小川のそばに立ってるんだけど、前方の林にふと目をやると、 木々の間から動物の目がきらっと光ってて、こっちをじ~っと見てるの」
ママを狙ってるの?
「一瞬、そうなのかなと思ったんだけど、違ったの。
大きな鹿でね、そして、顔だけがぐわ~っとアップになったから、ん?と思って目を見たの。
そしたら! その目がどこかでみたことのある目だなって・・・・! 何と、うちのワンちゃんだったの!」
林の中からそっとママのことを見守っていたんだって。
ママは思わず涙がぽろぽろこぼれてきた。
そう、ワンちゃんとは何度も何度も一緒に人生を共にしてきて、いつもママを支えてくれる役割だから。
中間世に行ったとき、ママは
「今度生まれ変わったら、自分の人生を人のために使いたい」と思う。
(ここまでは、1回目と同じ)
レイキのアチューンメントでこの過去世が出てきた時、
「悟りもいいがあなたのそばに咲いている赤い花の美しさに気づくことも大事。
今度はその悟りをみんなのために使いなさい」というメッセージは ここに関係していたと思われる。
「それでね、”(人生を)どんな風に人のために使おうかな”って考えたの。 そして、今まで輪廻転生した、沢山の過去世を振り返ってみたの。
なにしろ、中間世にいるときは魂に戻ってるから、何でも見渡せちゃうの」
それで?
古代ギリシャとアトランティスの過去世が目に留まって、
「ああ、そうだ、あの時も、あの時も、使命を放棄しちゃったから、そうだ、今度はそれを遂行しよう! 」と思ったの。
ママはこのことを「とても不思議」と言った。
「自分の過去世をこんな風に、1本につなげて考えてるなんて・・・」
ええっと、ママ、ごめん、ちょっと話を整理してくれる?
「うん。まず、江戸時代に崖の上で瞑想して、真理を追究する人生でしょ?
そして、今度生まれる時は、人生を自分のためだけではなく、人のために使いたいと思う」
うん、うん。
「そのときに、どんな風に人の役に立とうかなと考えて、過去の沢山の人生を振り返る。
そしたら、古代ギリシャのとき、ヒーラーとしての使命を放棄した人生が目に留まる」
うん。
「アトランティスのときに、オリハルコンを手離して、自分の使命を放棄した人生も目に留まる」
うん。
「それで、その時の使命を遂行する人生にしようと考える」
「そのためには、当時お兄ちゃんだったKさんと再会する必要がある」
うん、それがヒプノの教室だよね?
「そう。そして、教室の先生は当時のお母さん。
Kさんからはレイキのアチューンメントを通して当時のエネルギーを蘇らせてもらう」
アチューンメントの間中、今回のヒプノに関わることになった過去世をいくつも 見せられ、かつ、沢山のメッセージをもらう」
うん。
「その後、ヒプノを学んでいく課程でその時に見た過去世が徐々に紐解かれていって、 今生自分が決めてきた人生のシナリオを知っていく」
なるほど。
「と、ここまではそんな感じかな」
え? まだ続きがあるの?
「うん。アチューンメントの時に、イギリスで馬車の下敷きになった過去世があったでしょ?」
それも、見たの?
「3回くらい、見たの。ストーリーはね・・・」
イギリスで裕福な家庭の子供だったママとKさん。
ある年の夏の間を、一家は郊外の別荘で過ごすことに。
ふたりは家の庭で遊んでいる。
敷地は白い柵で囲まれていて、庭は芝生になっている。
母親は家の中で赤ん坊を抱っこしてあやしている。
突然、ママ(5歳位)が柵の外に出て行く、
お兄ちゃんのKさん(6~7歳)があわてて後を追いかける。
妹に戻るように言うが、ママはドンドン走っていって大通りに飛び出す。
その時、運悪く、馬車が・・・・。
ママが次に見た場面は馬車が横倒しになっていて、ママの膝から下が馬車の下敷きになっているシーン。
そばで泣きじゃくるお兄ちゃん。
次の場面では、ママは家に運び込まれてベッドに寝かされている。
医者が往診に来た後のようだ。
結局、ママはそのまま息を引き取る。
その日からずっとお兄ちゃんは自分を責め続ける。
妹の事故は自分のせいだと・・・。
10代のお兄ちゃんはくら~い少年だった。
やがて20歳を過ぎ、お兄ちゃんは妹の死から得た”命の尊さ”に 目を向け、スピリチュアルに目覚め、人のために役にたちたい、と自分の人生の方向性を見出していく。
ふうん。でも、ママ、それって、どちらかというと、ママじゃなくてKさんの過去世なんじゃないの?
「あのね、中間世でね、ハイヤーセルフに聞いたの。
”なぜ、この過去世を見せられたの?」って。
「そしたらね、こう言われたの」
どんなに輪廻転生を繰り返そうとも、
この一族に生まれたからには、人生の軸になる部分は常に ”人への癒し(ヒーラーのような役割)”である。
「それを繰り返し繰り返し学ぶんだって」
そして、このイギリスの過去世では、ママはKさんの学びのために 幼くして光の世界に帰ることを決めて生まれて来ていたんだって。
Kさんはやがて妹の死を乗り越えて、スピリチュアルな世界を学ぶことになる。
「あなた達は、このように何度も出会い、お互いが(真理を)学ぶための役割を演じあっている。
なぜなら同じ一族に生まれ、人生の(学びの)軸は常に”人への癒し”だからだ」って。
そうだったんだ・・・・。ママ、それで、全部?
「まだ、見てないものがあるの」
そもそも人間は光の存在であるらしい。
肉体を脱ぎ捨て、魂だけの存在に戻った時、
帰る場所はその光の世界だという。
そこには全ての叡智があり、深い愛に包まれている。
そこには普遍の安らぎがある。
が、ひとたび「肉体」という衣をまとうと、それを忘れてしまう。
自分が一体どこから来てどこへ行くのかなんて、考えもしない。
でも、ママのように何かのきっかけがあってそういうことを考え始めたり、本を読んだりすることで ちょっぴりずつ、本来人間は光であり、愛であるということを思い出していくのだ。
新たに「知る」のではなく、「思い出す」。
だって、人間はただ単に忘れているだけだから。
そして、ママと美加さんはお互いにセッションを重ねながら、個々にそのことを思い出させあう仲間だった。
そういえば、ママ、美加さんが教室に入ってきてから、気になって仕方がないって言ってたよね?
「そうなの。ママより3ヶ月くらい後から入ってきて、最初は何とも思わなかったんだど、そのうち気になって気になって・・・・。それも、可愛くて仕方がないの」
後にレイキの練習をしているときに、ふっと二人の過去世らしきものが見えたことがある。
それは森の中で仲睦まじく遊んでいる10代半ばの姉妹だった。
ママがお姉さんで美加さんは妹だった。
すごく仲の良い姉妹だったので、今生再会した時、魂の記憶が呼び覚まされたのかもしれない。
第10章~植物と話す