ねえ、ママ、ヒプノで洪水の過去世を見たときに、
今のママがメッセージを伝える場面があったでしょ?
女の子は、ママの姿は見えなかったけど声だけは聞こえていた場面。
「うん」
それって、その女の子にとっては、「未来の自分」からのメッセージってこと?
ママはニコニコ笑いながら、
「不思議でしょ?
今の自分が過去の自分に話しかけるとか、
逆に、今の自分が未来の自分からアドバイスをもらうとか」と言った。
そして、急に真面目な顔になると、こう言った。
「あのね、ママも良く理解できてないんだけど、過去世って、
実は過去じゃないんだって」
???・・・・・。
木内 鶴彦さんという彗星捜索家の方の話。
22歳の時に臨死体験をするのだが、
肉体を離れて、意識だけの存在になると、 時間や空間の制限なく自由にどこへでも行けることに気付き、 好奇心の趣くまま、いろんなことを試す。
たとえば?
「え~っとね、千年前のある神社へ行って、その神社を建設している人に乗り移り、
柱に”鶴”という字(自分の名前)を書かせたんだって」
ん? 何のために?
「証拠を残しておいて、後で、確かめようと思ったんだって」
後に実際に確かめに行ったらしい。
ちゃんと字は残っていた。
神主さんに、事情を話したら、
「そうでしたか? これで、ようやく、謎が解けました。
私たちも、どうして、突然、鶴という漢字が出てきたのか、ずっと、不思議に思っていたのです」 って言われたらしいよ。
自分の子供の頃へも行ってみる。
「子供の頃、川原へ降りていく道を歩いていたら、突然、”危ない!”という声が聞こえて、
反射的に、前を歩いていたお姉さんの背中をボ-ンと押して・・・・
直後に大きな岩が落ちてきたんだって。
その声のおかげで助かったんだけど、その声の主が誰だったのか見に行ったんだって」
「行く」というより、「あそこに行きたい!」と思った瞬間に、その場所にテレポートすることができるのだとか。
そしたら?
「小さい彼がお姉さんと一緒に歩いていて、そろそろ声のしたあたりに来たぞ、と思って見てるんだけど、誰も出てこない。
で、とうとう、その大きな岩が落ちてくる場面まで来てしまって、
思わず、”危ない!”って叫んじゃうの。
そしたら、小さい時の自分がこっちを振り返ったんだって」
つまり、声の主は自分?
「そう! 信じられる?エフちゃん」
ママが仲間達と勉強会をやっていた時にも、「時間を超越」した出来事は、よくあった。
例えば、高次の存在と繋がってアドバイスをもらうとき。
ハイヤーセルフさん、お願いします、といっても、実際には違う存在が 出てきたりすることがある。
質問に答えるべく、必要な波動に繋がるらしいのだが、
ある時、ママが疑問に思って、
「あの~、私たちが何を質問するのか、あらかじめわかっているのですか?」と聞いたら、
そうだ、という答えが返ってきた。
そればかりか、その都度、勉強会に誰が参加するのか、そこでどんな展開になるのかまで 、全部わかっているようだった。
「これから起こる出来事を先にわかっている」といえば、そういうことになるのだけれど・・・・・
「実際は、時間は、過去、現在、未来、という直線ではないらしい」
と、ママは言った。
そうなの?
「多分、同時存在してる」
そして、ママが小学生のときに読んだ本の話をしてくれた。
「『5次元世界の冒険』っていうの。
学校の図書館で借りて、家に帰るとすぐに読んだの。
今でも良く覚えてる」
本のなかに5次元の説明があった。
スカートの裾の両端を両手で持って、ピ~ンと張る。
3次元では、左手から右手まで裾伝いに歩いて移動する。
ところが、左手と右手を一瞬パッと合わせると、瞬間移動が可能になる。
これが、5次元の世界。
ママは、その時着ていたセーラ服のスカートの両端を持って、実際にやってみたんだって。
なんて、不思議・・・・。
「驚きと感動だった」と、ママは、そのときを懐かしむように言った。
それから、ママが小学校3年か4年生のとき。
何気なく見ていたテレビドラマで、何故か「はっ」としたときがあったんだって。
「確か、4つの世界の話だったと思う。
例えば、AさんとBさんという友達同士がいて、
Aさんだけが存在する世界、
Bさんだけが存在する世界、
AさんとBさんが両方とも存在する世界、
AさんもBさんも存在しない世界」
ママは、そのドラマに釘付けになった。
そして、子供心に何となく、それは本当のことじゃないかと思ったそう。
魂は全ての真実を知っている。
だから、真実の片鱗に触れることがあると、このように、「はっ」とするのかもしれない。
ただ、顕在意識ではその理由を理解できていないので、 「何となく」で片付けてしまう・・・。
ふうん。
じゃあ、本とか、テレビとか、映画とか、理由はわからないけど、 何故か心を動かされるときって、自分の魂の部分で感じてるってこと?
「可能性はあるよね~。
肉体をもつと前世の記憶とかは忘れちゃうけど、潜在意識の奥深くにはちゃんと記憶があるわけだから、 何かのきっかけで、その記憶が掘り起こされるのかも。
今生だって、ある曲を聞くと、昔付き合ってた人のことを思い出す、とかあるじゃない?
それと同じで、何かをきっかけとして、自分の過去世の記憶に繋がるんだけど、 顕在意識では、それを認識できないから、
”なんでだろう、この国の風景を見ると何故か懐かしい”とか、
そんな風に思っちゃうのかもね」
とすると、ママが、ドラマの4つの世界に「はっ」としたのも、すでに自分が知っていることだった からかもしれない。
ママ、そうすると、私たちは4つの世界に住んでるの?
今は、ママと私が一緒にいるけど、ママだけが存在する世界とか、
二人とも存在しない世界とかもあるってこと?
「う~ん・・・・・」
ママは、ちょっと困った顔をした。
そして、
「もしかすると、4つどころじゃないのかも・・・・」と言った。
2週間後、Tさんから連絡がきた。
「ねえ、どうなっちゃったんだろう!」って。
興奮した声で。
「何十年間も自己中心的に振舞ってきたお母さんが、突然、変わり始めたんだって」
どんな風に?
Tさんが手がけている仕事の、運転資金を心配してくれたのだという。
この不況の折、大丈夫なの?って。
Tさん曰く、
「こんなこと、有り得ない!」
今までは、お金の相談などしようものなら、「とんでもない!」と怒鳴り散らされるのがオチ。
我儘なお母さんは、Tさんを散々振り回すことはあっても、Tさんのために、と思いやりをかけてくれることなど 一度だってなかったのだという。
「信じられない」
Tさんはそう言っていたが、その後も月1回のペースでセッションを続けるうちに、 お母さんのTさんに対する言葉や態度は少しずつ温かみを帯びてきた。
「もちろん、Tさんのお母さんに対する気持ちが変わったことも起因しているとは思うの」と、ママは言った。
「”以心伝心”っていう言葉があるでしょう?
自分が好意を持っている相手は、向こうも自分に対して 好意を持っている、
自分が嫌いな相手は、向こうも同じ様に自分を嫌だなと 思ってたりするものだけど、
そういうのって、言葉にしなくても、何ていうのかな、”思い”って、伝わるんだよね」
だから、Tさんのお母さんに対する思いが変わると、それが波動で伝わって、 お母さんのTさんに対する態度が変わることは考えられる。
「でもね、それだけじゃないような気がするの。
まるで、お母さんは、Tさんのセッションの中に一緒に登場してたのかなと 思えるくらいに、その日を境に急に変わり始めたんだよね」
ママには、なんだか、スカートの裾を両手に持って、ぱっと手を合わせて、 過去に戻り、そして、両手を広げて、再び「今」に戻ってきたかのように思えて仕方がない。
ああ、そうか!
つまり、手を合わせた瞬間に、Tさんとお母さんは時間を遡って、過去のその場面に実際に戻っていたかも、ってことだよね?
「うん。お母さんはTさんの言葉を聞いて、すごく癒されたんじゃないかと思うの。
”お母さんも寂しかったんだね”って、そんな風に自分の気持ちをわかってもらえたら、 それだけで心がほどけるじゃない?」
ということは・・・・?
ママは、巻尺 (メジャー)を持ってきた。
「見て、見て、エフちゃん、この巻尺の50cmのところが、現在とするでしょ?
仮に10cmの所が過去、100cmのところが未来だとする。
ママたちは、人生を0から出発して、10cmを通過し、今は50cmのところにいる」
うん、うん。
「で、これから何年か先に、100cmのとこまで辿り着く」
つまり、時間は直線だと。
「でも、ほら、10cmのところと、50cmの所をそれぞれつまんでぱっと合わせると・・・・」
一瞬の内に、10cmの所へいける!
「そう。そして、50cmのところと、100cmのところをそれぞれつまんでぱっと合わせると・・・」
一瞬の内に、100cmの所へいける!
未来に行けちゃうんだ!
「だからね、一瞬、未来に行って、また戻ってくれば、例えばSF小説とかで、未来都市を書くことも 可能になるよね?」
ママがこんなことを言ったのには訳がある。
ママは、子供の頃、本を読むのが大好きで、日に1冊、多いと2冊のペースで 、毎日毎日読んでたんだって。
「エッセイとか、純文学とかは、作者が自分の頭で(つまり顕在意識下で)、考えて 書いたんだろうなと思えるんだけど、SF小説の中に、詳細な未来都市の描写とかがあると、 不思議でしょうがなかったの」
「なんで、未来のことをこんなに(空想だけで)詳細に描けるのか、子供心に ? だったんだよね~」
未来に限らず、地底都市でも、他の惑星のことでも。
まるで見てきたかのような細かい描写・・・・。
ああ、でも、さっきの巻尺の例えでいうと・・・・。
「書けるよね」
現在と、未来を両方つまんで、ぱっと合わせちゃえば・・・。
「ヒプノをやらなくても、インスピレーションという形で受け取ることも可能だし」
つまり、構想を練っている時に、脳波がアルファ波とか、シータ波になって、 そのときにインスピーレーションが振ってくれば、それは、催眠下で 見に行ったのと同じだから。
ってことは・・・・・?
現在に居ながらにして、過去にも未来にも行けるということは、
時間は、過去から現在、未来という直線ではないってこと?
「・・・・みたいなんだよね」
つまり、同時存在してるんだ!
「たまにSF映画の内容が現実に起きた!なんてことも聞くでしょう?」
ああいうのも、自分では閃きで作った話だと思っていても、
実は一瞬の内に未来にアクセスして、それを「閃き」という形で
受け取っていたのかもしれない、って考えると・・・・。
ワクワクするね~。
「そもそも、閃きって、どこからくるの?って考えると、やっぱり潜在意識 からだよね」
「それでね、エフちゃん、時間は直線ではないんだ、と思ったのが第一段階でしょ。
その先があるの」
4つの世界のこと?
「うん、あのね、過去世の書き換えをやったのね。
そのセッションの中でびっくりすることがあったの!」
榊先生の教室で、「過去世の書き換え」を習った時のこと。
「過去世の書き換え」と言うのは、過去世を見に行って、必要があれば、それを自分の望むように書き換えるやり方。 (ただし、取り扱いには注意が必要)
その書き換えの中で、ママは過去の自分から、驚くべきことを告げられた。
デモをやる事になったママが選んだのは、1年以上も前に見た過去世。
それは・・・。
中世のヨーロッパ。
1歳か2歳の子供だったママ(男の子)は、両親と一緒に豪華客船に乗っていた。
そして、海賊に襲われる。
目の前で父親は殺され、母と共に漂流して、小さな漁村に流れ着く。
母親は、生きるすべもなく、海辺の朽ちた掘っ立て小屋の中で悲嘆に暮れる日々。
町に行っては、物乞いをして、わずかばかりの食べ物を手に入れる。
男の子が5~6歳の頃、母親は亡くなる。
次の場面では、10代後半の彼が港で荷物の積み下ろしをしている姿が。
恋人が出来て、人生で初めて幸せを手にいれる。
しかし、恋人は、彼が働いていた倉庫会社の、経営者の娘。
ふたりは仲を引き裂かれる。
人生に絶望した彼は、次第に酒に溺れるようになる。
小さな酒場のカウンターには、毎晩浴びるように酒を飲む彼の姿が・・・。
そんな日々が2年も続いたある日、彼は、その酒場のスツールから崩れ落ちるように床に倒れこむ。
まだ、21歳の若さで、彼はこの世を去った。
「この過去世を見ているとき、途中からすごく気分が悪くなって・・」とママは言った。
胸がムカムカして、吐き気を感じるほどだったという。
覚醒後も、3日間くらい、それは続いた。
なんで、そんなことになっちゃったの?
「理由があるの」
このとき、ママが誘導してもらったのは、
「○○さんとの関わりが分かる過去世へ」だった。
○○さんと言うのは、今生において、ママが人間関係で葛藤した相手。
「あのね、豪華客船に乗っていたとき、乗り込んできた海賊のひとりが、 その人だったの。そして、倉庫会社の経営者は、その人の関係者」
過去世を見ながら、ママは顕在意識で、
「この時も、この人達は自分を苦しめたんだ」と思ったんだって。
「そしたら、涙が止まらなくなって、すごく気分が悪くなったの」
今にして思えば、そのときの悲しみや苦しみを再体験していたのだと思う。
肉体は今のママなんだけど、「感情」だけがタイムスリップしているような感じかな。
残念なことに、この時のママも、セラピスト役の仲間も、初心者ゆえ、この感情を解放するすべを知らなかった。
だから、ママはつらい気持ちを再体験して、そのまま今に持ち越して覚醒してしまったのだ。
(と、思う)
それから、その過去世で、中間世へ行ったとき。
肉体を離れて、魂だけになったママは、
セラピストに、「この人生で学んだことや気づいたことは?」と言われ、
またもや涙が止まらなくなった。
「後悔したの。せっかくの1回の人生を無駄にしてしまった、って」
ママがそのとき、何となく分かったのは、
「再び生まれてくる」のが、いかに貴重なチャンスなのかということ。
あの世へ行ったら、また簡単に生まれ変わってくるのだと思っていたママには 意外だったが、「生まれてくる」ことは、それこそ、福引で1等を当てるくらい、 とても恵まれたチャンスなのだ。
その、せっかくのチャンスを、何も成し得ないまま、わずか21歳で終えてしまったことをママは嘆き、深く後悔したのだった。
そして、榊先生の教室で、突然、この過去世を思い出した。
そうだ! この過去世を書き換えてみよう。
「でね、実際の書き換えなんだけど、まずは同じ過去世に誘導してもらうの」
以前に見たのと同じ過去世に行けちゃうの?
「うん。それは大丈夫なんだよ。誘導で行けるの。
カクカクシカジカの過去世に行ってください、ってね。それでOK」
ママいわく、他に見る必要のある場面がない限り、潜在意識は
ちゃんとその過去世へ連れて行ってくれるのだという。
「そして、同じ過去世なんだけど、前回には見なかった、他の場面が出てきたりするの」
ママも、そうだった?
「うん、最初に出てきたのは、海の傍の、粗末な小屋」
ああ、お母さんと一緒に住んでいた小屋だね?
「そう。お母さんが亡くなった後みたいだった。
小屋の外で、砂浜に座って、ぼんやり海を眺めてるの。
それでね、その子の気持ちが伝わって来るんだけど、
悲しいとかじゃなくて・・・・なんだろう・・・・。
ひとりで生きていかなくちゃなあ、って何となく思っていて・・・・」
海がすごくきらきらして綺麗なのが印象的・・・・
「海が綺麗で悲しくなります・・・・」と、その子は言った。
「お母さんがいつも、町へ行って、ゆでたじゃがいもとかをもらってくるんだけど・・・
それをひとりで待ってる間も、いつもその小屋から海を見ていて・・・
海はいつも、きらきらきらきら、水面が輝いて綺麗で・・・・
お母さんは死んじゃったんだけど、でも、海は変わらずきらきらしてて・・・
なんかそれを見てると・・・なんか・・・泣けてくる・・・・」
海は変わらず、ただそこに在る。
自分が天涯孤独の身になっても、 海は何ら変わることなく、いつものように、きらきらと輝きながら、そこに存在している。
次の場面では、18歳くらいの恋人が出てきた。
楽しく話しをしている。
「その子のことが、好きなんですね?」と、先生が聞いてくれる。
「ずっとひとりだったから・・・初めて人のあったかさみたいなのを・・・・
(彼女が)笑ってくれるだけで、すごく幸せ・・・」
「彼女はどんな女性なんですか?」
「優しい・・・・優しい子です・・・・笑顔が輝いていて・・・」
「今、あなたは、彼女があなたに対してどんな気持ちでいるのかが よくわかりますよ。
彼女はあなたのことをどう思っていますか?」
「なんか・・・本当に純粋に惹かれている、っていう感じ・・・で想ってくれているのがわかります」
「彼女はあなたのどんな所に惹かれているんでしょうね?」
その言葉を聞いた途端、ママには不思議な光景が見えた。
港では大勢の男性が働いている。
彼女の目を通してみると、その中でひとりだけ、光って見える人がいる。
それが、ママ?
「うん。彼女の魂の部分が、出会うべき相手だということを知っているみたいだった」
潜在意識で過去世を見ながら、同時に、顕在意識では、
「へえ!そういうものなんだ!ちゃんと魂が求めている人、っていうのがわかってるんだ」と、ママは感心していたのだそう。
「だから、人との出会いって、偶然とか、たまたまとか思ってても、
実は、魂が知ってるから、ちゃんと計画通りに出会うように導いてるんだな~と思った」
更に、次の場面。
「バーでお酒を飲んでます・・・・
なんか、もう絶望的な気持ちで、なにもかもどうでもいいという、やけくそな気持ち・・・
なんか・・・自分の人生なんか、この先、良いことなんて何もないんだ、みたいな・・・・」
娘の父親から、
「お前みたいな奴に娘はやれん!」と仲を引き裂かれたのだった。
「 (嗚咽)悔しい・・・・・悔しいです・・・
あの襲ってきた海賊も、・・・お父さんは目の前で殺されたし、・・・
お母さんも、貴婦人みたいな人だったのに、あんな惨めな・・、
物乞いして暮らして・・・・なんでこんな人生なんだろう・・・・悔しいです・・・・」
止め処もなく涙が流れた。
そして、死の場面を通り越し、中間世へ行くと・・・・。
「雲の上にいます。
先に亡くなったお母さんがいて・・・
あれじゃダメだったのよ、って言ってます・・・」
「なんか・・・本当は・・・そうやってお酒に溺れて死ぬんじゃなくって、
自分では、そこから頑張って切り開いていく、みたいな人生を計画していたようです。
だけど、そうはいかなかった・・・・というようなことが、なんだかわかります」
ママは、そう言いながら、自身でも、
「そうだったのか!」と驚いている。
「恋人と引き離されて、2年ぐらいは酒びたりの生活をするんだけれども ・・・
本当は、そこまではちゃんと筋書き通りで・・・・
一時期は悲しむんだけど、
自分で計画していたのは、そこからちゃんと立ち直って、生きていく、みたいな・・・」
肉体を離れると、どうしてこんなにいろんなことがわかるんだろう。
顕在意識のママがしきりに不思議がっている。
「すべてを経験した上で、本当は、そこから先があって、
何となくだけど・・・・
そこから頑張っていったら、彼女と私は一度は引き離されるんだけど、
彼女は私のことをすごく想ってくれていて、
(その後)一緒になる人生があったような気がします」
そのとき、絶妙のタイミングで、先生が質問をしてくれた。
「そうやって頑張ることで、どんな人生を過ごそうとしていたんですか?
切り開いて生きぬくことによって、何かを得ようとしていたんでしょうか?」
「そうではなくて、”切り開くこと”。
どんな状況でも、たとえ自分が八方塞で生きる望みがないように思っても、
人間は自分で切り開いていけるし、それによって、人生はいくらでも変わるんだということ。
それを知ることだった」
(そうだったの!?)と、ママの顕在意識。
1年前にこの過去世を見たときは、そこまでは分からなかった。
書き換えが始まった。
「えっと・・・・バーでお酒を飲んでます」
酔いつぶれて、カウンターに突っ伏している(過去世のママ)。
「あれ?でも、そこに、人だかなんだかわからないんですけど、誰かが来て・・・
ん?(変だな・・・)自分のような気もするんですけど・・・
その人が、こんな生活を続けていちゃダメだって・・・」
「誰かが言ってくれるんですね?」と、先生。
「う~ん・・・・でも、(言ってるのは)なんだか・・・・自分みたい・・・・」
「そうですか・・・・それは・・・その人生の自分と・・・同じような人なんですか? それとも未来のあなたみたいですか?」
「未来だと思います。
”こんなことしてちゃだめだ”って言ってくれてる・・・・」
ママが酩酊状態でカウンターに突っ伏していると、突然、ママの右横が
ぱっと光った(ような気がした)。
見ると、そこには何か、人の形をした光のようなものが立っていて、
ママに声をかけて来た。
姿形は自分に似ている・・・・。
「その言葉をどんな風に受け取ってますか?」
「目が覚めたような思いと・・・・・なんか・・・・
今起こっていることが信じられない・・・
でもなんだか、すごくその言葉が魂に響いてくる・・・
「私が、こう、スツールに座って飲んでいて、その人が私の右肩に手を置いて、
ちょっとゆするようにして、”こんなことしてちゃだめだよ”って・・・・
実際に触っているわけじゃなんだけど、そんなイメージがする・・・・
でも・・・なんか・・その人・・・・光ってる・・・」
自分の姿に似ているのだが、人の輪郭をした光なのだという。
「ねえ、エフちゃん、バーのカウンターで飲んでたら、
突然、自分の横にぱーっと人型の光が見えて、
”ん?”って思って見たら、そこに自分が立ってて、
というか、自分と同じような格好をした人が立ってて、
ママの肩に手を置いているのか、いないのかわからないんだけど、
”こんなことしてちゃだめだよ”みたいなことを言うでしょ?
その頃はずっと酒びたりの生活で、周りにもそういうことを言う 人は何人かいたけど、ママは聞く耳を持たなかった。
でも、その人の言う言葉は、なぜかす~っと魂に入ってきて、
言われた瞬間に、”ああ、本当にこんなことしてちゃだめだ”って、目が覚める思いだったの。
その出来事がとても不思議で、おじいさんに聞いてみたの。
そしたら、そんなことは、いつも、みんなに起きてる、みたいな事を言われたの!
皆が迷ったり、困ったり、いろんなことがあったときに、ああやって、未来の自分だったり、過去の自分だったり、自由に行き来しながら助けてるんだよ、って。
(本人が、それに)気づく、気づかないは別として。
だから、これは特別なことじゃなくて、いつもこういうことは日常的に起きてる、って!
気づかないことの方が多いのかもしれない。
だけど、何かをやってて、ふっと、「ああ、私、こんなことしてたらだめだ」とか、「一体、何やってるんだろう、私」みたいに、我に返ることってあるじゃない?
ってことは、(自分が自分を助けてるのって)、しょっちゅう起きているのかも。
なんかね、過去とか現在とか未来、とかじゃなくて、本当に、未来の自分も、過去の自分も、常に同一空間にいる、みたいな感じだった」
数ヵ月後に、あの洪水の過去世で、ママ自身が同じような行動を起こすことになるんだけど、この時点でのママは、 初めてそんなことを聞かされて、かなりびっくりしていた。
それなのに、そのあと、もっとすごいことを告げられる・・・・・!
ママは、その人生で再び中間世へ行った。
そして、今度は、ガイドにこんなことを聞いてみた。
「え~っと、私は、今、書き換えをしました。
私にとっては、1年前の、”酒に溺れて21歳で亡くなった過去世”が本物で、今日、書き換えをしたのは、頭の中で作った空想の世界、つまり 、フィクションですよね?」
自分で聞いておきながら、ママは胸がドキドキした。
ガイドの答えは・・・。
答えは?
ママは、私を見つめた。
そして、静かに、こう言った。
「どちらも真実である」
え~っ・・・???
両方、現実?
ママは、それを聞いたときの驚きを言葉に出来ないくらいだと言った。
「両方というか・・・本当はもっとあるのかもしれないという気がした・・・・」
それって、どういうこと?
「例えば、海賊に襲われた過去世と襲われなかった過去世があったとして・・・
襲われても、父親の命が助かる場合、助からない場合・・・・
助かっても、怪我をする場合、しない場合・・・・・
つまり、人生がいくつもいくつも枝分かれしていって、
ひとつの人生が何通り、何十通り、何百通り・・・って、
もしかして無数にあるのかな、っていう気がしたの」
だから、ママは、今、
「頑張って、人生を切り開いて、幸せな家庭を築いた」っていう書き換えを見たけど、実は、それは書き換えたんじゃなくて、最初からあった人生なのだという。
え~? よくわからない・・・・・
「たぶん、こういうことだと思う。
1年前に見たのは、無数にある人生のひとつなの。
何故、それを見たのかというと、おそらく今の人生に、とっても影響を与えているから。
そして、自分ではそれを書き換えたつもりで、本当は最初から無数にある人生の中の、また別の人生を見に行っただけなの」
ママは、この世は、パラレルワールドになっているようだという。
選択する度に、そこから枝分かれしていく人生が、すべて並行存在しているのだと。
じゃあ、みんながよく、
「あ~あ、あの時こっちの道を行ってたらなあ。
そしたら、今頃は全然別の人生を歩んでただろうなあ」っていう、
その別の人生もちゃんとある、ってことなの?
「そう!」
ママも信じられないという顔をしていた。
じゃあ、1年前にママが見た過去世というのは・・・。
「そのときは、その人生にフォーカスしてたんだと思う」
海賊に襲われる人生もどんどん枝分かれして、沢山の人生が作られている。
ママがヒプノで書き換えたつもりになっていた人生も、ちゃんと最初から存在していて、たまたま、今度はその人生に焦点を当てただけなのだという。
ふうっ・・・・。
私、なんだか、頭が混乱してきた。
「うん、ママも・・・・」
最初は、時間って、過去、現在、未来という直線ではないのかも、って思ったのに、
次には、パラレルワールド!
「理解は不可能だけど、でもね、書き換えをやったときにね、不思議だなあって 思ったことがあったの」
それは覚醒したとき。
1年前は、吐き気がするほど気分が悪かったのに、
今回は、達成感、充実感が胸の中一杯に残ってるの。
ああ、自分は頑張ったんだ!というパワーが、ちゃんと実感として感じられて、 勇気とか自信が体中に漲ってるの。
そして、ママは、ふと思い出したようにこう言った。
「 そういえば・・・・
以前の教室で”パラレルワールド”の練習をしたとき・・・」
ああ、ミミさんが自分の望むように人生を追いかけてみたときだよね?
「うん、あの時、ミミさんが、覚醒後に面白いことを言ったんだよね。
自分の人生を子供の頃から大人になって、死ぬまで、ず~っと思い通りに、しかも、何の苦労も不満もない100%幸せな展開をさせてみたんだけど・・・・」
ミミさんは、セッションが終わると、
「なんか、変・・・・・」と言った。
「なんかさ~、どの場面を見ても、全く実感がないんだよね~」
ミミさんは視覚でばっちり見えるにも関わらず、どの場面も何だか「薄い」感じで、しかも感情が伴わないという。
「今、思うとさ、それこそ、”空想の世界”だったからじゃないかな?」
ああ、なるほど・・・!
ママは、人生を書き換えると、得られる「気付き」もまた変わる、
そこがすごいと言った。
「最初はね、アル中の人生を書き換えることで、アル中のときの悲しい、すさんだ気持ちが解放できるのかな、ぐらいにしか 思ってなかったの。
だけどね、別の気づきがあった。
アル中で死んだ時は、「せっかくの人生を無駄にしてしまった」と後悔した。
そして、「人生は自分で切り開いていかなくちゃ」という気付きがあった。
一方、書き換えをした時は、おじいさんやガイドから、
「乗り越えるのも、乗り越えないのも、人生をどう生きるのも自分次第。
自分次第でいかようにも(人生は)変わる。
でも、切り開いていくときとか、頑張って生きようと思うときに、一番大事なのは、自分を信じること」って言われた。
「自信を持つ」って、「自分を信じる」と書くけど、自分を信じなければ、
その後の自分の人生に対して、頑張ろうと思う気持ちが起きない。
だから自分を信じなさい、って。
で、自分では、
「生きるって、
どんな暗闇の中からでも生きていくときって、
本当に自分が自分を信じる力がとても作用するんだなあ」という気づきがあった。
それは、アル中で死ぬ人生の時にはなかった気づき。
どちらも、同じ自分の過去世なのに、枝分かれした先にある「気付き」がこんな風に変わっていくんだ、というのが、ママには不思議で面白かったのだという。
「以前は、悲惨な過去世を見ちゃった、と思っていたのに、今回は、スゴイいい過去世を見ちゃった!」って。 (笑)
書き換えた人生で、おじいさんが、丘の上で、椅子に座って、ゆったりと 風に吹かれながら、
「ああ、本当に頑張ってきて良かったな、幸せだな」と思ってるでしょ?
で、そのおじいさんの所に会いにいって、話をするんだけど、最後は統合しちゃうの。
まあ、もともと自分の過去世なんだから、同一人物ではあるんだけど、今のママには、全く記憶にない人生なわけでしょう?
それなのに、統合したら、おじいさんの生き様がリアルに自分の体験のように身体に刻み込まれていて、達成感で胸がいっぱい!
これは、すごい!
だれでも、こんな風になるのかな?
ママは、早速、仲間に試してみることにした。
最初はサチエさん。
「ヒプノやリーディングをすることに、どうしても自信がない」とサチエさんが言うので、その原因となる過去世を見に行ったのが、数ヶ月前のこと。
そこで見たのは、縄文時代。
サチエさんは当時ヒーラーの力があり、その力を使って、村人の病気を治したりしていた。
むしろの上に寝かされた病人たちひとりひとりに、彼(当時は男性)は手をかざしていた。
人々は病が治ったことを喜び、彼に感謝をしている。
みんなの役に立てて嬉しい、と彼は喜んでいたが、次の場面では顔が曇った。
村人達に取り囲まれているのだという。
「あいつはなんであんなことが出来るんだ?
あいつは化け物だ!って・・・・」
あなたに病気を治してもらったことを喜んでいた人達は?
「取り囲まれた輪の外から、悲しそうな目で私を見てます・・・・」
彼は家に閉じこもるようになり、失意のうちに50代で人生を終える。
中間世で、彼はこう言った。
「なぜあきらめてしまったのだろう。(後悔)
もっともっと多くの人たちの役に立てたはずなのに」
そして、その無念の想いが、今生、サチエさんをヒプノやリーディングの世界に導いたのだった。
しかし、化け物だと白い目でみられたときの心の傷はフリーズして残ったまま。
彼女の自信のなさは、その影響を受けていると思われた。
サチエさんは、もちろん、この過去世を書き換えてみたい!と言った。
それで、サチエさんの場合もうまくいったの?
「それがね・・・」
ママはくすっと笑った。
「信じられない展開になっちゃって・・・」
ママはサチエさんを、その縄文時代へと誘導した。
最初の場面。
サチエさんは、「神社が見える」と言った。
自分は30歳位の男性で、暗い部屋の中に座っている、と。
そこで何をしているのかと聞いてみると、つかまって閉じ込められているのだという。
ママは勝手に、ああ、村人たちに閉じ込められたのかなと推測しながらも、
なぜ、閉じ込められたの?と聞いてみる。
「遊んでばかりいて、仕事をしないからです」
え?
自分は神主の息子なのだが、仕事はしないで、毎日遊び呆けているので、村人たちから白い目で見られているのだという。
そのことをどう思うか聞いてみると、
「ふん!と、思っている」という答え・・・。
あの縄文時代の過去世には行かなかったようだ。
ちなみにいつの時代かと聞いてみると、西暦700年代、奈良時代だという。
次の場面。
「夜です。山の中をひとりで彷徨っています」
あまりの放蕩ぶりに、村を追いだされたのだという。
そして、彼は滝のそばで、雷に打たれて死んでしまった。
まだ40歳だった。
ママは呆気にとられていた。
サチエさんはすご~く真面目な人で、この過去世はおよそそぐわない気がした。
ママ、なんでそんな過去世に行っちゃったのかな?
「うん、もちろん、中間世で聞いてみたの」
サチエさんは、この過去世のことを、
「生まれ変わりの反動のような人生」と言った。
自分の思うままにやりたいことをやっていく人生も、幾多の生まれ変わりの中には必要なのだと。
ふうん?どういうことなのかな?
ママは、過去世の人物(放蕩息子)に、自分の生まれ変わりであるサチエさんを
どう思うかと聞いてみた。
即座に、「つまらない」という答えが返ってきた。
「真面目すぎる。もっと自分のやりたいことをやればいいのに」
ここで、光の存在にも、今日、なぜこの過去世を見たのかと聞いてみる。
「自分の気持ちの赴くまま、好きに生きる人生も必要。
いつも、人のため、だけでは駄目」
そして、こう言った。
「バランスをとるために必要」
あ、そうか!
ママは合点がいった。
いつか読んだ本の中に書いてあった。
これは、「振り子現象」なんだ。
振り子現象?
「うん。たとえば、シスターのような人生を送る。その後に、遊女の人生を送る。
そういう両極端な人生を何度か繰り返すうちに、振り子の揺れががだんだん小さくなって、 最後は真ん中で止まるの」
お金に関わる人生でも有り得る。
すごく貧乏な人生を経験して、「お金がすべてだ」と思う。
次に、とてもお金持ちの人生を経験して、「お金で買えないものもある」と悟る。
それを繰り返すことで、振り幅が少しずつ小さくなって、中庸に辿り着く。
サチエさんの例でいうなら、ある時は、遊び呆けて好き勝手な人生を送り、
ある時は、自分のやりたいことを抑制して、ひたすら人のためだけに尽くす人生を送る。
どちらの人生も、自分を中庸に持っていくために、つまり、バランスをとっていくために必要。
「そういうことなんじゃないかな?」
でも、なんで、「今日」、それを見たの?
縄文時代の過去世の書き換えよりも大切だったの?
「うん、エフちゃん、潜在意識って本当に賢いの。
必ず、必要なところへ連れて行ってくれるみたいよ。
きっと、今のタイミングで、サチエさんにはこれを知る必要があったんだろうね」
そう、潜在意識は、ちゃんとタイミングを見計らっているようだ。
だって、この数か月後に、サチエさんは思いがけず、あの縄文時代の過去世を書き換えることになるのだから。
セッションで美帆さんは再び古代ギリシャの過去世へ行き、そして、崖から身を投げた。
魂が肉体を離れ、中間世へ行くと、彼女は、その人生を振り返ってこう言った。
「生き甲斐を見出して・・・・もっと楽しみたかった・・・・」
ママは、
「あなたが望むなら、そうすることもできますよ?」と聞いてみる。
美帆さんは、即座に「やりたい」と答えた。
その人生をやり直すのに、一番適切な場面へと誘導すると・・・・。
神殿の前、たくさんの人のなかに彼女は居た。
24歳だった。
人々に囲まれ、悩みや相談事を聞いているようだ。
でも、あまり身が入らないという。
人の中に入っていくのも、入ってこられるもの苦手だという。
実は、彼女はこの人生で、7歳の時に父親を殺されている。
そこにはあまりにも理不尽な事情が横たわっていたらしく、彼女はそのせいで、極度の人間不信に陥ってしまった。
人は人を裏切る・・・・
大人なんて信用できない・・・・
美帆さんはセッション中、そんな風に言っていた。
母親はショックのあまり、すっかり生きる気力をなくし、廃人のようになってしまう。
そんな状況を見かねて、彼女を引き取り面倒を見てくれたのが、神殿で働いている「先生」だった。
大人になった彼女はその先生の仕事を手伝うようになるが、彼女の心 に巣食った「人間不信」から、人と関わることに意義を見出せず、生きていることすらむなしく感じてしまうのだった。
この場面から書き換えを始める。
「あなたの望むように」と誘導する。
ママ、それって、自分の頭で考えて書き換えるの?
「ううん、あのね、エフちゃん、不思議なんだけどね、書き換えようと意思を持つとね、
ちゃんとそれなりに話が(勝手に)展開していくような感じなの」
ごく、自然に。
「もともと一つの人生にたくさんの選択肢があるのだとしたら、今までとは違う人生に フォーカスするような感覚なのかな。
だから、別にストーリーを新たに作り出さなくても、 分かれ道(書き換えの場面)で、さっきは右の道を行ったから、今度は左に行ってみよう、と 思うだけで、いつの間にか左の道の風景が開けていく感じなの」
次の場面に進む。
数年後。
町の人たちに頼られている彼女がいた。
自信にあふれてる感じ。
楽しそうにしている。
「楽しい!仕事にやり甲斐を感じてる!」
―あなたが仕えている方は、そんなあなたを見てどう思ってる?
「すごく嬉しそう・・・」
さらに、次の場面。
「(仕事で)結構、上の地位にいる。
私を助けてくれた先生が亡くなって、私が次にその役目に就いている」
―あなたは何歳になってるの?
「45歳」
彼女は、先生の後継者として頑張っているようだ。
―仕事はどうですか?
「すごく生き甲斐を感じてやってる。私でもできたんだ・・・・!」
―みんながあなたを頼り、あなたもそれを感じて・・・、幸せですか?
「すごく幸せ・・・・。生き甲斐を感じてる」
次の場面では、彼女は人生を終えて、雲の上にいた。
「なんか・・・、雲の上の神殿のようなところにいます」
中には人の気配がない。
誰もいないようなので、その神殿を出て、さらに上へと昇っていく。
彼女の面倒を見てくれた先生を呼び出して、彼女の魂が帰るべき場所へと 導いてもらう。
さっきより少し小さい神殿がある場所へ行ったらしい。
その中へ入ると・・・。
「明るい。奥の方に誰かが座っている感じがする」
近づいてみると、それは、彼女のハイヤーセルフだった。
ママが質問をする。
―美帆さんは、今、この過去世で人々と笑顔をもって接し、人を受け入れるという体験をしました。
このことについて何かあなたから伝えたいことがありますか?
光の方を向いて・・・、光を見なさい、というような答えが返ってきた。
―この過去世をまだやる必要がありますか?
いいえ。
(ああ!これで終わりなんだ!)
ママは、感無量。
美帆さんが最初にこの過去世をみてから、既に2年も経つのだから。
そして、ママは最も聞きたかった質問をした。