聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第20章~ヒプノの世界(1)

「今回のゆうさんの話、たまたま、ママが相談を受けて、
たまたまミミさんに聞いて、それで何とかなったけど、
人間ってさ、誰でもこんな風になってるんだと思うんだ」

こんな風、って?

「みんな、みんな、助け合って生きてる、ってこと」

みんな、「お互い様」っていうのかなあ・・・。

ちょっとずつ助けたり、助けられたり、
いろんな人同士でそういうことをやってるみたい。

面白いのはね、自分でも知らずに、そういう役割を担ってたりする。

だからさ、誰かのひとことに心が救われることってあるでしょう?

そういうときも、その言った人は、ちゃんとその場でそういう風に
言うようにあらかじめ決まってるんだけど、本人は知らずに
言ってたりするんだよね。

もちろん、自分の発した一言が、その人の心を救ったなんてことに
ちっとも気づかない。

ほんとに、通りすがりに、ふっと言葉をかけて人助けをしてたりね。

お互いにそういうことをやってるみたい。
なんかさ、人生ってうまくできてるよね。

目に見えない存在もあらゆるところで助けてくれている。

たまたま読んだ本や、たまたま見ていたTVドラマの中のセリフに
助けられたとか。
電車の中の吊り広告のコピーを見て、ハッとしたとか。
答えやヒントはありとあらゆるところに散りばめられている。

そして、そういうところに目を向けさせたり、
本を手に取らせたりしてるのは、きっと目に見えない存在。

「うん。つまり、人間って、誰しもひとりじゃないってこと。
いろんな人に、というか、いろんな存在に守られてるみたい」

普段、そんなことを意識せずに暮らしてるから気づかないだけでさ。

ママはヒプノの勉強を始めて2年目ぐらいから、それをとても感じるように
なったんだって。

「だってね、セッションの時に、聞いてみるの。
今日、○○さんをここに連れてきたのは誰ですか?」って。

そうすると、たいてい、その人のガイドというか、ハイヤーセルフというか、
そういう守ってくれている存在なのだという。

「そうそう、あのRさんの時は、圧巻だった!」

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第20章~ヒプノの世界(2)

ママの友人、Rさんのセッションの話。

Rさんがある時、具合が悪くなった。

そして、どうも原因がはっきりしない。

2か月ほど自宅療養をしていたんだけど、気分のいい日は
外に出られるようになったと聞いて、ママは、ヒプノのセッションを
やってみない?と声をかけた。

当日の朝起きて、体調が良かったら行くね、とRさんは言った。

ママはRさんが必ず来るという確信があったんだって。
このころのママはヒプノに関する直観が鋭くなっていたから。

というか、セッションをやらなきゃ!と思いつくときは、
まず間違いなく、その人を守っている存在がママを使っているとき
なんだ、とママは言った。

そういう時は、閃くのと同時に、なんだかそわそわと落ち着かなくなるから
すぐにわかるんだって。
そして、居ても経っても居られずに、本人に連絡をするんだって。

不思議なことに、必ずセッションをする流れになるのだという。

案の定、Rさんも、「今日は調子がいいから行けそう」と連絡が来た。

「面白かったのはね、その40分後ぐらいだったかなあ」
と、ママは思い出すように言った。

お掃除をしていたら、突然、猫のイメージがきた。

あれ? もしかして・・・。
Rさんが飼ってる猫ちゃん?

ママは心の中で話しかけてみた。

あなたはどんな猫? 
黒?  それとも、白と黒のブチ? 三毛猫?

「そしたらね!」
と、ママはちょっと興奮気味に、
「薄い茶色のふわふわっとした猫のイメージがきたの」

そして、その猫が、「Rさんに伝えたいことがある」と言ったような気がした。

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第20章~ヒプノの世界(3)

その3時間後にRさんがやってきた。

気のせいかもしれないから、ママは先程のことを黙っていた。

「ねえ、猫ちゃんを飼ってるって言ってたよね?写真ある?」

携帯の画面を覗き込んだママは、嬉しくなった。
そこには、薄い茶色のふわふわした猫ちゃんが写っていたから。

それで、ママは、Rさんに、
「今日は猫ちゃんと話すセッションをやらない?」って提案した。

猫ちゃんは実在するので、過去世のイメージと違って、
まるで目の前で写真を見ているみたいに、くっきり見えると思うよ、
って説明した。

ママは猫ちゃんのハイヤーセルフさんに許可を得てから、
猫ちゃんを呼びだした。

すると、すぐに、Rさんが自分の胸の上あたりに
猫ちゃんがうずくまってるのがわかる、って言った。

ママは、猫ちゃんに、
「きょうは、Rさんに伝えたいことがあるんでしょ?」って話しかけた。

(猫ちゃん) 「うん」

ママが、どうぞ、って促すと、猫ちゃんはこう言った。

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第20章~ヒプノの世界(4)

猫ちゃん: ありがとう。

ママ: ありがとう、って伝えたかったの?

猫ちゃん: うん。

ママ: 何に対して?

猫ちゃん: (こうしてRさんに)会えたこと。

ママ: 猫ちゃんは、過去にもRさんと一緒に過ごしたことがあるの? 

猫ちゃん: うん。

ママ: もう一度、会いたくて来たの? 

猫ちゃん: うん。

ママ: 前も猫ちゃんだったの?

猫ちゃん: うん。拾われてきたの・・・。

ママ: 拾われてきた? Rさんに?

猫ちゃん: うん。拾われてきたんだけど、逃げちゃったの。

ママ: ふうん?どうして?

猫ちゃん: ここにいてはいけない・・・って思って。

ママ: ふうん? それは過去世?それとも今生?

猫ちゃん: 今生で。

ママ: 拾われたのは何年位前の話?

猫ちゃん: Rさんが子供の頃。

ママ: なんでその時、そこに居てはいけないって思ったの?

猫ちゃん: 迷惑になっちゃうから。 

ママ: そんな雰囲気があったの?

猫ちゃん: そう。

ママ: で、もう一度生まれ変わってきたの?

猫ちゃん: うん。

ママは対話をしながら、あれえ?このシチュエーション 、以前にも
あったなあ、って思い出していた。

そう、あのワンちゃん のときだ・・・。

猫ちゃん: 前は白い猫だった。

ママ: そうなんだ・・・・。今は幸せ?

猫ちゃん: うん。

そして、この後、猫ちゃんはRさんの病気の原因や対処法などに
ついて詳しく教えてくれた。

実はママの目的は最初からそこにあった。

なぜなら・・・・。

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第20章~ヒプノの世界(5)

Rさんのセッションを行う2か月前。

ママは、アニマルコミュニケーター の太尾和子さんの講演会に
参加した。

ネットサーフィンをしていたら、たまたま太尾さんのHPに行き着いて、
なんだか素敵な人だなあと思ったんだって。

太尾さんは10代の頃からずっとアメリカに在住しているが、数年前
から年2回のペースで日本に来て、対面セッションや、アニマルコミュ
ニケーションのクラスをやっている。

そして、なんと、ママがHPを見た1週間後が講演会の予定日だった。

しかも、場所は、自宅のすぐそば!

ママはすぐに申し込みのメールを送ったが、すでに満席の返事がき
た。
ただ、ひとりだけキャンセルになるかもしれないので、その人の
状況が分かり次第、連絡をくれるとのことだった。

ママは、なぜか必ず参加できるような気がしたんだって。

そして翌々日に、OKの返事がきた。

「今回、Rさんの猫ちゃんの話を聞きながら、太尾さんのHPに載っ
てる、サオインという猫ちゃんの話を思い出してたの」
と、ママは言った。

ある時、(大人の)太尾さんが捨て猫を拾って飼い始める。
サオインと名前を付けたその猫と、以前から知り合いだったかのよ
うな感覚がするのでそのことを聞いてみると、なんと幼少のころに
束の間、一緒に暮らした猫だった。

「捨て猫を拾って帰るんだけど、おかあさんが猫が好きじゃなくて、
そしたら、数か月後に猫が突然いなくなったんだって。
そのときのことを聞いてみたら、”あの家にはとても緊迫した空気が
あって、私がいなくなった方が、みんなのためになると思った」って。

Rさんがセッションの後に話してくれたんだけど、Rさんも、おかあさ
んから、猫を飼うのは絶対にダメと言われていたのだそう。

それで、こっそりベランダで飼うんだけど、すぐにばれて叱られて、
そしたら、猫がいなくなっちゃったんだって。

Rさんの猫ちゃんも、「ここに居てはいけないと思った、迷惑になる
から」って言ってたね。

「そうなの。ねえ、エフちゃん、動物ってほんとにすごいよね」

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第20章~ヒプノの世界(6)

さて、太尾さんはとても素朴な感じの人だった。

アメリカ在住が何十年にも及ぶので、日本語はあまり流暢ではない
と言っていたが、朴とつとした話し方がまた魅力的だった。

そして、講演会での話は、ママを感動させるに余りある内容だった。

「ねえ、エフちゃん、すごいよ!」

太尾さんは宇宙に存在する命は、石でも、植物でも動物でも、
人間でも、すべて対等なのだと言った。

そして、植物や動物などの存在はすべて真理を知っていて、人間だ
けが知らない(忘れている)のだと。

動物は、自分たちが輪廻転生することも知っているので、人間のよ
うに、「死」への恐怖心もないのだそう。
また次の肉体を持って生まれてくることもわかっているから。

参加していた人が、
「再び同じ飼い主の元に戻ってくるんですか?」と質問をした。

ママは、当然、戻ることを知っていた。
ヒプノで何十回も過去世を見たが、ほとんどの人生で今のワンちゃ
んが一緒だったから。

「必ず戻ってきます」
太尾さんは、きっぱりとそう言った。

うん、うん。
ママは、とっても嬉しかった。

ただし、同じ動物の種類ではなかったり、性格も違ったりするのだ
そう。
飼い主に必要な形で戻ってくるのだとか。
しかし、魂は同じなので、どこか共通性があるのだという。

太尾さんが4~5歳の頃に飼っていた犬の魂も、何度も生まれ変わっ
てきているのだとか。

そして、太尾さんが次に言った言葉にママは衝撃を受けた。

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第20章~ヒプノの世界(7)

動物、特にペットは人間をサポートしてくれるために生まれてくる。

だから、飼い主の過去、現在、そして未来に至るまで、すべてを
知っている・・・・。
(言葉は正確でないかもしれないけど)そういうようなことを言った。

例えば、飼い主が今病気だとすると、その治療についても詳細に
教えてくれるのだとか。

ママは驚いた。

動物と話ができたら、いろんなことを聞けると思っていた。
具合が悪そうなら、どこがどんな風に痛いのかとか、
今のフードは気にいっているのかとか、
どんな遊びが好きかとか、今、何か望みがあるのかとか・・・・。

でも、それはすべて、動物自身のことであって、
まさか、動物から飼い主へのアドバイスを聞けるなんて
思いもよらなかった。

ああ、だから、ママはRさんの猫ちゃんに、Rさんの病気のことを
聞いてみようと思ったんだね?

「うん。あのね、動物は、今生と関わる過去世の話だってしてくれる
んだって。動物の才能や、知恵や、理解力は、人間には及びもつ
かないほどすごいんだって」

ペットは飼い主の幸せを一番に考えている。
そして、批判もせず、裁くこともせず、常に愛情のみを注いでくれる
のだという。

太尾さんのこの話を聞いて、ママはRさんの猫ちゃんと話をしてみよ
うと思ったのだった。

そして。

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第20章~ヒプノの世界(8)

ママは、こう聞いてみた。

「あなたが、今日、Rさんをここに呼んでくれたの?」

猫ちゃん: うん。

ママ: (ああ、やっぱり・・・・)
   ありがとうの他に、伝えたいことはある?

猫ちゃん: 愛してる。

ママ: Rさんが具合が悪くなった原因を教えてくれる?

猫ちゃん: うん。でも、もう本人は知ってる・・・。

ママ: ああ、もしかして、今日、セッションの前にRさんが話してい
    たこと?

猫ちゃん: そう。

Rさんは、セッションの前に、今回の病気で自分が感じたことや得た
ことをママに話してくれた。
例えば、日々、忙しさに流されるままに生きるのではなくて、
「今、ここ」に意識を向けることの大切さに気づいたこととかを。

こんな風に。

あるとき、お漬物を作ろうと思って茄子を切ってたの。
そしたら、どんな風に切ると美味しくなる?なんて茄子に話しかけ
てる自分がいたわけ。 (笑)
不思議と、あ、こういう風に縦に切ってから横に切るのがいいかな?
とか感じるのよね。
で、本当に美味しいお漬物が出来るの!

今までは、仕事に、家事に、趣味にと忙しく飛び回ってたから、
いつもいつも時間に追われてて、お料理を作っていても、そこに
意識を集中することなんてなかったのよね、考えてみれば。

早く作って、食べて、片づけて、それからあれもやらなきゃ、これも
やらなきゃ、って。

意識は常にその先にやるべきことの方に向いてたの。

「今」を生きることを忘れてた。

でも、「今」自分がやってることに意識を合わせるようになったら、
毎日がとっても楽しくなって。
嫌いな料理まで最近楽しくなったの。 (笑)

いつも忙しく飛び回っていて、こんな風に「今」目の前のこ
とに集中することに気づいてなかった・・・。
人生って、こうやって、一瞬一瞬に集中しながら、流れで
生きていくんだなあと思ったら、何も恐れることはないなと。

また具合が悪くなったらどうしようと恐れなくても、くる流れ
の時はくるだけ、って。

Rさんのその言葉を聞いたときに、ママはすごく感動したん
だって。
本当にその通りだな、って。

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第20章~ヒプノの世界(9)

猫ちゃん: (病気は)毒出し。

ママ: ああ、毒出しをしてるのね。もうすぐ終わりますか?

猫ちゃん: うん。つらそうなときは、そばで応援してる。

ママが、何の毒だしなの?と聞くと、猫ちゃんは、それはRさんの心
の中にずっとあったものだと言った。

今まで、あまりにも忙しすぎて、気が付いていなかったのだと。
でも、いろんなことに気づくようになってきたから、
だんだんおさまってきて、あるとき、ふっと心が軽くなったなと感じら
れた時が、終わりの時なのだと言った。

そして、この毒出しの時期に合わせて、人生が変わっていくのだと。

どうやら猫ちゃんはその先の先までずっとお見通しのようだった。

Rさんが自分で計画してきた人生があり、ちゃんとそのように
流れて行っているのだとか。
ただ、自分ではわからないので、現状に執着したり、自分のやって
いることに自信が持てなかったりしているのだという。

それから、こんなことを言った。

猫ちゃん: 私は、何回も来る。

ママ: 何回も来る?

猫ちゃん: 私がいなくなっても(また来る)。

ママ: えっと、それは猫ちゃんが輪廻転生しながら、またRさんの
    所に来るってこと?

猫ちゃん: そう。お互い必要だから。
       私は、ずっと、ずっと・・・、ずっと、いる。

ママ: 猫ちゃんはRさんとは、何回ぐらい人生を一緒にしてるの?

猫ちゃん: いつも。

ママ: いつも? 毎回、ってこと?

猫ちゃん: そう。

その後、猫ちゃんは面白いことを教えてくれた。

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第20章~ヒプノの世界(10)

Rさんの人生といつも一緒なのだという。

猫ちゃん: 外にいたときもあるし、部屋の中にいたときもあるし、
      いつも・・・いつもそばにいた。

ああ、それって、ペットとして飼われていたときもあるし、野良猫だっ
たときもあるってことかなあ?

ママ: その時はいつも猫ちゃんなの?
    それとも、他の動物だったときもあるの?

猫ちゃん: うん。鳥だったり、犬だったり、羊だったり・・・。
       でも、いつもそばにいる。

ママ: ふうん・・・?
     ねえ、猫ちゃん、(もしかして)人間ひとりひとりに必ずそういう存在が
     いるの?

猫ちゃん: (強い口調で)いる!

ママ: (本当に?)みんな?

猫ちゃん: うん!
      求めたときに居る。
      求めないと、気が付かない。

ママ: そっか。たとえば、毎朝、家の庭にくる小鳥だったりすること
    もあるわけだ。
    人間が気がついてないだけなんだ。

猫ちゃん: うん。

ママ: あっ!

ママは、また太尾さんのサオイン物語を思い出した。

猫のサオインが、太尾さんに、こう言ったのだ。
「ずっと昔、あなたがチベットで勉強していた若い男の子だったとき
から、私はあなたのことを知っているの。
私はある寺院に住むネズミだった。
あなたが瞑想しているとき、傍に行ってはくすぐってたわ。
それにあなたが古代の文書を読んでいた時にも、
傍にいてあげたの」

そして、
サオインは太尾さんを手助けする主要なガイドのひとりであり、
その関係は何 千年も続いているのだと。

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第20章~ヒプノの世界(11)

ママ: 猫ちゃんはRさんの次の人生でも一緒なんだね?

猫ちゃん: うん。

ママ: でも、次は何(の動物)か、わからないんでしょう?

猫ちゃん: うん。でも、気づいて欲しい。

ママ: そっか・・・。気づいて欲しいよね・・・。
    今日、猫ちゃんは、Rさんに、ありがとう、愛してる、いつもそ
    ばにいるよ、そういうことを言いたくて、私にメッセージをくれた 
    かな?(お掃除をしてる時に、メッセージをふと受け取った気が
    したんだけど)。
    それとも、私の思い込み?

猫ちゃん: 私が何かを思うだけで、それが飛んでいく。

ママ: 私はそれをキャッチできたみたい?

猫ちゃん: うん? どうだろう・・・?
       私が思うと、その思いがいろんなところへ飛んでいくん
       だけど?

ママ: でも、それをキャッチできる人と、出来ない人がいるでしょう?

    私は、アニマルコミュニケーターになりたいから、そういうことが
    できるようになりたいんだけど、できるようになるかな?

猫ちゃん: うん、それは簡単!

ママ: 簡単?

猫ちゃん: そう!自分の頭を静かにすればいい。
       自分の頭がうるさいと私たちの声が聞こえないけど、
       頭が何も考えなければ、私たちの声が響いていく。

ママ: (ため息)
    でもね、猫ちゃん、それがまた難しいんだよ。
    頭を空っぽにするって難しいの。

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第20章~ヒプノの世界(12)

猫ちゃん: それは欲があるから。

ママ: どんな?

猫ちゃん: ああしたい、こうしたいって。 欲 があるから。

ママ: 欲をなくすのかあ・・・。
    じゃあ、自分の魂を高めないとだめってことだね?

猫ちゃん: う~ん・・・魂を高めるって、どういうことかな・・・?

ママはハッとした。
そうだった。今は猫ちゃんと話しているんだった。
人間の使う語彙の意味がすべて通じるわけではない。(らしい)

ママ: いろんな欲を捨てて、自然体で生きる、みたいな?

猫ちゃん: う~ん・・自然体っていうのは?

ママ: えっと・・・人間っていつもこうなりたいとか、あれが欲しいとか
    そういうこといっぱい考えてるでしょう?
    だから、そういうことを何も考えないようにするってこと。

猫ちゃん: 難しいことはわからないけど・・・。
       今この瞬間、私と話したいと思えば、話せるんじゃない?

      私に集中して・・。
      私には「いま」しかないから。

      未来とか過去とかは、わからない。
      「いま」しかないから。

      私たちはいつも話してる。
      いつも話してるんだけど、(私たちの声が)聞こえる人と
      聞こえない人がいる。

ママ: そう、そうなの!

猫ちゃん: なんで私たちの声が聞こえないのかわからない。

       なんか、どうも膜がかかってる人と、膜がかかってない人
       がいるみたい。

ママ: 人間と動物はもともと波長が違うから、チャンネルを合わせ
    ることが出来る人とできない人がいるんだよ。

猫ちゃん: チャンネルとか・・・・。そういうことじゃない。

ママ: そお?

猫ちゃん: なんだろ・・・。
       心が単純だと声が聞こえる。

ママ: 私はできるようになるかな?

猫ちゃん: うん、誰でもできる。 
       今、話してるじゃない。

ママ: でも、今はヒプノの中で話してるからね・・・。

ヒプノの中では、自由自在に話せるんだよ。

猫ちゃん: う~ん・・・。じゃあ、集中力かな。

ママ: 集中力?

猫ちゃん: だって、人間だって、この人の話聞きたいなと思ったら、 
       集中するんじゃない?

      私たちはいつも話してるから、集中すれば聞けると思う。

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第20章~ヒプノの世界(13)

ママは、ふと、ワンちゃんのことを聞いてみようと思った。

ママ: 猫ちゃんはうちのワンちゃんのこともわかるの?

猫ちゃん: うん!

ワンちゃんは雷を異常に怖がる。
雷の音を聞くと、全身をぶるぶる震わせて、パニックになってしまう。

気が狂ったように家の中を走り回ったり、玄関のドアに突進して
みたり。
ある時なんて、ダンボールの箱を力任せに食いちぎっていて、外か
ら帰ってきたママは、ダンボールに付いた血を見て、仰天。

ワンちゃんは口を怪我して血が出ていた。

そして、何故かお風呂に逃げたがる。

そういえば、前に飼っていた犬も、雷が鳴ると、ワンワン吠えて浴室
に入りたがっていた。

浴室の中は雷の音が聞こえにくいのかな。
犬の聴覚はすぐれているので、人間が聞き取れないような小さな
音でさえも聞き取れるという。
ということは、遠くで鳴っている雷の音も、犬には爆音のように響く
のかな。
だから、怖いのかも・・・。

ママはずっとそう思い込んでいた。

でも、最近になって、突然、あれ?でも、なんでお風呂なんだろう?
って思ったんだって。
しかも、バスタブの中に入りたがる。

そして、ネットで調べてみたら・・・。
雷から発生する静電気が原因という説があった。

犬の身体には汗腺がほとんどないので、身体が常に乾燥している。
そのうえ全身が毛に被われているので、摩擦して静電気が発生し
やすい。
従って、雷から発生する静電気を溜めやすくなるのだとか。

だから、流し台やプラスティック製のバスタブに入りたがったり、
トイレタンクや金属製の排水パイプに寄りかかりたがるのは、
体に溜まった静電気を放電できるからだという。

ママはそれが本当なのか、猫ちゃんに聞いてみることにした。

ママ:ワンちゃんが雷のときに怯えるのは静電気が怖いから?

猫ちゃん: 静電気・・・・?

ママ: いつもお風呂に逃げるのは?

猫ちゃん: う~ん・・、・静電気とか、そういうのはわからないけど、
        なんか襲ってくる感じがするんじゃないかな?

ママ: 音とかじゃなくて? 

猫ちゃん: 音?  音じゃない。
        なんか襲ってくる感じ・・・。
        なんか、ぞわぞわって襲ってくる感じ。

ママ: やっぱり・・・!

猫ちゃん: そういう時は抱きしめてくれたらいい。 

ママ: そうなんだ!

すご~い!
Rさんの猫ちゃんが、うちのワンちゃんのことを教えてくれるなんて。
ヒプノって、本当に面白い!

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第20章~ヒプノの世界(14)

そろそろセッションを終わるけど、他にRさんに伝えたいことはある?
ってママは聞いた。

そしたら猫ちゃんが面白いことを言った。

猫ちゃん: あのね、お母さん(Rさんのこと)、好きなんだけど、
      時たま、私がやだなって思うことをするの。

ママ: ふうん? どんなこと?

猫ちゃん: 私のこと、ぎゅうってするの。

ママは吹き出しそうになった。

ママ: 猫ちゃんはそれが嫌なんだ?

猫ちゃん: うん。 なんでぎゅうってするのか、わからない。

ママ: ああ、人間はね、かわいいなって思うと、ぎゅうって抱きしめ
    たくなるんだよ。(笑)

    それが嫌なの?触らないでいてほしいの?

    自分から傍に行くのはいいけど、抱き上げてぎゅうっとかされ
    るのは嫌なの?

猫ちゃん: うん、嫌だ。
       でも、お母さんのこと好きだから、我慢してる。

ママ: そっか。我慢してるんだ 

猫ちゃん: うん。

そのこと、Rさんに伝えておくね、ってママは言った。

もちろん、催眠下で答えているのはRさん自身だから、Rさんも
この話は聞いてるんだけど。(笑)

ママ: 私たちは猫ちゃんたちの言葉がわからないけど、
    猫ちゃんたちは人間が話すことは全部わかるの?

猫ちゃん: 言葉とか・・・、そういういうんじゃない。
       人間が何かを思うと、伝わってくる。

ママ: 伝わってくるんだ・・・。

テレパシーみたいな感じかな?って、ママは思った。

猫ちゃん: お母さんが(具合が悪くて)ひどかった時も、それが伝
       わってきた。

ママ: ああ、だから猫ちゃんはそばに行って、添い寝してあげたん
    だね。

猫ちゃん: うん、そうしなくちゃいけないと思った。

ママは、Rさんが言ってたことを思い出した。

不思議なんだよ、私がすごく具合が悪くて寝てると、何故か猫ちゃんが
す~っとやってきて、一緒に寝るの、って。

ママ: じゃあ、Rさんに、もっとこういう風にするといいんだよとか、
    言ってあげたいことある?

猫ちゃん: お母さんが何か思うと、私に伝わるから大丈夫。

ママ: うん。
    いつもそばにいるよって、(今日は)それを一番言いたかったの?

猫ちゃん: そう・・。だから、気が付いてほしい・・・。

ママ: 気が付いて欲しいよね・・・。 うん。 今日はありがとう。

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第20章~ヒプノの世界(15)

「あのね、エフちゃん、人間は何度も生まれ変わるでしょう?
それは魂の成長のためなんだけど、太尾さんが言うには、動物が
輪廻転生する理由は人間とは違うんだって」

ふうん? どんな風に?

「人間は脳と心が切れてるんだっって」

脳と心が切れてる・・・・。

「よね。だから普段は自分の潜在意識と切れた状態で生活してる
でしょう?
でも、動物は脳と心が一体となってる、つまり最初からバランスが
とれてるんだって」

だから、(特にペットは)人間のお手伝いをするめに生まれてくるん
じゃないかな、と太尾さんは言った。

その使命感がとても強いのだそう。

「それでね、面白いことを言ってたよ。ペットを多頭飼いする場合が
あるでしょう? 犬を2匹とか。
それはね、動物同士である人を一緒にサポートしようと決めて、同
時期にやってきてる場合が多いんだって」

へええ?

「その話を聞いたら、講演会に来ていた人がハイッて手を挙げて、
うちの母は捨て猫を見ると放っておけなくて、現在18匹飼ってるん
ですけど、母は18匹もの猫にサポートされる必要があるんでしょう
か?って」 (笑)

あはは・・・。

「太尾さんはね、何匹かはサポート役だけど、他の猫たちは、あそこ
は居心地がよさそうだぞって引き寄せられてきたんだと思う」って。

レスキューの場合はサポートのためではなくて、引き寄せられて
来るんだって。

そうなんだ・・・。じゃあ、野良猫とかで、里親に引き取られる場合は?

「うん。その場合も、飼い主って最初から決まってる場合が多いら
しいよ」

そして、ママは、
「ほら、いつかのワンちゃん、覚えてる?と言った。

「人間に生まれてきたかった、って言ってたワンちゃん」

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第20章~ヒプノの世界(16)

ああ、え~っと、J子さんだったっけ?

「うん、そう。小さいときに飼ってた猫が、今度は犬に生まれ変わって
きて。外飼いなんだけど、
家の中に一緒に居たい、せめて玄関でも
いいから
、って言ってたでしょう?」

うん、そうだったね。

「実はね、J子さんがセッションを受けてすぐに、近所の人から
苦情が来たんだって。夜に吠えるのがうるさいって。
それでね、夜は玄関に入れることにしたんだって]

へえ!うそみた~い!

そして、5か月後にJ子さんからメールが来た。
ワンちゃんが養女にいったとの報告だった。

近所からの苦情でどうしても飼えなくなり、愛護団体の人に相談し
たら、すぐに里親が見つかったのだという。

相談をした翌日にはもう引き取られていったのだと。

ワンちゃんは、まるでそのことがわかっていたかのように、自分から
新しい里親さんの家に入って行ったのだとか。

今度の方は、ワンちゃんを家の中で飼って下さる方で、テーブルで
一緒にご飯を食べたりもしているそうです。
ワンちゃんはとてもかわいがってもらっているそうです、と書いてあった。

ワンちゃん自身がそれ(家の中で人間と一緒に暮らすこと)を望んで
いたので、寂しいけど、ワンちゃんにとってはこれが一番良かったの
かなと思う、と続いていた。

そうなんだ・・・。ワンちゃん、養女に行ったんだね。

「うん」

数日後のJ子さんのメールには、
これが一番良かったのだとは思うけど、悲しくて泣けてくる。
子どもの頃、猫がいなくなったときも、飼い始めてから1年半だった。
今回も、ワンちゃんがちょうど同じくらいの期間居て、そしていなくなった。

昔、猫がいなくなったときみたいに悲しい。
まるで追体験しているみたい
と、書いてあった。

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第20章~ヒプノの世界(17)


J子さんが犬を飼おうと思い立って探していたとき、ひょんなことから
愛護団体の方から譲ってもらうことになった、という話をママは聞い
ていた。

だからそのワンちゃんはJ子さんのところに来るべくして来たのだろ
うと思った。

どの里親さんの所へ行くのかを、動物はちゃんと知っているらしい
から。

ワンちゃんもきっと、J子さんに再会して、そして、次に決めていた
里親さんのところへ行ったのだと思う。
その里親さんとも何かの縁があって。

ふうん、そうなのかあ・・・・。

「それからね、エフちゃん、動物は、輪廻転生とか、もともと”真理”
を知ってるでしょう?
だから、ペットが飼い主に一番望んでいるのは、”自分らしい人生を
送ってね”っていうことなんだって」

動物はこの世界がひとつだということを知っている。

この世界をひとつのパズルに例えるなら、動物も植物も、鉱石も、
そして人間ひとりひとりの人生も、すべてはパズルの一片である。

すべてのピースは繋がっている。

もしピースがひとつでもなかったら、パズルは完成しない。
だから、どのピースもそれぞれに大事なのだと。

「自分の人生を大切に、自分らしく生きてね、って」

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第20章~ヒプノの世界(18)

「あ、後ね、太尾さんはこんなことも言ってたよ」

動物は生まれ変わることを知っているので、「死」への恐れはない。
自分の寿命も最初から決めて生まれてくる。

(それは、人間も同じ。動物はそのことを知って生きているけど、
人間は記憶してないだけ)

「それでね、死ぬタイミングも自分で決めるらしいよ」

そうなんだ?

「ほら、よく最後の時が近づいていて、ほんのちょっと目を離した隙に
息を引き取っちゃた、ってことがあるでしょう?
あれは、ペットが逆にそのタイミングを見計らって光に帰るんだって」

家族に囲まれ、見守られている中では光に帰りづらい。
みんなが悲しむ姿を見るのはつらいから。

「飼い主は、一人で逝かせてかわいそうなことをしたって思うけど、
そうじゃないんだって」

そして、太尾さんはこんなことも教えてくれた。
ペットが逝くときは決してひとりではないって。
そのペットの守護霊がちゃんとサポートしてくれるのだとか。

守護霊は逝くときに突然現れるのではなくて、2、3日前とか、1週
間前からそばに居てくれて、光に帰るときは一緒に行ってくれるらしい。

例えば、ペットが入院していて、病院で亡くなったとしても、光に帰る
時は、ペットとその守護霊が必ず飼い主の家に立ち寄って、お別れ
の挨拶をしてから行くんだって。

だから、生まれるときも、死ぬ時も、ひとりではないんですよ、って。

生まれるときも?

「うん。生まれるときも、守護霊がちゃんとそばにいてくれるみたい
よ」

人間も同じ。

生まれるときも、生きているときも、死ぬ時も、人間って決してひとり
ぼっちではない。
目に見えないだけで、常にいろんな存在にサポートされている。

そして、すべては一つに繋がっている。

「ミミさんが夢のワークをやった時に同じこと、言ってた」

夢のワーク?

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第20章~ヒプノの世界(19)

「夢のワークっていうのはね、榊先生に教わったの」

「自分の見た夢にどんな意味があるのか、それをヒプノで探って
みるの」

へえ! 面白そう!

ママは仲間との勉強会で早速試してみることにした。

ミミさんが気になる夢があるという。
ミミさんの幼い娘が殺される夢。
「気になってしょうがないの」

そりゃあ、そうだよね。
ということで、誘導して、その夢の中へ。

敷地の中に建物があって、ミミさんの娘さんを含む数人の子供たち
がいる。
そこへ、複数の大人たちがやってきて、子供たちを殺してしまう。
ミミさんの胸は張り裂けんばかり。

なんでこんな夢、見ちゃったんだろう?と首を傾げていたミミさんだっ
たが、その理由はあっさりとわかった。

自分の子供を失う悲しみを、夢の中で疑似体験させられたのだった。

そんなことってあるんだ!?

「うん。だって、エフちゃん、クライアントさんの中には大切な人を
失った悲しみを抱えた人だっているわけでしょう?
セラピストに同じ経験があれば、そういった悲しみも理解できると
思うけど、現実には、すべての経験をすることは不可能なわけだか
らさ」

だから、疑似体験かあ・・・。

ママもそれを聞いてびっくりしたと言った。

再び夢の中に戻ったミミさんが、「あっ!」と声をあげた。

「あのね、敷地の中に大きな木があるんだけどね、その木は空と
繋がってるの!」

そして、続けてこう言った。
「空だけじゃなくて、人間も、空も、木も、み~んな繋がってる!
ああ、こんな風になってるんだ・・・」

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第20章~ヒプノの世界(20)

夢のワークは役に立つ。

ある時、ママの友達が遊びに来て、開口一番、こう言った。

「昨日、すっごく変な夢、見ちゃった!」

そして、さらさらと紙に絵を描いてみせた。

「みんなが川で泳いでたら、突然、上流から大きな白いイノシシが
やってきたの。
怒った顔をして、すごい勢いで泳いできて・・・」

「男の人が、”きたぞ~っ”って叫んで。
みんな慌てて、川岸に逃げたの」

突進してきたイノシシは、溺れている子供を助けると、そのまま
去って行ったのだという。

なんだったんだろう? なんで、白いイノシシなのかな?
首を傾げる友達に、
「夢のワーク、やってみよう!」とママ。

そして、この後、思いもかけない展開になった。

もしかしたら、この夢を紐解くために、友達はママと会う前日に
わざわざこの夢を見たのかもしれない。

夢を見ている間はどっぷり潜在意識の世界に浸っているわけだから。

え?そうなの?

「エフちゃんも、眠っている間は、顕在意識が完全に休んでるでしょ
う? ということは、100%潜在意識の世界にいるんだよ」

だから、予知夢っていうのも、夢の中で未来を見に行ってるんだと
思うんだ、とママは言った。

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第20章~ヒプノの世界(21)

ママは友達が描いた夢の絵に意識を集中してもらった。

イノシシが怒っている理由がわかった。
子どもが溺れているのに、みんなは何か別のことで騒いでいて、
誰も気づかずにいるからだった。

「子どもは、石に付着したコケに足を滑らせ、溺れそうになった。
そばに母親が居なくて、不安に思っている」と友達は言った。

夢が教えているのは、「大事なことが見えていない。本質がわかっ
ていない」ということだった。

「なぜイノシシが出てきたの?」とママが聞いた。

「象徴」

「何の?」

友達が”持っている力”の象徴なのだという。

ママは、思いついて、こう言った。

「そのイノシシに聞きたいことがある?」

すると、友達が思いがけず、こんなことを聞いた。

「私のどこがいけないの?」

で、イノシシは答えてくれたの?

「うん。
”あなたにはいいところがいっぱいあるのに、人と比べたりして、
見るべきものをみていない”」って。

ママにはその意味がよくわからなかった。

でも、友達は夢のワークの後に、ぽつりとこう言ったんだって。

「私、母親として、自信がなかったの」

溺れている子供は、彼女の娘さんだったのだという。

イノシシは、彼女に、
「もっと自信を持ちなさい」と言った。

じゃあ、何故、自分に自信がないのか、ヒプノをやってみようか?
とママは提案した。

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第20章~ヒプノの世界(22)

早速、誘導を始める。

「いつも人と比べて自信がないって言ってたけど、人と比べるように
なったのはいつぐらいから?」

物心ついてから、と友達が答えた。

「では、その場面へ行って下さい」と、ママが言った。

すると、「あ、保育園の場面だ・・・」と友達が呟いた。

友達は視覚派なのか、映像で良く見えるらしい。

保育園の頃はすごく痩せていたんだって。

保育園から帰ってくる時間帯に、隣の家のおばさんがいつも庭に
出ている。
そして、彼女の姿を見かけると、必ず、こう声をかける。
「あんた、本当に痩せてるわねえ。ほかの子はそんなに痩せてない
よ。あんたのお母さんは食べ過ぎなのにねえ」」

お母さんは太ってたのかな?と、ママは思った。

隣のおばさんは毎日毎日、彼女の顔を見るたびに、
痩せすぎてる、他の子と違う、と言い続けたらしい。

友達はそれが嫌で嫌でたまらなかったようだ。

私は普通にしてるのに、何がいけないの?
心の中でそう叫びながら、家の中に駆け込んでいた。

そして、他の子と比べて、あんたは違う、というのを、どうやらこの
時期に刷り込まれてしまったらしい。

大人の何気ない言葉が、小さい子供の心を傷つけ、トラウマの
種を植え付けてしまう。

このときフリーズした彼女の感情を解放してから、ママは、
「自分に自信のあるサブパーソナリティ」を呼び出してみた。

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第20章~ヒプノの世界(23)

「どんな人が出てきましたか?」

厳しそうだけど、優しそうな大人の人、と友達が答えた。
長い髪の毛を一つに束ねていて、涼しげな感じ、と。

そのサブパーソナリティはこう言った。

「人はもともと、(ひとりひとり)違うのよ。
だから、比べても仕方がないの」

「やるべきことだって、それぞれに違う。
ずべて同じわけがないんだから、比べようがないの」

「それを聞いて、どうですか?」とママが友達に聞いた。

私が比べてるんじゃなくて、周りがそうするの!と、彼女が答えた。

「あなたはあなたでしかないのよ」と、サブパーソナリティ。

私の何がいけないの?と彼女が再び言った。

「すべて、全部あなたなんだから、自分を認めて、受け入れれば
いいの。あなたの個性なんだから」

すると、友達は、
「じゃあ、私が周りから何も言われないようにして!
私は人に言われた言葉に傷つくの!」と言った。

人に言われた言葉に傷つく・・・・。
そっか、そこなんだ。

ママは、「人に言われた言葉で傷ついた場面」へと誘導してみた。

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第20章~ヒプノの世界(24)

友達が小学生の時の場面へ戻って行った。
父親と車に乗っている。

父親が彼女の顔をからかうようなことを言った。
その言葉に彼女は深く傷つき、
「死にたい、車を今すぐ降りたい!」とまで思っている。

実際には、小さい子供が走る車から飛び降りることなどできるはず
もなく、彼女はただひたすらその場を耐えるしかなかった。

友達の感情はその場へタイムスリップしている。
彼女は泣き出した。

ママは、お父さんはどんな気持ちで娘にそんな言葉を言ったのだろ
う?と考えていた。
普段、友達から聞いている限り、父娘関係がさほど険悪だとは思
えない。

以前、セッションをやった時にやはりお父さんが登場したことがある。

彼女が子供の頃、髪型を変えたいと思っても、その度にお父さんが
「(髪を)切ったらダメだ!」と反対する場面。
「切ったら似合わない」といつも言われて、悲しくて、お父さんなんて
嫌い、と言っていた。

その場面でお父さんがなぜそんなことを言ったのか、気持ちを感じ
とってもらった。

お父さんは、
「困ったなあ。女の子はどう扱えばいいのかわからない」と思ってい
た。
娘とコミュニケーションを取りたいのだけれど、どんな会話をすれば
いいのかわからない。(自分では)からかってみたつもりだが、うまく
いかない。
困惑している父親の気持ちを読み取った友達は、
「えっ? そうだったの?」と驚いていたっけ。

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第20章~ヒプノの世界(25)

なんだか今回もそんな気がするなあ、とママは思った。

それで、お父さんになぜ、そんなことを言ったのか聞いてみた。

すると・・・。
やはり、お父さんには何の悪意もなく、ただ単に娘をからかっている
つもりのようだった。
かわいい我が子の気持ちを傷つけてしまったことなど、これっぽっち
も気づいていない。

ママは、彼女のサブパーソナリティを通じて、そのようなからかいの
言葉は小さな女の子の心をとても傷つけるのだということを伝えて
もらった。

お父さんは、わかったようだったが、「受け流せばいい」と言った。

大人は受け流せても、小さい子供にはそれは無理だということ、
そして、大人の不用意な言動がその子をずっと苦しめ続けることも
有り得るのだということを説明した。

彼女が謝ってほしいと言うと、お父さんは謝ってくれた。

しかし、彼女は、気が済まないと言う。

「どうしたい?」と聞いてみる。

「私と同じ目にあえばいい・・・。馬鹿にされればいいんだ!」

「じゃあ、そうして下さい」と言うと、
彼女は泣きながら「父親を引っぱたきたい」と言った。
「私の心の痛みを知ればいい」

彼女が引っぱたくと、父親は「痛みがわかった」と言った。

その後、彼女は、父親を車から追い出した。

普通のやり方で感情解放が難しいときは、クライアントさんが気の
済むようにやってもらう場合もある。

おそらくそれほどに感情の「しこり」は固い瘤のようになっていて
容易に溶かすことはできないのだと思う。

ママは聴覚・感覚派なのでこのように場面を書き換えることで感情
解放をするのはあまり効果がないんだけど、視覚派の人には有効
なことが多いんだって。
一連の場面をちゃんと映像で追うことができるからかもしれない。

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第20章~ヒプノの世界(26)

ママは、友達の気持ちが落ち着くまで、しばらく待っていた。

「いま、どんな気持ち?」と聞くと、
「言われないように自分を管理することも大事。子供の頃は言われ
っぱなしだったけど」と彼女が答えた。

「あのね、エフちゃん」と、ママは言った。
「どんな人の心にも、その対極のパーソナリティがいるはずなの」

そうなの?

「と、思うんだ。だって、呼べば必ず出てくるもん」

この子供の頃の出来事がきっかけで、彼女の心の奥深くには、
「人の言葉に傷つくパーソナリティ」が存在するようになってしまった。

それで、ママは、それと対極の、「人に何を言われても全く気にしな
いパーソナリティ」を呼び出してみた。

すっごく明るい人が出てきた、と彼女が言った。
「ねえ、なんで人に何を言われても気にならないの?」と聞いてみる。

自分さえよければいいから、という答えが返ってきた。

「じゃあ、”人に言われたことを気にするパーソナリティ” に対して、
何かアドバイスはある?」とママが聞いてみる。

人に何かを言われたときに、
例えば、自分の行いが悪くて言われたんだったら受け止める必要が
あるけど、ただの悪口なら聞く必要はない。

「それを聞いてどう?」

「それはそうだよね・・・」と友達。

その人が相手のためを思って言っているのか、そうじゃないのか
っていうのは、感情を読み取ればわかる。
お父さんは感情で(言って)、相手のためじゃなかったから
あなたは頭に来てるのよ。

それを聞いて、彼女は、
「ああ、そうかも・・・」と頷いた。

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第20章~ヒプノの世界(27)

ママは、「何を言われても全く気にしないパーソナリティ」の存在を
彼女の中でもっと強めるにはどうしたらいいの?と聞いてみる。

しばらくして、
(それよりも)「自信をつけるパーソナリティ」を強くした方がいい
という返事が返ってきた。

そうか・・・。

ママはそのパーソナリティに呼びかけた。
「あなたの存在をもっと強くするために、彼女が出来ることは?」って。

即座に、「行動すること」という返答があった。

「具体的には?」

自分の感情を抑えない、我慢しない。

「もっと自分を出した方がいいの?」と、ママ。

聞くべきことは冷静に聞く。
感情のむき出しではなくて、なぜそうなったのかを説明すれば
大丈夫。

「今のを聞いてどう?」

すると、友達は「私はいつも感情的だから人に伝わらずに終わって
いた」と言った。

「他には?」
と、ママは「自信をつけるパーソナリティ」に聞いてみる。

褒められたら素直に感謝する。

「彼女は、素直に感謝できてないの?」

(今は、褒められても)、嘘だろうと思っている。

そうなんだ・・・。

サブパーソナリティは、最後に、
今言ったようなアドバイスを少しずつやっていけばいい、
と言った。

ママは、友達がそれを実行していった場合の、未来の姿を見せて
下さいとお願いした。

「あ! 痩せてきれいになってる・・・」、と彼女が呟いた。
「冷静で頭がよさそう・・・」

未来の自分と握手をして、そのエネルギーをもらって下さい、と
ママは促した。

「具体的には何をしたら、そんな風に変われたの?」と彼女が聞いた。

相手に迎合ばかりしないで(自分を大事に)、と未来の彼女が言った。

「それでね、エフちゃん・・・」とママ。
「セッションの後でね、友達が、”私、未来の自分にこっそり聞いた
ことがあるの”、って笑いながら言うの」

それは?

「どうやって、痩せたの?」って。 (笑)

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第20章~ヒプノの世界(28)

実は、この友達のセッションでは、他にも幼児期退行の場面が
あった。

その内容にママは驚いた。

それは彼女が3歳のとき。
家族で母親の実家に遊びに行った時の出来事だった。

「何をしているの?」と聞くと、
「ひいおばあちゃんと一緒にいる。
でも、ひいおばあちゃんは歳をとっているから話すことができない。
薄暗い部屋にじっといしていてつまらない」と言った。

どうやらお留守番をしているらしい。

場面を進める。

家族が外出先から帰ってきた。
お買い物に行っていたのだという。

彼女はお昼寝をしていたので、置いて行かれたらしい。

その時、彼女がこう言った。

「嘘をついてる!みんなで何か食べてきた。
嘘をついてもわかるんだから、本当のことを言えばいいのに!」

当時の彼女はもちろん黙っていたが、今はヒプノの中なので、その
ことをお母さんに告げてみた。

「お母さんはあなたにそう言われてどんな気持ちですか?」

お母さんの気持ちを感じとってもらう。
(ヒプノってこういうことができるので便利)

「なんでわかったのかしら、って思ってます」

ママも同じことを思っていた。
3歳の子に、何故わかったのかしら?って。

すると、彼女は、
「気配でわかった。私、よく見てるから」と言った。
そして、「嘘をつくなら、上手にね」と付け加えた。

私は思わず、え~っ? って言った。
「ママ、3歳の子供に、上手にね、って言われるなんて・・・」

「そうだね・・・。でもエフちゃん、もちろん、彼女は3歳当時には
それを言ってないわけだから」

お母さんは、まさか我が子に嘘を見破られていたとは露ほども
思っていないだろう。

お母さんは、
「嘘をつくつもりじゃなかった。
(食べてきたことを)言うと不公平になるから言わなかっただけ」と
弁解した。

彼女が、「寝てたって、ひとこと声をかけてくれれば良かったのに」
と言うと、お母さんは、
「そうだったね」とわかってくれた。

この出来事によって彼女の中に芽生えたのは、
「疑り深いパーソナリティ」だったの、とママが言った。

この後、彼女は、ママの誘導に従って、その時のフリーズした感情
を解放した。

この退行の場面はママにいろんなことを思い出させたんだって。

「普通、大人は小さい子供って何もわからないと思ってるでしょう?
それは大人と同じようにアウトプットが出来ないから。
例えば言葉が話せないとか、まだ語彙が少ないとか」

でも、そんなことはないと思う、とママは言った。

「ママも、あの頃はそんなこと、わからなかった。
だけど、今思い返してみると、いろんなことがあてはまる」

それはみつるお兄ちゃんのことだった。

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第20章~ヒプノの世界(29)

人生のしくみって、すごくシンプルに言えば、
人間は輪廻転生するっていうこと、
そして、何度も生まれ変わりながらいろんな体験を通して、魂を
磨いていくんだ、ってこと。

そのために、自分で人生のシナリオを作り、配役も決めてくるらしい
ということ。

「そんな感じみたいよ」って、ママは言った。

配役を決めるときも、縁の濃い人とは、何度も家族を繰り返すみたい
だって。

前回はあなたが父親役で、私が子供だったから、今回は私が母親
で、あなたは息子役ね、とか。

特に夫婦は、夫と妻の役を入れ替わりながら、何度も何度も一緒に
なってるケースが多いみたい、って。

ママはパパとも何度も夫婦だったことがあるし、みつるお兄ちゃんと
も恋人だったり、夫婦だったり、(今のように)親子だったりしたことが
何回もあって、ヒプノでそれを見ている。

「もちろん、エフちゃん、あなたともね」って。

人生のシナリオを決めてきたことも、みんなで話し合って配役を決め
てきたことも、肉体を持って生まれてくると忘れてしまうので、今、
目の前に「嫌いな人」や「許せない人」がいたら、到底信じがたい
話しだとは思うんだけど、
「でも、本当なのよね~」って、ママ。

だって、「許す」ことを学びたいなあと思ったら、誰かに頼んで、まず
は、自分に対して「許せない!」って思うような言動を取ってもらわな
くてはいけない。
だから、仲の良い人に「お願い、悪役演じてくれない?」って頼むん
だって。
この世で出会った時には、はらわたが煮えくり返るほど憎たらしい
人かもしれないけど、その人を「許す」ことができたとき、魂が成長
する。

あの世に帰った時には、相手は、
「どう?見事に演じたでしょう!」って言って、
こちらも、「うん!本当に嫌な役を引き受けてくれてありがとうね!
おかげで課題がクリアできた!」ってお礼を言ってるかも。

もちろん、シナリオは忘れて生まれてくるぐらいだから、知る必要は
ないんだと思うけど、一時点で、いつまでも堂々巡りして次に進めな
い時は、見えざる力や、あるいは、そんなときのためにあらかじめ
自分が設定しておいた筋書に従って、ふっとヒプノを受けに来て
ちょっぴりシナリオを見ることになっているのかもしれないな、って
ママは思ってる。

そして、思いだしたように、こう言った。
「そうそう、面白い事例があったんだ」

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第20章~ヒプノの世界(30)

ママの友達で、我が子に対してすごく心配性の人がいる。

「病気になったらどうしよう」
「何かあったらどうしよう」って。

子どもを手放した悲しい過去世があって、どうもそのときの感情が
フリーズされて残っているらしい。

本当はその過去世を見に行って感情を解放するのがベストだと思う
んだけど、本人は見ること自体に恐怖感があるので、今のところ、
セッションはできずにいる。

東日本大震災以後、(子供への)放射能による健康被害が心配だ
と言って、顔を合わすたびに引っ越しの話をする。
東京を脱出しなきゃ、って。

「お子さんたちは何て言ってるの?」と聞くと、
「引っ越しは嫌だって」

もちろん、それについても何度かヒプノはやってみた。

その友達が、あまりにも心配、心配と言い続けるので
ママはあるとき、だったら、子供に直接聞いてみよう!と思い立った。

「だってね、彼女がいつもくら~い顔をして、お子さんたちに、ねえ、
引っ越ししない?とか、放射能のこととか、そんな話ばっかりするか
ら、家の空気がどんよりしてるんだって」

母親は太陽!
いつも明るくにこにこしていれば、子供たちは大丈夫だよ!って
ヒプノでも言われてたけど、でも、やっぱり心配で心配で・・・。

ママはこんなことを言った。
「ほら、ペットがいろんなことをアドバイスしてくれるって、わかった
でしょう? じゃあ、小さい子供にもそれ、できるかも、って思ったの。
子どもは顕在意識と潜在意識を分けるフィルターがまだ出来てない
わけだから。潜在意識と繋がっているわけでしょう?」

その実験をしてみようと思ったのだ。

幼稚園のお子さんを呼び出してみた。

そして、ママが聞いてみる。
「あなたのママは放射能の影響をとても心配しているけど、それに
ついてどう思う?」って。

ちゃんと答えてくれたの?

「エフちゃん! 答えてくれたどころか! ママはその答えを聞い
て心底びっくりした!」

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第20章~ヒプノの世界(31)

まだ幼稚園に通っているその子は、こう言った。

「ママ、大きな地震が来ることも、原発の問題が起きることも、僕た
ちは知ってたよね。
知ってた上で、こんな貴重な体験はなかなか出来ないから、だから
一緒に体験しようって決めて、(親子で)この時代に日本に生まれて
きたよね」

ママはそれを聞いて、驚きのあまり言葉が出なかった。

その子はこう続けた。

「ママは僕たちを守りたいと思って、ヒーリングを勉強するようになっ
たし、それで良かったんだよ。
でも、もうこれ以上、心配する必要はないよ」

そう、彼女は、ヒーリングで放射能除去が出来るかもと言って、熱心
に勉強していた。
そして、(もともと持っていたであろう)その力を開花させることになる。

きっかけは、子供を放射能から守りたい、病気にさせたくないという
想いからだったが、実はそれもシナリオ通りだったことになる。

すご~い・・・!!

「でしょう? ねえ、エフちゃん、私たちはシナリオの内容なんて
忘れてるけど、本当はこんな具合になってるんだよ。
だから、よく、”すべては必然で起きる”って言われるけど、まさに
その通りだよね」

この友達に関しては、別のセッションで、さらに人生のシナリオを
垣間見ることになる。

「生まれた場所にも、ちゃんと理由があったの!」

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第20章~ヒプノの世界(32)

実は、ママは、以前にその友達から聞いた話がず~っと気になって
いた。

彼女が数年前に初めてヒプノを受けた時の話。

たまたま近所にヒプノセラピストがいて、受けに行ったのだという。

その時に、海の風景が見えたけど、意味はわからなかったのだとか。

ところが、それから数か月後、沖縄の友人の結婚式に呼ばれた時、
せっかく沖縄に来たのだからと観光した場所が、なんとヒプノで
見た場所だったのだという。

潜在意識はとても賢い。
だから、初めてのヒプノで出てきたもの、見えたものには、必ず特別
な意味があるはず・・・・。
ママはそう思っていた。

それで、ある時、彼女に頼んで、セッションでもう一度その風景を
見に行ってみた。

そしてまた驚くようなことがあったの?ママ?

「エフちゃん、なんでわかるの~!?」

なんでって・・・・。 ママはいつもヒプノをやると、興奮してるじゃな
い・・・。すご~い、人生のしくみってそんな風になってるんだ~って、
感動したり、驚いたり・・・・。(ひとりごと)

そのときのセッションではママのみならず、その友達も驚くようなこ
とがあったんだって。

「あのね、リラックスした後に、見えるものを言ってもらうでしょう?
そのとき、長い髪の女の人が見えたみたいなの」

足元を見てください。
何か履いていますか? 裸足ですか?
って、ママはいつものように誘導しながら、質問をする。

彼女もセッションは慣れているので、髪の色は茶色、目も茶色かな。
年齢は20代、とすらすら答えていたんだけど・・・。

今いる場所は山の中・・・かな?
一人で何かを見てる・・・・ん? 何かと話してるのかな?
・・・・話すっていうより、感じてる?

このあたりから、ちょっといつもと様子が違ってきた。

ここには住んでない・・・。
でも、この場所はよく知っている・・・。

ああ・・・、ここは・・・。
「斎場御嶽(せーふぁうたき)」

(注: 斎場御嶽は琉球の始祖「アマミキヨ」が造ったとされる、琉球
最高の聖地である)

あなたはここで何をしてるの?ってママが聞くと、
来たいときにはいつもここに来て、目に見えない存在と話をするの
だという。

ふうん・・・? 霊能者的な存在かな?
沖縄には「ユタ」と呼ばれる霊能者のような存在がいるから、
そういう人かな?なんてママは考えていた。

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第20章~ヒプノの世界(33)

そして、次の場面。

ここは、「久高島」です、と彼女が言った。

久高島は、本島の東の沖に浮かぶ小さな島で、沖縄の
人々からは、「神の島」と呼ばれているんだって。

再び、「そこで何をしているの?」って聞いてみる。

ここは神の島だから、宇宙と交信ができる。
私は交信した内容を人々に伝えている。
神々の言葉が、人々にはわからないから、私が伝えている。

彼女はそう言った。

やっぱり、沖縄でユタか何かの過去世があったんだなあ、ってママ
は思いながら、
「今度はその人生で最も重要な場面に行って下さい」と言った。

すると・・・。

明るい・・・。
誰もいない。

誰もいないの? あなたは? (いないの?)と、ママが聞く。

と、彼女が戸惑ったように、
あれ? 実体がない、と言った。

そして、
なんか、見守っているような感じ。
変だなあ。 自分で生活してる、っていう感じがない。
と、続けて言った。

しきりに、おかしいな、と呟いている。

ママは思いついて、雲を呼んでみる。
雲に乗って上へ昇り、高いところから自分を客観的に見下ろして
もらった。

「何が見えますか?」

彼女は驚きながら、
私、人間じゃない!と言った。

そして自問自答するように、
ん? 人間? いや、体を持った人間ではない!
って。

どうやら、存在感は感じるのだが、地上に住む人間とは異なるらし
い。

なんだか、この島を見守っているみたい、と彼女は言った。

「では、なぜそういうことをしているのか、それがわかる場面へ行っ
てください」と、ママは誘導した。

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第20章~ヒプノの世界(34)

彼女は、そのまま久高島の場面にいるようだった。

こう言った。

この島は宇宙に近い場所。
だから、(自分が)出たり入ったりしやすい。

出たり、入ったり?

私は宇宙から来ている、と彼女が言った。

え? 宇宙人なの?

「違うよ、エフちゃん、きっと、違う次元から来てる、っていう意味だと
思うんだ。三次元の人じゃないんだよ」

彼女は、地球に生まれたこともたくさんあるが、今回は肉体を持って
いないと言った。

なんだか、風みたい。こう、空気のなかに溶け込んでいるっていうか、
そんな感じの存在なの。
人からは私の姿は見えない。
だけど、私のことを見たり、感じたりする人もいる。
それは「祈る役目」の人。
そういう人には私がわかる。

ああ、なるほど・・。
木村先生にしてもそうだけど、やっぱりそういう役目の人って、
三次元ではない違う次元にチャンネルを合わせることができるんだ。
ママは頷きながら聞いていた。

彼女は、
人々に伝えたい、
気づいてもらいたい、
思い出してもらいたい、と言った。

そのために、自分はパイプのような役目をしているのだと。

あなたが、人々にいろんなことを伝えているの?
と、ママが聞いてみる。

彼女は首を横に振った。
違う・・・。

私は自分の言葉では話さない。
「祈る役目」の人たちが、宇宙の言葉をよく聞き取れるように、
そういう状況を整えてあげている。

宇宙の法則、人生のしくみ、そして人はみな光であること。
そういったことを、いつの時代にも伝える役目の人たちがいる。
その人たちが、上からのメッセージを受け取りやすいように、また
理解しやすいように、彼女は間に立ってサポートをしているらしい。

そんな存在もあるのだとママは驚いた。

私は、ここがとても好き・・・・と、彼女が呟いた。

西暦でいうと、何年ぐらいですか?

ママの問いに、しばらくしてから彼女が答えた。

1950年。

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第20章~ヒプノの世界(35)

1950年?
ってことは、彼女のひとつ前の過去世かな、とママは思った。

ママ、過去世が人間じゃない場合もあるの?

「うん。セラピストの仲間が言ってたけど、あるクライアントさんの過去
世は、木の精霊だったって。大木の。
ママも、ほら、いつだったか、明治神宮に行ったら、ご神木から、
あなたは昔、私たちの仲間だった”って言われたじゃない?

それに、教室で勉強してた頃ね、セッションの練習をやったら、
洞窟の場面が出てきた人がいたの。
セラピスト役の人が、足元を見てくださいって言うんだけど、足どこ
ろか、姿形が全くないの。
で、風のように早く走れる、洞窟の中をぴゅ~って移動してるって。
先生は自然霊のような存在ですね、って言ってた」

さて、ママの友達が生まれて初めて受けたヒプノで見た景色。
それは、
実は彼女のひとつ前の過去世の場所だったということはわかった。

問題は、なぜ、何のために、それが出てきたのか、ということである。

それを解く鍵が、もしかしたら今生彼女の生まれた場所にあるんじゃ
ないかな、ってママは思っていた。

根拠はなにもないんだけど。
何となく、そんな気がした。

彼女が生まれ育ったのは、東京に近い小さな島である。
そこもまた神に由来のある島なのだ。

ママは久高島の場面から、その島へと誘導した。

あなた(の意識)は今、島の上空へ来ていますよ。
何か感じますか?

潜在意識と繋がっているときは、顕在意識では見えないことや、
わからないことも理解できてしまう。

彼女が、「あっ!」と驚きの声を発した。

ここは久高島と空気が同じです!

ああ・・・・。
だから、ここを選んだんだ・・・。

そう呟いた。

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第20章~ヒプノの世界(36)

その島には山がある。
山の上は、宇宙と接点がある。
つまり、ワープの出来る場所なのだ という。


彼女は、そのことを「(三次元の世界と宇宙との)境目が薄い」と
表現した。
だから、宇宙からのメッセージを受け取りやすい、届きやすい場所
なのだと。アンテナを立てると、すぐにキャッチできるという。

久高島も、この島もどちらも境目が薄いので、宇宙と繋がりやすい
のだそう。
だからこそ、彼女は今生、この地を選んで生まれてきていたのだ。

うわ~、驚き!
こうやって謎解きができるから、ママはヒプノが面白くてワクワクす
るのだという。
それに、すべてに意味があるんだな~という実感が湧いてくるし。

実は、その友達が生まれたのは、東京である。
友達のお父さんは島を離れて東京で商売をしていた。
そしてお母さんと知り合い、結婚し、彼女が生まれるんだけど、
「すごいの。お母さんが出産で入院するでしょ?で、赤ちゃんが生ま
れて、まあ、普通は1週間ぐらいで退院するのね。
お父さんはその間に店を畳み、部屋を引き払い、退院と同時に島
へ戻る手はずを(勝手に)整えていたんだって!」

(東京で生まれ育った)お母さんは当然驚き、戸惑ったらしいが、
お父さんは「子供を育てるのは島の環境の方がいい!」と、
有無を言わさず、島への移住となったんだって。

だから、やっぱり、彼女はちゃ~んと島で育つようになってたんだよ
ね。シナリオ通りに。

でも、なぜ、再び久高島に生まれなかったの?ってママは聞いてみ
た。

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第20章~ヒプノの世界(37)

東京に来たかったから。
東京は日本の中心だから。

なぜ、日本の中心に来たかったの?

今、日本は大きく変わるときだから。
それに気づく人もいる、気づかない人もいる。
でも、日本はこれから大きく変わっていく。
沖縄に生まれたら、東京に来れなかったかもしれない。
だから、東京に近い、この島を選んだの。

じゃあ、なぜ、今回は肉体を持って生まれてきたの?
前みたいに、媒体のような存在ではなくて?

久高島に居た時、一生懸命宇宙のメッセージを伝えようとしたけど、
なかなか届かない人もたくさんいた。
だから、その人たちの気落ち(肉体を持つがゆえの苦悩)を体験し
ようと思ったの。

ああ、そうだったんだ・・・・。
今生のあなたのお役目は?

みんなに気づいて欲しい。
宇宙があることを。
そして、ひとりひとりもまた宇宙であることを思い出して欲しい。

そのためにあなたができることは?

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第20章~ヒプノの世界(38)

肉体を持つがゆえの不便さ、苦しさ、葛藤を経験しながら、
それでもこの宇宙の力を使えるんだということをみんなに示すこと。

レイキも、ヒーリングも、ヒプノもみんなそう。

(今回は)人間だから限界がある。
だけど、できることもある。
思い出しさえすれば、肉体があっても、宇宙の力を使える。

なるほど・・・・。
ママはハイヤーセルフに聞いてみた。

今日、このセッションでこういったことを見たのはなぜですか?って。

(今生の役目を)思い出すため、という答えが返って来た。
今、日本はとても重要な時。
変化は日本から始まるから。

どんな変化ですか?

意識。
意識の次元が上がっていく。
だからみんなに気づかせないといけない。

気づかない人たちはどうなるのかも、ハイヤーセルフは教えてくれた。

そして、ママに向かって、「あなたも同じ役目」と言った。
宇宙の言葉を伝える。
宇宙の意識を伝える。

だから、あなたも(地方から)東京に来たのだと。

あなたたちは、他の星にいたときから、仲間でしたから、と。

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第20章~ヒプノの世界(39)

へえ~っ?
じゃあ、それこそすべてシナリオ通り?

「なのかなあ? エフちゃん、どう思う?」

かつて他の星で仲間だった者たちが時を同じくして、同じ目的の元、
生まれ変わってくる。

ママの友達はある時、ヒプノで海の風景を見る。
数か月後に沖縄でその風景を偶然目にする。

数年後、ママと出会い、
その時のヒプノの話をする。

1年以上後になって、ママは突然その話を思い出し、気になり始め
る。
それでその風景の意味を紐解いてみようと提案する。
すると、彼女は今回の役目を思い出す。

一方、東京に居ることにより、地震や原発の問題に直面する。
そのことがきっかけで、ヒーリングに目覚める。

ふたりいる子供のうち、下の子が、
「ママはそうやってヒーリングに目覚めるようになってたんだよ」と
セッションの中で教えてくれた。

ちなみに、その子に、「今回(その友達を)母親に選んだわけは?」
って聞いたら、「ママを支えるためだよ」って。

そして上の子に選んだ理由を聞くと、
「そばにいたかったから」。
幼くして母親と引き離された悲しい過去世があるらしく、再会して
今度は一緒にいたかったのだという。

ママはついでに友達とご主人が夫婦になったわけまで聞いて、
「へえ~っ、そうなんだ!」とひとり納得していた。(笑)

シナリオって本当にうまくできているらしい。

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第20章~ヒプノの世界(40)

「そういえばね、エフちゃん、その友達は、結婚してても、全然子供が
欲しいと思わなかったんだって」

でも、今は二人の子供のお母さんなんでしょう?

「うん。それにも不思議なわけがあるんだよ」

ママは友達に聞いた話をしてくれた。

あるとき、仲の良い友人Aさんが妊娠したんだって。
初めての子供でそれはそれは楽しみにしてたんだって。

ところが、生まれた子供には障害があって、育つことはできないって
お医者さんに言われたの。
1年も生きられないだろうって・・・。

彼女はそれをほかの友人から聞いて、会いに行っていいものか
どうか迷ったんだけど、病院に行ったんだって。

新生児室を覗いた彼女は、息をのんだ。

ベビーベッドの辺り一面が、まばゆいばかりの金色の光に包まれて
いる。
そして、全身から金色のオーラを放つ赤ちゃんがそこにいた。

その神々しさに、彼女は足が震えた。
涙が溢れ出てきて、なぜか急に
「子供を産まなくちゃ!」って思った。

「それにね、彼女だけじゃないの。後でわかったんだけど、実は
彼女が知ってるだけでも他にも二人の人がおんなじことを思ったん
だって」

それで子供を産んだの?

「うん。三人とも」

その子供は3歳まで生きて、光に帰った。

Aさんは悲しみから立ち直ることができなかった。


1年後、しばらく会っていなかったAさんから、(その友達に)突
然電話がかかってきた。

で、会ったわけ。

そしたらね、Aさんのそばに、
小さい男の子がいるのが視えた。


その子が着ている服の特徴を言うと、

Aさんは、「あの子だ!」って。
それは、生前、子どもによく着せていた服だったんだって。

実はその友達というのは、霊力がある人だった。

だから、子供がその人を媒体に選んで
話をしにきたんじゃないかと思う。

Aさんは、泣きながら、
「また生まれ変わってきて、いつか会える?」って聞いたんだって。

その子はこう答えたの。

「僕はもう人間には生まれないんだ。
あれは僕(が肉体を持つ最後)の人生だったんだよ」

そして、
「僕はこれからすごく高い(次元の)所に行くから、もう会えないけど、
でも、いつでもママのそばにいるよ」って。

そう。

今回は生まれてすぐに光の世界に戻ることも、その子が決めていた
ことだった。
そしてそれは、肉体をもって、人間として生きる最後の人生でも
あった。

お母さんもまたその計画の協力者として、その子をこの世に送り出
すことを引き受けていたのだった。
(魂同士のときに計画したので、人間に生まれた後のお母さんは
もちろん覚えていないんだけど)

その子は、にっこり笑った。
「ママ、ありがとう」

そして、こう続けた。

「ママもママらしく生きて行ってね。いつだって見守ってるからね」

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第20章~ヒプノの世界(41)

ママは、人生のしくみって、「すごろくゲーム」みたいだね、って言っ
た。

世界中の人たちが、各々、さいころを振りながら自分の人生を一生
懸命、歩んでいる。

トントンとスムーズに進むときもあれば、くたびれて1回休みのときも
ある。
シナリオ通りにうまくいかなくて、戻るときもある。

「人を許すことを学ぼう!」と思ったのに、いざ肉体を持ったら、
許せない役を演じてくれた人に対して憎悪の感情を募らせ、許す
どころか死ぬまで憎み続けたりして。

光に帰った時に、「しまったあ!そうじゃなかったのに・・・。
憎しみは何も生み出さない、って悟る予定だったのに。あ~あ・・・」

というわけで、魂的には少し戻ったところからやり直したり。

そうやって、何回も何回も人生を繰り返して、もう魂を磨く必要がなく
なったら、「あがり」になる。

どんな人も、いつかはゴールに辿り着く。

輪廻転生する回数は人によってまちまちだけど、その間、王様に
なってみたり、俳優になってみたり、平凡な主婦だったり、次は冒
険家、商人、ありとあらゆる役柄を、さまざまな国の、さまざまなシ
チュエーションで体験する。

「そして、最後の人生で障害のある肉体を選ぶことがあるんだって」

そうなの?

「母親は自分が子供を産むでしょう?
だから、障害を持つ子供が生まれると、自分のせいだ、自分が
五体満足に生んであげられなかったからだ、って苦しむ人もいる
の」

でも、違うんだよね、ってママは言った。

「子供自身がその人生を選択しているんだって」

そして、その選択した人生を共に受け入れてくれる親を選んで生ま
れてくるのだとか。

金色のオーラを放つ赤ちゃんの話を聞いたとき、ママはすぐにこの
ことを思い出したという。

「障害がある肉体」を選び、
そこに宿った魂がどれだけレベルが高いかは、
山本加津子さんのHPを読めばわかる」ってママは言った。


山本加津子さんは、石川県の養護学校の先生である。
生徒たちと触れあう日々の中で感じたことを、とても優しい文章で
綴っている。

HPの右側の「もくじへ」をクリックする。
いろんな生徒の「気持ち」を読むことができる。
「宇宙の秘密」も素晴らしい。

涙なしでは読めない、って、ママ。
かれらの崇高な魂に心を打たれるから。

それに、みんな宇宙に繋がってる感じ。
ママたちが今一生懸命勉強してることなんて、もうとっくに知ってる。
っていうか、生まれた時から知ってたんだと思う。

「大ちゃんの気持ち」を読んだときなんて、ママはため息ついて、
そうだったんだあ・・・って。

少し紹介するね・・・。

「僕が生まれたのには 理由がある 
生まれるってことには みんな 理由があるんや」

「僕の手の上に 宇宙がある
僕の身体の中にも 宇宙がある 
小さなありのからだの中にも 
いくつもいくつも 宇宙がある」

「葉っぱだって 石ころだって そこにあるだけで 
心を動かす力がある 
それが“ある”ということなんかな」

ママは、自分はまだまだ未熟だから、いっぱい生まれ変わって、い
ろんなことを体験する必要があるみたい、って。

次のお話はそんな体験の中のひとつ。

「時を超えた再会」の話。

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