聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第13章~高次の存在(1)

「エフちゃん、人間の意識には顕在意識と潜在意識のふたつがあると言ったでしょう?」

うん。

「その潜在意識はさらに二つに分けられるんだって」

そうなの?

榊先生の教室でも「三つの自分」って習ったんだけどね、

うん。

「それは顕在意識と(個人的)潜在意識と、その潜在意識の奥深くに広がる、”集合的潜在意識”なんだって 」

集合的潜在意識とは、個人の経験の領域を超えた人類全体に共通の無意識領域のことらしい。
ユングという心理学者が提唱したことでも知られている。

ママがヒプノセラピーってすごいなと思うのは、 この「(個人的)潜在意識」にも、「集合的潜在意識」にも、どちらにもアクセス出来るという点なんだって。

そのふたつはどういう違いがあるの?

「大雑把に言うと、個人的潜在意識というのは、今の自分に影響を与えている感情や価値観がある場所。
過去世、胎内期、幼児期などから持ち越してきている感情とか。
だから、何か問題を抱えている場合にはその原因となった場所にアクセスして、感情を解放したりするわけでしょう?」

うん。

「集合的無意識はそれより深いところで一つの塊となり、宇宙意識と繋がっている場所だと考えられるてるみたい」

「個人の経験を超えた集団や民族、人類の共通の記憶が存在するとも言われているんだって」

ふうん。

「中間世に行ったとき(魂や意識だけの状態になったとき)にメッセージをもらったり、アドバイスをくれるのは この場所からじゃないかなあ」

教室で練習する時には、退行をやって、その後中間世でハイヤーセルフに メッセージを貰うというパターンが多かった。

大抵はクライアントさんに「ハイヤーセルフはなんと言っていますか?」と誘導していた。
そうやってクライアントさんの口を通して答えを聞いていたのだ。

だけど、ある時、ママはクライアントさんのハイヤーセルフと直接話しをするようになった。

それは、ほんのちょっとした偶然から始まった。

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第13章~高次の存在(2)

ママが(最初の)ヒプノの教室の卒業を間近に控えたある日のこと。

その日、ママは友人であるT.Iさんの4回目のセッションを行っていた。

幼児期退行の後に、バースビジョンを見に行った。

T.Iさんは親との確執を抱えている上に、仕事のこと、家庭のこと、健康上のこと、とひっきりなしに 問題に直面していた。

ママはそれを見かねてヒプノセラピーを申し出たのだが、
毎回退行で出てくる場面があまりにも壮絶で、
なぜ、こんな大変な人生設計をしてきたのだろうとの疑問から
魂が今生の計画を立てた場所へと誘導したのだ。

T.Iさん:  「白い雲の上にいる・・・。 白い布を被った、ひげのはえているおじいさんが居て、小さい子供が傍にいる。ああ、この子は私だ。
おじいさんは左手をその子の肩において、ぎゅっと抱きせている感じ。 」

生まれてくる前のビジョンを見に行くと、雲の上にいると答える人が多い。 赤ちゃんの姿で、これから生まれる家や親を見下ろしている。

自分で親を決めて降りてくる子が多いが、中にはおじいさんが 「あそこにしなさい」と言ったからと答える人も結構いたりする。

ママはT.Iさんのそばにいるおじいさんは、彼女のハイヤーセルフなのかなと思いながら、

「その方に聞いてみて。 ”私はこれから生まれていくの?”って」と言った。

T.Iさんは「うん」とうなづいた。

「どんな人生の計画があるの?」とママは聞いた。

すると、意外な答えが返ってきた。

「その人の代わりに生まれるって言ってる」

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第13章~高次の存在(3)

その人の代わり・・・・?

ママは一呼吸置いて、こう言った。

「では、聞いてみて。 ”あなたは誰ですか?”って」

T.Iさんは何かをつぶやいた。

「その人は過去世のT.Iさんなの?」

T.Iさん: 「違う・・・、私じゃない」

「その人の代わりに生まれることに、どんな意味があるのか聞いてみて下さい」

T.Iさん:「その人の代わりに、その人の言いたいことを言って下さいって」

「彼はどんなことを言いたいのですか?」
それは、人々に言いたいことなの?
それともこれからT.Iさんが持つ家族に対して言いたいことなの?」

T.Iさん:「全ての人に」

「どんなことを伝えればいいのでしょうか?」

T.Iさん:「偉大なる愛の力」

・・・・・・・・・。

ママはもう一度深呼吸をした。

「これから生まれてくる小さなT.Iさん、雲の上から下を見下ろして下さい。
あなたはこれから生まれていくおうちやご両親を決めていますか?」

T.Iさん:「うん」

「そこにお父さん、お母さんがいますか?」

T.Iさん:「うん」

「あなたはなぜそのおうちに行こうとしているの?」

T.Iさん:「その男の人がね、決めたの」

「その男の人に聞くこともできますよ、どうして、あのおうちに決めたの?って」

T.Iさん:「その人は私を試してるの。
     私は何回も死にそうになる、
     何回も何回も死にそうになるはずだって言ってる。」

ママは胸が痛んだ。
T.Iさんがこれまでの人生で何度も死と直面しているのを知っていたから。

「その人に聞いてみて下さい、世の中の人に伝えるべき役目として
なぜ、T.Iさんが選ばれたのか」

すると、彼女はまた意外なことを言った。

「その人の子供だから」

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第13章~高次の存在(4)

その人の子供だから?」

「・・・・・・・・・その人はお父さんなんですか?」

と、突然彼女の声が変わった。

そして、ママに対してこう答えた。
「そうです」

しゃがれたおじいさんの声だ。

さっきまでのかわいらしい透き通るような彼女の声とは一変している。

ママは何だか腹が立ってきた。
なぜ、子供にそんな厳しい人生を歩ませるのか。
自分が生まれてきて伝えればいいじゃない!と思ったんだって。

そこで、おじいさんに直接こう聞いた。
「お父さんはなぜ自分が生まれ変わってきて伝えずに、子供であるT.Iさんに その役目を任せたの?」

おじいさんはしゃがれた声でゆっくりと答えた。
「修行させるためです」

「修行させるため?なぜ、何度も死にかけるような修行をする必要があるんですか?」

「それは・・・・それはね・・・、通り越していかないと・・」

「通り越していかないといけない過程なんですか?」

「そう」

「あなたとT.Iさんはそうやって何回も親子で生まれてきているのですか?」

「はい」

ママはこのおじいさんとT.Iさんはてっきり過去世での親子だと思い込んでいた。

「では、あなたは今、この世界にいますか?あなたもまた生まれ代わってきているの?」

おじいさんは相変わらずゆっくりとした口調でしゃべる。
「私はずっと上から見ています」

「あなたはいつも上からT.Iさんを見守って下さっているの?」

「そうです。私は助けたりもしてます」

「助けたりもしている?例えば?死にそうになったりした時にですか?」

「そうです」

あっ!

ママは突然思い出した。

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第13章~高次の存在(5)

前回か、前々回のT.Iさんのセッションのとき。

不思議なことが起きたのだ。

それは幼児期退行を行っていたときのこと。

幼稚園児のT.Iさんが台所で正座させられ、母親から延々と叱られ続けている場面だった。

T.Iさんには何の非もなかった。

母親はただ彼女のことが気に入らないという理由から日常的に叱ったり罵倒したりしていた。
毎日、毎日・・・・・・。

「今、どんな気持ちですか?」とママが聞くと、
T.Iさんは淡々と
「またかと思ってる」と答えた。

まだ4歳か5歳の小さな子供が幼稚園から帰るなり台所の板の間に正座をさせられ、くどくどと叱られ、しかもそれを「またか」と思って我慢している。

その胸中を思うと不憫で仕方がない。

「大人になったあなたがそばに行ってあげましょう」とママは言った。

幼児期退行でよく使われる手段である。

大人の自分が子どもの自分を癒しに行くのだ。

潜在意識下では小さい自分のそばに大人の自分が寄り添う、こんなことも可能である。
T.Iさんに、「その子はどんな表情をしていますか?」と聞いてみる。

大抵は、「悲しそうな表情をしています」とか、「(私を見て)嬉しそうです」とか答えるのだが・・・・。

T.Iさんは、
「あっ、この子、死んでる!」と言った。

ママはびっくりした。

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第13章~高次の存在(6)

「この子、死んでる!石みたいに固くて、全身が灰色になってる!」

そして、 「早く生き返らせなきゃ! 」と言った。
「早く魂を吹き込まないと!」

ママはどうしたらいいのかわからなかった。

T.Iさんは 「早く!早くしないと!」と叫ぶように言った。

その声を聞いた途端、ママはパッと閃いた。

もはや一刻の猶予もなさそうだった。
その閃きに賭けるしかない。

ヒプノセラピーにはマニュアルがない。
ひとりひとりに起きることが違うし、
セラピストはその時々の自分の直感と閃きを信じるしかないのだ。

「あなたの一番落ち着ける場所はどこですか?」とママは聞いた。

即座に「押入れの中」という答えが返ってきた。

それではその押入れの中に入ってください、とママは言いながらまた胸がチクンと痛んだ。

小さな子供が、一番落ち着くのは押入れの中だというのだ。
その心中は察するに余りある。

ママは押入れを光の空間に変えた。

それから、T.Iさんにその子をしっかり抱きしめてもらい、 天と繋がって愛と光を一杯に受けるよう、言葉で誘導した。

愛と光が天から降り注ぎ、T.Iさんの体を通して子供の小さなハートに流れ込む。

そんな誘導を続けながら、ママも一心不乱にその場面をイメージし続けた。

しばらくすると、T.Iさんが、
「あ、手が肌色になった!」と言った。

子供の体が灰色から肌色に変わり、 頬に赤味がさしてきたと・・・。

ママはほっとした。

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第13章~高次の存在(7)

覚醒後、T.Iさんにママが誘導している間、どんなことが起きていたのかと 尋ねてみた。

すると、T.Iさんは不思議なことを言った。

「太い光の柱が自分の頭上からずっ~と天まで繋がって、
その柱の上のほうにおじいさんみたいな人がいたの。
そして、”強い魂に変えたよ”って言ったの」

それって、どういうことだろう・・・・。

T.Iさんは次から次へと訪れる試練に愚痴も泣き言も言わず、
いつも明るい笑顔を絶やさず、愛に溢れた人である。

もしかしたら、その時点で魂を入れ替えられたのかなぁ・・・。
試練に耐えられるような強い魂に。

雲の上のおじいさんはこの時もT.Iさんを助けたのかもしれない。

ママはふと疑問に思い、おじいさんに聞いてみた。
「今生、T.Iさんと私が出会うべきことも、あなたが計画の中に入れていましたか?」

「そうです」

ママがT.Iさんにヒプノセラピーを提案したとき、彼女は即座にこう言った。
「私、昔から魂に興味があったの!」

彼女の試練の先に、やがてママと出会いヒプノを受けることも、ちゃんと人生の青写真に入っていたらしい。

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第13章~高次の存在(8)

「T.Iさんが伝えるべき”偉大なる愛”というのは、三次元の私たちにわかるように(いうと)どういうことですか?」と聞くと、おじいさんはゆっくりとした口調で、

「両手を広げて・・・すべてのものを包めるような愛」と答えた。

そして、
「それはT.Iさんに限らず、人間ひとりひとりが必要とすることですよね?」と聞くと、
「うん」とうなづき、
「自分が愛を持たなければ、まわりの人間に愛を気づかせるのは難しい」と言った。

ママ: 「自分が愛を持たなければ、まわりの人も愛に気づかない?」

「そうです」

ママ: 「まず自分から愛を与えること?」

(強い口調で) 「そうです!」

ママ:「あなたは・・・・、どういう存在の方ですか?」

「私は・・・、いつも雲の上にいます。
宮殿の椅子に・・・腰掛けています。
いつも・・・、見ています」

えっ? 宮殿?

ママはもしかすると自分が勘違いしているのかも、と気が付いた。
この人はT.Iさんの過去世でのお父さんではないのかも・・・。

そこで、こう聞いてみた。

「あなたはT.Iさんだけのお父様ではなくて、全ての人のお父様のような役割の方ですか?」

「そうです」

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第13章~高次の存在(9)

やっぱり・・・・。

ママの脳裏に、「偉大なる父」という言葉が浮かんだ。
神のような、創造主のような存在として使われている言葉なのだと思うけど・・・。

聞いてみることにする。

「上から見ている方というのはあなたおひとりなんでしょうか?
それとも、他にも沢山のそういった方がいらっしゃるのでしょうか?」

「沢山はいません。数人・・・」

ママ: 「数人いらっしゃるのですか?」

「はい」

ふうん・・・。 どうやら「偉大なる父」の位置づけとは違うらしい。

ママ: 「ということは・・・私の父親役でもあるということですか?」

「あなたのお母さんを知っています」

ママ: 「私の母親?」

田舎の母を知っている?

「一緒に・・・雲の上に居る・・・・・ベールを・・・かぶって・・・白い・・・」

ベール? ああ、田舎の母のことを言っているのではない。

ママ: 「それはすべての人のお父さん、お母さんという意味とはまた違うのですか?
あなたはすべての人のお父さんであり、その白いベールを被った人はすべ ての人のお母さんですか?」

「ちがう・・・何人かいます」

ママ: 「何人かいるんですか?」

「あなたのお母さんは・・・・知っている人・・・」

ママ: 「私の母親は、あなたが知っている人?
では、わたしのお父さんもいるということですか?」

「お父さんは、いません」

ママ: 「みんなそれぞれお父さんかお母さん的な存在の方がいらっしゃるんですか?」

「はい」

ママ: 「その方たちが雲の上からいつも見守って下さっている?」

「はい」

教室で習ったハイヤーセルフや超意識という存在とは別の人なんだろうか?


ママ:「お聞きしたいことがあります。あなたはいわゆる、高次の自分であるハイヤー セルフや、私たちがセッションで使っている”超意識さん”とは別の方ですか?」

すると、こんな答えが・・・。

「私の中に・・・・・・ひとりです。 私の中に・・・・・・ひとりです」

「私はヒプノセラピーをやっていますが、いつも私たちのセッションの中で、超意識さんとか、ガイドさんという方にいろいろアドバイスを お聞きすることがあります。
そういった存在の方の位置づけというのは、三次元の私たちにはわかっていないんですけども、それはあなた達のことなんでしょうか?
それとも存在的にはまた別なんですか?」

「違います。私たちの中に、それぞれ、いるのです」

覚醒後、T.Iさんはその時に見えていた映像を説明してくれた。

そのおじいさんの(魂)の中に、全ての存在が含まれているような感じだったよ、って。

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第13章~高次の存在(9)

ママはヒプノを1年近く勉強してきて、疑問に思い始めたことがあったのでそれを聞いてみることにした。

T.Iさんのセッションなのに、今や、すっかりママとそのおじいさんの対話になっていた。

ママ: 「私はどうしてもわからないことがあるんですが、どうして人間は過去の記憶を忘れて生まれてくるのに、ヒプノセラピーという セッションを通して気づきを得ることができるのですか?
どうして再び忘れてきた過去につなげること、それが必要なんですか?」

「それはね・・・みんな・・・記憶は・・ひとつなんです」

ママ: 「はい、でも修行するために、記憶を消して生まれてきますよね?
それでも人間はその記憶を辿ることで気づきを得たり、前に進んだりすることができます。
 なぜ、せっかく記憶を消してきたのに、その記憶を掘り起こすことでセラピーが成立するのか、そこがいつも私は疑問なんです」

「それはね・・・・記憶を呼び戻す・・・必要がある人と・・・・必要じゃない人がいて・・・・記憶を必要とする人はね・・・・ 必ず・・・記憶を必要とする時がくるんです」

「だから・・・記憶に囚われないで生活する人もいれば、・・・・記憶を呼び戻して、またひとつ私たちに近づく人も いるということです」

ママ: 「記憶を呼び戻す必要がある人と、必要としない人がいて?」

「そうです」

ママ: 「必要とする人は必ずそういう時が訪れて?」

「はい」

ママ:「そしてまたそのことによってひとつあなた達に近づくということですか?」

「そうです」

人はもともと光の存在であるらしい。
だから、こういった潜在意識に目向けることや真理を追求することにより、 本来の人間の本質に気付いていくこと、 それがおじいさんのいう所の「記憶を呼び戻す」ということなのかもしれない。

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第13章~高次の存在(11)

ママ:「この姫しゃらの木がある家に招いてもらったのは、何か意味があったんですか?」

「そうです」

ママ:「この木が呼んでくれたんですか?]

「木と・・・・空と・・・・・空気・・・・」

ママ:「この木に何か私がしてあげられることはありますか?」

「ありません。 あなたが、木に支えられてれているのですから」

そうなんだ・・・・・。

ママ:「私がつけた、しゃらちゃん、という名前は気に入っていますか?」

(おかしそうに)「んふふふふ・・・・いいですよ~」

そして、こう言った。
「あなたのお母様が・・・あなたの部屋の・・・・窓からみえる・・・空と木に・・・いつも光を・・・ 注いでくれてます」

ママ: 「・・・・・・!」

「あなたのお母様が・・・・・・ベールから・・・・・・・手を出して・・・・・・あなたに・・・光を・・・注いでいます」

引っ越してきたとき、最初にセッションを受けに来てくれたのがT.Iさんだった。

T.Iさんは部屋に入るなり、「この椅子はこっち」と言って、セラピー用のリクライニングチェアの場所を 窓際に移したのだ。

そして、その椅子に座ると、「そうそう、この景色」と言った。

窓際に座ると、真横の窓の外には姫しゃらの木があり、
その木の上には建物に切り取られた空が広がる。

不思議なことに本当にその空から光が降り注いでいるような気がする。

「なぜ、この場所だと思ったの?」とママが聞くと
T.Iさんはにっこり笑って「何となく」と答えた。

T.Iさんとママは過去に出会ったことはないそうだ。
ただ、300年ほど前に「同じ魂」のグループに属していたのだとおじいさんは教えてくれた。

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第13章~高次の存在(12)

この日、ママとおじいさんとの対話は30分近くも行われた。

おじいさんはママにいろんなことを教えてくれた。

例えば、みつるお兄ちゃんのこと。

今生、ママとお兄ちゃんは同じ目的をもった同志として生まれているのだそう。
それを詳しく話してくれた。

そして、ママがワンちゃんのことを
「セッションのときは、ケージに入れておいたほうがいいですか?」と聞くと、

「犬は・・・・あの犬は・・・・とても・・・・いい魂をもっている犬です・・・無理に・・・・ とじこめたりせず・・・・自由に・・・・・させておいてください。
あの犬の・・・エネルギーも・・・・とてもすばらしいです」と言った。

それから、おじいさんはこんなことも言った。
「あなたは書かなければならない」

言葉は流れていってしまうけれども、文章は残るから、と。

ママ: 「それもまた私に必要な役目ですか?」

 (力強く) 「うん!」
「飾りのない・・・・ありのままの、あなたの言葉で書くことをすすめます」

ママ: 「飾りのない・・・・ありのままの、私の言葉で?」

 (力強く) 「そうです!」
「自分の・・・思ったとおりの言葉で・・・・言葉を選ぶ必要はありません。すべて・・・自分の言葉で書きなさい 。
飾ってはいけません・・・・飾ってしまうと・・・それはあなたの・・・言葉ではなくなる」

ママはそう言われて8ヶ月もの間迷い、ようやく重い腰を上げた。

ある時、ミミさんのセッションに出てきた高次の存在がこう言ったからである。

「書き始めるのなら、7月」

そうしてこの物語が始まった

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第13章~高次の存在(13)

ママとおじいさんとの対話はT.Iさんのセッションの度に行われるようになった。

ママ、そのおじいさんっていつも雲の上にいるの?

「あのね、エフちゃん、本当はおじいさんはいないの」

えっ? いないの? じゃあ、ママがお話したおじいさんは?

「ママたちにわかりやすい姿で出てきてくれているんだと思う」

そもそもいかなる高次の存在も、姿形はない。

そこにあるのは波動だけである。

(個人的)潜在意識の奥の、「集合的潜在意識」におじいさんの波動はあるのではないかとママは考えている。

高次の存在はこの3次元よりも波動(バイブレーション)が高いので、目で見ることは出来ない。

「だから、きっと私たちにわかりやすい象徴の形で見えるんじゃないかのかな?」とママは言った。

「叡智のある人」といえば、「仙人のようなおじいさん」「白いひげの」といった具合にその象徴は個々の意識の中に刷り込まれている。

潜在意識はその刷り込まれたイメージで見せてくれているのかもしれない。

セッションで「高次の存在」に繋がった時、女神のような人が見えたという人もいるし、姿はなく、ただ光だったと言う人もいるし、人によってさまざまである。

ただ、「高次の存在」といえども、その波動の種類はいろいろあるらしい。

それに人間側の波動の高さ(性質)によっても繋がる相手は変わるようだ。

そしてまた、同じ人であっても、その時々で繋がる相手が変わったりもする。

ママはおじいさんに
「いろんな波動が入り混じって存在していて、私たちはたまたまどこかにアクセスしているんですか?」
と聞いてみたことがある。

「その通り」だとおじいさんは言った。

面白いことに、「高次の存在」には人間に宿った経験を持つものと、一度も人間に宿った経験のないものがあるらしい。

人間に宿った経験がある者は、人間のことをわりと理解しているのだとか。

おじいさんはどっちなのかな?

「人間に生まれたことはないみたいだよ。
だって、いつだったか、”もっと自信を持ちなさい!
自分で自分を信じないで、どうする?”って言われたことがあって、
その時に
”三次元の肉体をもつ人間は、そんなに簡単に自分で自分を信じると
いうことが、できにくいんです・・・”って答えたら、

「(大声で)ふふふふふふっ・・」と笑って
「ふ~ん・・・そうなのか・・・・ 。
でも、まあ、それもまた・・・・いいのかもなあ」って言ってたからね。

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第13章~高次の存在(14)

おじいさんに教えた貰ったことのひとつは、
「運命は何十年も何百年も、もしかすると何千年も前から決まっていることもある」ということ。

ママが、みつるお兄ちゃんはなぜママを母親に選んできたのか、って聞いたら、
「それは前から決まっていたから!」とおじいさんは答えた。

ママ: 「前からというのは?」

「ずっと昔から決まっていたから!」

ママ:「ずっと昔と言うのは、今回の人生を始める前ではなくて もっともっと前ですか?」

「(強く)そうです!」

ママ:「それは別の星から来るときに決めていたということですか?」

「もう、ずっと前から!」

ママ: 「お聞きしたいんですが、私はヒプノセラピーをやっていて
最近不思議に思うんですが、
例えば人生の目的と言うのは 今回の人生を始める前ではなくて、
そのように何百年も何千年も前から決めていることもあるんですか?
そしてその時に誰と出会うのかとか、そこまで決まっているものなんですか?」

「それもある!
ただね・・・・・魂同士の争いやら、何やらあると・・・決められていても うまくいかないこともあるんだよ・・・ 。
会うはずが会えない時だって、ある・・・・」


ママ:「では、人生の目的は1回ごとに決めるのではなくて そのように複雑にからみあっていることもある、と言うことですか?」

「そうです」

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第13章~高次の存在(15)

ママはミミさんの言葉を思い出した。

ミミさんは小さい頃からそのことを知っていたという。

「毛糸玉が絡まったように、こうなるとこうなって、その先はこうなって、って人生は先の先まで決まっているんだよ」って。

でも、その話しをすると周りから「変な子」と言われるので
口にしなくなったんだって。

ママは不思議で仕方がなかった。

「そんなに遥か先のことまで決まっていても必ずその通りになる訳ではないでしょう?
人間の自由意思によって人生はいかようにも変わっちゃうんでしょう?
その辺はどうなの?」

すると、ミミさんは面白いことを言った。

「歴史で年表ってあるじゃない?あれが魂の歴史だとすると、 ところどころに太い柱があって、そこは何があっても必ずたどり着く場所なの。
でも、柱と柱の間はその人次第で人生が変わるの。
そんな感覚かな」

「ふうん?」

つまり、山に登るのに、A登山道を行くと決めていたにも関わらず、
B登山道を登ってしまったが、それでもちゃんと五合目に辿り着き、
そこから更にC登山道を登る筈だったのに、たまたまD登山道を選んでしまったが、
いずれを選んでも次の六合目には到達できる、みたいな感じかな?

もちろん、違う道を選ぶことで、見える景色も出会う人も
体験の内容は変わってくるのだけれども。

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第13章~高次の存在(16)

ママもセッションをすると、T.Iさんのおじいさんみたいな人が出てくるの?

「それがね、エフちゃん、ママにはそういう人、出てこないの」

セッションでは高次の存在からメッセージを貰うが、
T.Iさんのようにいつも同じ人が出てくるわけではない。

ママの場合は、感覚・聴覚派のせいか、はっきりと姿を見ると言うよりも どこかから言葉だけが聞こえてくるような感覚なんだって。

「でもね、ミミさんやHiroさんのセッションでは面白い存在が出てきたの」

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