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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第12章~潜在意識(1)

「何となく」
「ふと、思った」
「虫の知らせ」
「ひらめいた」
「何故だかわからないんだけれども」
「たまたま」
「初めて会った気がしない」


ママはこういうのは全部、潜在意識から来てるんじゃないかな、と言った。


だから、逆にこちらから潜在意識にアクセスすればいろんな答えを引き出せるはず。


瞑想が顕著な例かもしれない。
瞑想の時の意識は潜在意識の領域と言われているらしい。


いつだったか、瞑想をかなりやっているという人たちに、
「どんなものが見えるんですか?」と聞いたら、
「そりゃあもう、いろんなもの」という答えが返ってきたんだって。


過去世から、天からのメッセージから、いろんなものだって。


ママは「ヒプノは瞑想とかの代わりにセラピストが誘導して、
その潜在意識につなげる役割なのかな」と言った。


そして、潜在意識にアクセスできれば、答えを見つけられる可能性は大きい。


例えば、ママの友人のC子さん。
 

飲食店を経営しているのだけれども、いつも心配ばかりしている。
 

「お客が来なかったらどうしよう」
「月末までにこれだけの売上がなかったら借金の返済が出来なくなる」
口を開けばそんな話し。


そんな自分が嫌で、「もっとポジティブになりたい」と言うのだけれども、 どうしても思考がそっちにいってしまう。


C子さんの場合は、ヒプノをやってみたら、何と!

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第12章~潜在意識(2)

胎児期退行になってしまったんだって。


お母さんの子宮の中で、C子さんは母親の感情をまともに受けてしまう。


お母さんは2度の流産の後にC子さんを授かったという経緯もあって、
「また、流産したらどうしよう」
「ちゃんと育つかしら」と毎日心配ばかり。


そんなお母さんの「心配性」がそのままC子さんに影響を与えていたのだ。


これにはC子さんもびっくり。


いくら顕在意識でポジティブな思考になろうと努力しても
赤ちゃんの時から植え付けられた「心配性」にひきずられてしまうので なかなか思うようにはいかないわけだ。


こんな風に「何故だか自分を変えられない」原因が、
自分でも記憶にない頃の潜在意識下にある場合、
ヒプノはとても有効だとママは言った。


赤ちゃんのときに影響を受けているなんて驚きだね、ママ。


「そうだね、教室で胎児期退行の練習をした時も、
お母さんのお腹の中でちゃんと周りの声を聞いてたり、
お母さんが何かで悲しくて泣いたりすると、子宮がぎゅって収縮して、自分も悲しくなるから泣かないで、って 思ってたりしてるのがわかって、本当にびっくりしたの」


「それに」とママは続けた。


「例えば男の子だといいな」なんて母親や父親が思ったりすると、
もしお腹の中の赤ちゃんが女の子だった場合、 とても悲しんでたりするの。


大人になってから、「あ~あ、私も男に生まれたかったなあ」なんていう女性の中には
胎児期にそんな声を聞いていたのが原因となっている人もいるんだって。

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第12章~潜在意識(3)

そして、ママは思い出したように、
「ああ、そういえばね、退行の時って、誘導の言葉に気をつけないといけないの」と言った。


「美帆さんと幼児期退行の練習をしてた時にね、幼稚園くらいの場面を見てたんだけど、 美帆さんが”もっと小さい時に戻ってください。今よりもっと前の・・・・”と言った途端にね、 雲の上にいたの!」


ママは赤ちゃんで白いふわふわした雲の上で楽しそうにぴょんぴょん飛び跳ねてたんだって。


周りには幾つかの雲があって、、何人かの赤ちゃんが同じように飛び跳ねてている。



「みんなワクワクしてるの。下界を見下ろして、”これからどんな楽しいことが始まるんだろう”って」


ママが雲の上で飛び跳ねてます、って言ったら、美帆さんはあわてて先生を呼びに行った。


「今生に戻しなさい」とアドバイスを受けて、
「今生のあなたが小さかった頃に場面を移します」と美帆さんが言うと、 ママは今度は1歳になっていた。


部屋で寝かされている。


「今、どんな気分ですか?」と聞かれて、ママはこう答えたんだって。


「こっち(の世界)に来てみたら、つまらないです」


「だって、本当にそう思ったの、
生まれる前はワクワクしてたのに、
あれ?こっちの世界って、つまんない」って。


美帆さんが、「今よりもっと前」といった言葉に潜在意識は反応して、 「今生より前」に行ってしまったらしい。


「今生のあなたが小さかった頃、とか言葉は慎重に使う必要がありそう」


潜在意識には判断したり、選択したりする能力はないから。

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第12章~潜在意識(4)

潜在意識の中には、生まれてから今までの記憶はもちろん、胎児の時や、前世などの記憶もすべて入っている。


生まれてから6歳くらいまでは潜在意識は開け放たれた状態にあるが、
その後、徐々に閉じ始めて、12、13歳頃までには 潜在意識と顕在意識を隔てるクリティカルファクターという膜が出来てしまうらしい。


ってことは、ママ、6歳くらいまでは過去世の記憶があるっってこと?


「そうなの。もちろん、人によると思うけど」


小さい子供で生まれる前の記憶をもっている子供は結構いるらしく、そういった本も出ている。


『前世を記憶する子どもたち』


これは、アメリカのイアン・スティーヴンソン博士(精神科医)が 東南アジアを中心とする国々から、前世の記憶を持っていると思われる子どもたちの事例を 集めて紹介しているが、とても面白い。


「最近読んだ本ではね、越智啓子さんという精神科医と 、
池上明さんという産科医の先生が対談した『魂の処方箋』という本」


池上先生は胎内記憶を元に知り得たこと
たとえば、親を選んで生まれてくることや
目的を持って生まれてくることなど、
沢山の事例を本で紹介しているのだけれど、
ママは「胎話士」という言葉にびっくりしたんだって。


胎話士というのはお腹にいる赤ちゃんと話しが出来る人らしい。


「ある時、池上クリニックで4人のお産が重なったんだって。
それで胎話士の人が赤ちゃんに聞いたらね、
”ちゃんと順番を決めて、重ならないように生まれてくるから大丈夫”って言ったんだって!」


すご~い!!


「胎内の赤ちゃんはどっぷり潜在意識の領域内にいるってことかなぁ」

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第12章~潜在意識(5)

潜在意識はとても賢い。


ヒプノのセッションをやると、その時その人が見るべきもの、見る必要のない物を選別する。


えっ?でも、潜在意識の中に答えがあるんでしょ?


「うん。答えはあるの。でも、多分、今それを知るタイミングではないとしたら、その答えを受けとれなかったりするみたい」


榊先生はそのことを、こんな風に説明している。

『催眠のセッションで何かを知ることよりも、

自分で感じたことを大切にして、感覚を育てていく必要のある時、

自分で考える力を育てていかないといけない時、

自分で判断して、その結果を引きうける責任感を育てる必要のある時、

誰かにYESと言われなくても、後押しされなくても、

自分で1歩を踏み出す勇気を出さないといけない時、

自分でできることをしていって、

自分を信頼していく(自信を育てていく)必要がある時、

どうしたいかを感じ、考え、意思を育てる必要がある時、

体験すべきことを体験しないといけない時など。

このように、自分でできることをしてゆくこと、、
そのプロセスを体験すること自体が大切な方、
そのプロセスを通してしか得られないものがある時には、
知りたいことが得られないことがあります 』
         (榊先生のブログより引用)


でも、ママ、「潜在意識」って、自分の意識でしょ?
自分で自分に答えないようにするってこと?


「そこなんだよね~。”超意識”とか、”ハイヤーセルフ”とかって、結局は 無意識下にある”自分の叡智の部分”みたいなの。
だから、エフちゃんが言うように自分で自分に答えるか答えないかを決めることになるのかな・・・。
でも、この”叡智の自分”って、信じられないくらい賢いの」


そして、ママは、
「ほら、いつか話したKさんとのセッションのこと、覚えてる?」と言った。

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第12章~潜在意識(6)

うん。Kさんとママが古代ギリシャで兄妹だった過去世を見に行ったときでしょ?

「そう。ママはその過去世があまりにも信じがたくて、それでKさんに過去世のセッションを やらせてもらったの。
もちろんKさんにはママが見た内容は言ってなかったの。
だからもしも、”ふたりが古代ギリシャで関わっていた過去世”と誘導して、Kさんがママと同じものを 見たら、その話しは真実だったと考えられるでしょ?」

でも、結局その過去世には行かなかったんだよね?

「うん。かなり古い時代、アジアとヨーロッパの間位の小さな村の過去世が出てきたの。
その村ではね、1日の終わりに村人達が山に行って小石を積み上げる風習があるの。
そして、その時にその日の楽しかったことや悲しかったことを言いながら石を積むんだって」

その言葉には「言霊」があった。

「今日、この過去世を見たわけは?」とママはハイヤーセルフに聞いた。

答えはこうだった。
「古代ギリシャの過去世は真実である。だが、今日は重要な過去世を優先して見せた」

覚醒後にKさんは
「この過去世は僕だけではなくて、マサコさんにも必要だったから見せられたんだよ」と言った。

え? そうなの? なんで?

「ハイヤーセルフは、ヒプノセラピーは”言葉による誘導”ではなくて、”言霊で行うものである”って 言ったんだって」

ママにはとっても必要な言葉だった。

何故なら、ここ2年くらいの間、ママの頭から「言霊」という言葉が片時も離れることはなかったから。

ある時ふと「言霊」と浮かんだんだって。

でも、そういえば、木村先生も「言霊って、言ってたよね?

「うん。エフちゃん、”言霊”って、言葉によるエネルギーなんだけどね、 世界の言語の中でも、言霊を持つのはサンスクリット語以外では日本語だけだと 言われてるんだって」

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第12章~潜在意識(7)

というか、言霊を言葉にしたのが日本語らしい。

日本語の言葉は高次へとつながり、この三次元に跳ね返ってくると
何かで読んだ気がする。

ママは今生ヒプノをやるために、言葉に魂が宿る日本を選んで生まれてきたのかも しれないと思うようになったんだって。

その後、ママは言霊のことをもっと考える時期が来るんだけど、
その為にもこの時のKさんとのセッションはなくてはならないものだった。

すごいね、”叡智の部分”って、そんなことまで見越してるんだね。

「うん。だから、よく特定の人との人間関係を見たいって来る人がいるんだけど、 必ずしもそれがヒプノで出てくるとは限らないですよ、って説明するの」

ママも実際、ヒプノを受けに行った時、出てこなかったんだものね。
で、結局、みつるお兄ちゃんとの過去世が何度も出てきたんでしょう?

「そうなの、教室で勉強するようになってからもママが見たいと願い続けた人間関係の過去世は一度も出てこなかったの」

もちろん、自分の中の不安や恐れがブロックをかけて見えないこともある。

でも、この時は高次の存在が止めていたらしい。

なぜ、それがわかったかというと、最初の教室を卒業してから数ヵ月後に 予期しない形でその人間関係を見せられたからだ。

それは榊先生の教室でのこと。

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第12章~潜在意識(8)

その日は「過去世退行」の練習だった。

ママは特に見たいものもなかったので、
「今みるべき必要のある過去世へ」と誘導してもらった。

すると、中世ヨーロッパとみられる国の港が見えてきた。
ママは小さい女の子で、そばには立派な身なりの紳士が立っている。
その男性はママの父親のようだ。
二人はこれから豪華客船に乗りこもうとしている。

荷物が先に積み込まれ、乗客が乗り終えると船は出航した。

ママは甲板の手すりにもたれて海を眺めている。
少し離れた所で父親は誰かと立ち話をしている。

セラピストが「次の場面」と誘導すると、場面は真っ暗になった。

「重要な場面へ、って言ってみて」とママは頼んだ。
もう亡くなっているかもしれないと経験上思ったからだ。

案の定、海に落ちて沈んでいく姿が見えた。

それは出航してすぐのことだった。

そして突然、娘を探す父親の姿が見えた。
血の気が引いている。

誰かが、女の子は海に落ちたようだと気付き、
船上は騒然となった。

父親は半狂乱で暗い海に向かって娘の名前を叫び続けた。

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第12章~潜在意識(9)

その父親は今生のあなたが知っている人ですか?」とセラピストが聞いた。

ママは意識を集中する。

「えっ?まさか、ウソでしょ?」ってママは思ったんだって。

1年間もの間、いや、ママが最初にセラピーを受けに行ったときから数えれば実に4年以上もの間、 決して登場することはなかった人だった。

ママがずっと知りたかった人間関係の、まさにその相手だった。

ううん、きっと違う、思い違いだ、とママはその映像を打ち消そうとしたが、 やっぱり感じるのはその相手だった。

そして、高次の存在はこう言ったのだ。

「ソウルメイトはこのように何度も一緒に生まれ変わっては出会い、立場を入れ替わりながら、互いに魂を磨きあう。
この時はあなたがその人の娘として生まれ、幼くして光に帰るという筋書により、彼は 大切な人を失う悲しみを経験した」

半狂乱になって泣き叫ぶ父親の姿が再び浮かんだ。

「もう、許しなさい」
そんなメッセージが聞こえたような気がした。

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第12章~潜在意識(10)

ヒプノの勉強をしてきたママには、このメッセージの意味は十分すぎるほどに理解できた。

ソウルメイトは何度も出会い、お互いの魂の成長のために役柄を演じあうようなもの。

ある人がママを苦しめたとしても、ママ自身もその人を苦しめる役を演じる場合もあるのだ。

もし、今生では自分を苦しめた相手が、過去には自分の死にショックを受け、 半狂乱で悲しんでいたと知ったら・・・・。
 
そのような人生の仕組みがわかったのだから、
もう許しなさい、と高次の存在は言ったのだと思う。


「今だから、受け入れられたんだと思う」とママは言った。

それまで見てきた過去世は、最初の頃はお兄ちゃんのことばかり。
何度も何度も一緒に過ごした過去世を見せられて
「生まれ変わり」を半信半疑から、ひょっとして本当かも・・・・と信じるに至ったのだった。

次は不遇な過去世ばかり。
いつも人生をあきらめて、何もしないままに終えていく、そんな感じだった。
ハイヤーセルフは「自分の人生は自分で切り開かなくては」 と毎回同じことを言った。

その後は、真理を追究する過去世の数々。
そして、それらを人々に伝えるのを今生の目的としてきたことを思い出させるメッセージ。

このように、出てくる過去世はその時々で内容が変わってきた。

それはもちろん見る側(ママ)の心が変化してきたからだと思う。

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第12章~潜在意識(11)

この「心の変化」に大切なのが、自分の意識を何に向けるか、ということらしい。

いまだから言えることだが、ママが知りたかったその人間関係に どんなに焦点を当てようとも、ママにとってプラスになることなど何一つなかったと思う。

「何回ヒプノをやってもその人間関係が出てこないから、だんだんあきらめていって・・・。
そして出てくる過去世の方に自然と意識を向けるようになったのかな」

輪廻転生して何度も巡り会うことの素晴らしさに気付き、
自分の魂の目的を見出したとき、
目の前の問題よりも、自分の心がやりたいこと、
今、自分がやるべきことの方へいつのまにか意識が向くようになっていた。

人間関係が解決したわけではなかったが、自分のフォーカスする先が 違う方向へ向いたこと、 心がワクワクするものを探し、歩み始めたことで心が変わり、人生が楽しくなっていったのだった。

そして、ある日、思いがけずヒプノでその人間関係の相手を見せられる。

「きっと、今ならもう受けとめられると潜在意識が判断したのかもしれないね」

”叡智の部分”は顕在意識での想像の範疇を遥かに超えて賢い。

その人の成長のプロセスにおいて、今は答えを受け取るタイミングでないと判断したら、自分がどんなに望もうとも 出てこないこともあるようだ。

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第12章~潜在意識(12)

もちろん、1回目にすんなり出てくることもある。

ママの友達Wさんの場合にはそうだった。

妻子ある男性を好きになってしまって、その気持ちを抑えきれず、ヒプノで見ることを希望したのだった。

初対面の時から何故か惹かれてしまったという。

ああ、ママ、「何故か」って言う時は過去世とかが影響してる時が多いんだよね?

「うん。そうなの」

友達は何故彼を好きになってしまったのかを知りたいと言ったが、正直、ママには ヒプノで出てくるかどうかわからなかった。

でも、いつでもその人の潜在意識を信じるしかない。

必要なら必ず出てくる。
今が見るタイミングでないならば、他に必要なことが起こるはず。

とにかく信じてセッションを始める。

と、意外にもその「彼」はすんなりと出てきた。

そこは日本の古い時代。

Wさんは12歳くらいの女の子。身寄りがない。
大人の彼はWさんの面倒をみながら一緒に暮らしていた。

別に夫婦や恋人でもない。

「重要な場面へ」と誘導すると、17歳になったWさんが
病気で家の中に寝かされている場面へ飛んだ。

そして、「亡くなる寸前の場面へ」と言うと、
突然Wさんが激しく泣き出したのだった。

「置いていかないで! 行かないで!」と言いながら。

ママは不思議に思ったんだって。

自分が先に死ぬのだから、置いていかれるのは彼のほうなのに。

でも、ヒプノの時には疑問に思っても聞かない。
セラピストが自分の疑問を解くためにあれこれ質問するのは良くないからだ。

もちろん、話しの流れが全く見えず誘導に支障をきたすのなら別だが、そうでない限りはあえて質問はしない。

クライアントさんがその過去世を再体験し、その時のフリーズされた感情を解放したり、 気付きを得ることが出来ればOKなので。

中間世でママは聞いた。
「今生、彼と再会したわけは?」って。

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第12章~潜在意識(13)

Wさんは泣きながら、こう答えた。
「私がどうしても会いたかったから・・・・。会って、確かめたかったの」

「何を?」とは聞かない。
ママがをそれを知る必要はないから。


しばらくして、Wさんはぽつんと言った。
「でも、もうあきらめる・・・・。(今生では)人生が違うから・・・・・」

ママは胸にグッとくるものがあった。

ママ自身も何十回とヒプノセラピーを体験しているが、
現実で直面している問題の答えが潜在意識の中でわかるときというのは、 「魂」で納得するような感覚がある。

顕在意識の状態で、頭で「ああ、そうか」と理解するのとは感覚が違うのだ。

もっと心の奥深いところで感じ取る。

そして、とても腑に落ちる。

その感情の動きがわかるだけに胸が一杯になったのだ。

「でもね、エフちゃん、面白いんだけど、覚醒するともうその感情は 引きずってないの」

そうなの?

「うん、大抵はぼ~っとして、”そうだったんだ・・・・・”って不思議そうにしてるの」

Wさんは覚醒してから、
「置いていかないで」の意味を教えてくれた。

「それがね、治る見込みのなかった彼女を山に連れて行って置き去りにしたんだって。その彼が」

ええっ? ひどい!

「うん。ママもそう思った。でもね、Wさんは冷静に、”仕方がなかったの。もう治らない病気だったから」って言ってたよ。

中間世で、「この人生で学んだこと」を聞いた時も、Wさんは 「思い通りにならなくて仕方のないこともある」と言っていた。

ママ、そのお友達の場合は今、その人間関係を見る必要があったから、 セッションで出てきたってことなの?

「そうだと思うよ」

そして、ママは何かを言いかけて口をつぐんだ。

ママの視線の先には中庭の木、沙羅(しゃら)ちゃんがあった。

しゃらちゃんはセッションの途中でママにこんなことを告げた。

彼女は今、(人生の)転換期で、今日のセッションはその1つのきっかけになるだろう、って。


 第13章~高次の存在

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