そのとき、そばで聞いていたみつるお兄ちゃんが、
「ママ、大丈夫だよ!」と言った。
みつる:だって、ユーリさんだって、ヒプノをやってるうちに
だんだんいろんな力がついてきた、って言ってたよ。
ママ:え? ほんと?
みつるお兄ちゃんは、ユーリさんに会ったことがある。
ユーリさんはママが尊敬しているヒプノセラピストさんである。
中性的で、なんというか、かなり不思議な人。
淡々と生きている(ように見える)。
真理への探究心はすごいものがある。
心理学への造詣も深く、クライアントさんひとりひとりに適切
な話をしてくれる。
それも、静かに、語るように。
ユーリさんもまた、「普通の人」ではない。
だからこそ、ママはヒプノは、そういう、「普通じゃない人」が
やるものだと思っていた。
ママは、お兄ちゃんの言葉に少し救われたけど、でも、やっ
ぱり、そういう力って、生まれつきのような気がした。
それでも、ヒプノを学ぶことは楽しくて楽しくて、ママは、
はやる気持ちを抑えきれず、嬉々として、教室に通い続けた。
そしたら。
「あれ?」って思うことが、少しずつ起き始めたのだ。
半年が経過した頃だっただろうか。
教室では、講義の後に、ペアを組んでセッションの練習を
やる。
あるとき、ママは、セラピスト側を練習していた。
「超意識さん(高次の存在)、出てきて下さい」と言った、
そのとき。
目の前に、なんだか、金色のおじいさんのような人が見え
たような気がした。
こんなこともあった。
ミミさんとペアを組んだとき。
ママがセラピスト役になった。
リラクゼーションを始めると、リクライニングチェアに座ってい
るミミさんの足元に、妖精が現れたのだ。
ミミさんは、小さな頃から霊力が高くて、妖精が見えたり
していた人なので、きっと、こんな風にいつもそばで見守っ
てくれているんだなあって、ママは思った。
また、ある時は、クライアント役になっている美帆さんの姿
が、一瞬、中性ヨーロッパの女性に見えたこともあった。
そして、植物との対話も始まった。
でも、どれも、ママにとっては、「錯覚」とか、「気のせい」
に思えるのだった。
何しろ、先生や他の生徒さんの能力がすごすぎて・・・。
1年後に教室を修了して、ママはさらに別のヒプノの教室に
通い始めた。
仲間もそれぞれに、エネルギーの使い方を勉強したり、レイ
キを極めたり、ヒーリングを学び始めたりしていた。
そして、勉強会で毎月集まるたびに情報交換をしていたん
だけど、みんな徐々に「目覚め始めて」いた。
ママ:やっぱり、そういう勉強をしていると、直感が鋭くなる
みたい。・・・・っていうか・・・。
ママ:小林正観さんが、著書の中でこんな風に言ってるの。
「超能力は本来すべての人が持っています。すべての
人が本来みんな超能力者ですが、ほとんどの人がこの
力に気づいていません。
人間の持つ意識のうち、顕在意識が15%、潜在意識
が85%というのが通り相場ですが、よほど優秀な人で
25%、アインシュタインでさえ40%ぐらいしか使ってい
ないそうですね。
普通の人でいえば、85%の未開発部分をどう広げる
か・・・、それが超能力を開発するテーマでした。問題
は、隠されている能力が開けるかどうかなんですね。
そこを開いて85%の世界につながり、それを使いこな
せるようになると人生が一変しますよ、というのが私の
得た経験でした」
~『宇宙方程式の研究』より
私: つまり、目に見えない不思議な力って、誰でもが持っ
ているってこと?
ママ:うん。そうみたい。
そもそも、人間って、「魂」の時は、万能なわけでしょ?
言葉を介在させなくても、相手の考えていることがわか
るし、時間も空間も超えて、自由自在にどこへでも行け
るし。食べる必要もないし、眠る必要もないし。
想念の世界だから、自分の想ったものはそのまま現実
になるらしいし。
私:この世界でいうところの、透視とか、瞬間移動とか、念
力とか・・・。すべて揃っているんだ。
ママ:でも、ひとたび「肉体」という着ぐるみを着ると、そうい
う力がなくなっちゃう。
私: なんでかなあ?
ママ:人間は輪廻転生を繰り返すけど、生まれる時は過去
の記憶を消してくるでしょう?
だって、今生の人生の青写真を決めてきても、その記憶
があったら、先々起きることが全部わかってるわけだか
ら、つまらないじゃない?
まるで、最初から犯人が誰かを知りながら推理小説を
読んでいくのと同じだもの。
だから記憶は消して生まれてくる。
そして、肉体を持つことで、人間が本当は光の存在で、
いろんなすばらしい力を持っているんだってことも忘れ
ちゃうみたい。
でも、スピリチュアルな世界のことを知って、勉強を始め
ると、そういうことを少しずつ、思い出していくみたいなの。
私:新しく「知る」んじゃなくて、「思い出す」んだ!
ママ:うん。
ママ:Hiroさんがこんな話もしてくれた。
ある時、エネルギーの教室のときに、一人の生徒が
最近、膝が痛いって言ったんだって。
でも、病院に行って調べても、どこも悪いところがない
って。
で、先生がエネルギーワークをやってくれたんだって。
そしたらね、膝の裏から、細いヘビがしゅるしゅる、って
出て行ったんだって!
そこに居た人たち、全員が見えたんだって!
私:そ、それって? なに・・・?
ママ:ある人の「怨念」らしいよ。
本人も思い当たることがあるって。
でも、そのヘビが「見える」、ってすごいよね。
人間が持つ本来の能力に目覚めたのは、Hiroさんだけで
はなかった。
美帆さんがある時、「人の頭の上に白い煙が見える」と
言い出した。
美帆:最初は目の錯覚かと思ったの。でも、常時、見える
ようになってきて・・・。
ミミさんが「それ、幽体だよ」って。
ママがみつるお兄ちゃんに
「ねえねえ、美帆さん、すごいんだよ!」って
そのことを話したら、
お兄ちゃんが
「ああ、ぼくも見えるよ、夜、外の木とかじ~っと
みると、白いものが出てるよ」
と何でもないかのように言ったので、ママはびっくりした。
美帆さんはその後、力が開花して、人の病気も治せるよう
になっていった。
勉強を続けていた仲間はみんな、少しずつ変化していった。
直感が少しずつ鋭くなっていったけど、それだけではなかった。
ママ:「シンクロニシティ」っていうのも、多くなってきたんだ
よね。
私:それ、なあに?
ママ:「偶然の一致」とか、「共時性(きょうじせい)」とか言わ
れてる。
私:ああ、あの「孫の手」のときみたいな?
ママ:それ、それ!(笑)
面白いことがあった。
ある時、ママが背中が痒い!って言い出して。
ママ:背中に手が届かない!「孫の手」があったらいいのに。
どこに売ってるのかなあ?
って。
その2日後。
ママが100円均一の店内にいたときのこと。
後ろにいた若いカップルの会話が聞こえてきた。
男:あ、おれ、「孫の手」が欲しい。買っていい?
女:うん、いいよ!
(えっ?ここに「孫の手」、売ってるの?)
ママが振り向くと、陳列棚の端に、「孫の手」が数本ぶら
下がっていた。
それから、こんなこともあった。
あるとき、ママは、自転車でお買い物に行っった。
駅付近の大通りを走りながら、
(そうだ、○○さんに、JTBの旅行券を贈ろうかな)って、
思いついた。
そして、
(この辺にJTBって、あるのかな)って思った瞬間、横の
細い路地から、自転車が飛び出してきた。
きゃっ!危ない!って、ママは止まって、その人が横切る
のを待ちながら、ふと、その路地に目をやると、
「うっそ~!」
大通りから路地に入る角にはビルが建っていて、その1Fに、
JTBの看板。
あの時は本当にびっくりしたなあ、って、ママ。
それに、もっと日常的なことで言うと、
スーパーでお買物をしているときに、ふとケチャップに目が
留まり、(なんだろう?でも、目に留まったから買っておこう)
と買って帰ると、ちょうど家にあったケチャップを使い切って
しまう寸前で、その日はオムライスを作る予定だったから、
助かったとか、
なぜかパン粉に目が留まって買ったら、その日、揚げ物を
作っている途中でパン粉が足りなくなり、買っておいて正解
だったとか、
そんなことが多々起こり始めた。
私:ママ、すご~く日常的!
ママ:だって、本当だもん。(笑)
こんな不思議なこともあった。
ある日、ママは古本屋さんで1冊の本に目が留まった。
内容はこんな感じ。
1人の女性がたまたまレイキに出会ったのがきっかけで
精神世界のことを勉強するようになっていく。
ヒプノもやるようになるのだが、彼女は次第にチャクラに手を
当てるだけで、その人の過去世が見えるようになっていく。
そして、世界を股にかけて、不思議な出来事が次々に
起きるようになっていく。
「出来事」というのも、あまりにもスケールが大きすぎて、
「事実は小説よりも奇なり」とはいうけれど、本当にこんな
ことあり得るの?っていうくらい、すごい内容なのだ。
ママは一気に本を読み上げて、どうしても著者に会いたく
なった。
会いたくて、会いたくて、その気持ちが止められない。
その著者は、幸い、ママと同じ東京に在住しているし、レイキ
を教えているようだった。
ママはレイキを教わる必要はなかったんだけど、会うために、
申込みをした。
私:それで、どうだったの?
ママ:うん。なぜ会いたい気持ちが止められなかったのか、
わかったの。
その人ね、過去世でお父さんだったの。
私:ママのお父さん?
ママ:うん。レイキヒーリングを教わっている間に、この人と
どんな関係があったのかなあって、ぼんやり考えてみ
たら、インディアンの部族が見えてきたの。
その人がお父さんで、ママは息子だった。
2回目のワークを申し込んだときも、同じように見てみた
んだけど、同じものが見えた。ママは10代の息子で、
その人はお父さん。
私:だから、懐かしくて会いたくなったのかな?
ママ:そうかもね・・・。
いま、同じ日本に生まれて、親子で同じような仕事を
してるんだなあって、感慨深かった・・・・。
もちろん、その人にはそんな話はしないし、魂も再会した
ことで満足したのか、それっきりになったんだけど。
「お父さん、頑張って。私も頑張るからね、って、そんな気
持ちかな」
ママはそう言って、にっこり笑った。

精神世界のことを勉強する人は、ヒーラーや神職などの
過去世があることが多い。
ママは、セッションでそういった過去世が出てくると、
「その場を離れて、客観的に見て下さい。どんなことが起き
ていますか?」というようなことを聞いてみる。
今のところ、答えは全員同じ。
「上から光が降りてきて、私の体を通して、患者の体に
届いてます」と言った感じ。
先日も、ある人の過去世を見に行くと、1,000年位前の巫女
さんだった。
神社でお勤めをしていて、村人たちが悩み事を相談にくると
助言をするのだとか。
ママが、「その助言は、あなたが自分の頭で考えているの?
それとも、他の存在の人がやってるの?」と聞くと、
「姿はないけど、神様のような存在の人が、私を通して
やっています」と答えた。
やっぱりなあ、ってママは思った。
ママ:それでね、エフちゃん、一体、どんな人が媒体に選ば
れるんだろう、って疑問に思ったの。
ママ:それで、あるとき、上に聞いてみた。
そしたらね、面白いことを言われたの。
”誰でも媒体になり得る”って。
誰でもいいんだって。
だけど、神様が上から光を流した時(通したとき)に、
体の中に、パーッって、いっぱい拡がっていく人と、
ほんのちょろちょろしか流れない人がいるんだって。
つまり、人によって、流れる光の量とか、通り方とかが
違うんだって。
私:(体の中に光がぱあっと拡散していく人と、
通した光が体の細胞に吸収されて無くなってしまう人?
そんなイメージかな・・・?)
ママ:それでね、たくさん流れる人っていうのは、いわゆる
精神世界のことをよく知ってる人や、執着を手放して
いたり、愛に溢れてる人、そういう人なんだって。
そういう人は、光を通しやすいんだって。
ママは、話しながら、
(ああ、そっかあ。だから、自分は特別な人間、みたく傲慢
になると、”当たらなくなったり”するんだ)と思った。
そんな話を聞いたことがある。
良く当たると評判の占い師や霊能者が、お金に溺れたり、
自分の力を利用して人を騙したりした挙句、だんだん当た
らなくなってしまったって。
人の役に立てるために授かった力なのに、違う方向に行って
しまったから、「上から取り上げられた」のかと思っていた。
そうではなくて、神様が今までと同じように光を通しても、
通りにくくなってしまったのかもしれない。
「愛に溢れたヒーラーっていえば、やっぱり美帆さんだよね」
って、ママ。
最初の教室で一緒にヒプノを学んだ仲間なんだけど、
ヒーリングの力がどんどん開花していった。
仲間で集まって勉強会をやっている最中に、突然
ぼ~っとしているときがあって、みんなから
「どこに行ってるの~。戻っておいで~」って、からかわれて
いたりした。
眠いのかしら?ってママは思っていたけど、後々になって
わかったことは、本当に「どこかに行っていた」のだった。
私:どこに?
ママ:神様の領域?
いわゆる、「無の世界」?
自分でも気づかずに、突然意識がそこに飛んでたみた
いよ。
2012年になって、人の頭の上から白い煙みたいなのが
出てる!って言い出して、だんだん、それが見えるのが
当たり前になってきた。
ヒーリングに興味を持って、自分なりにいろいろ勉強して
いたんだけど、あるときから、病気を治すことにチャレンジ
するようになっていった。
ママ:最初はね、「血豆を治す」とかね、(笑)
そんなことをやってたんだよね。
「朝、子供がドアに指を挟んで血豆ができちゃったから、
ヒーリングしてみたら、夕方には治ってた!」とかね。
半信半疑だったけど、頑張って練習を続けてた。
そして、遠隔で治す練習もやるようになったある日、
神様がすごい舞台を用意してくれた。
2012年の12月のことだった。
私:すごい舞台?
ママ:うん! 癌を治したの。
私:ヒーリングで?
ママ:そう。しかも、遠隔で。
そうなのだ。
美帆さんは、癌を治してしまった。
ある日、美帆さんからメールがきた。
「今晩、ヒーリングの遠隔で、友達の友達のお母さんの癌
に働きかけるの。医者にも、地元のヒーラーにも見放された
のでお願い、って頼まれて。
だめもとで申し訳ないけど、できることはやってみようと思うの。
癌なんて最終目標だし、練習足りてないし、でも、やってみ
る。神様、助けて!」って。
翌日、再びメールが来た。
「昨夜はやれるだけのことはやってみた。後は天命を待つ
のみ」
その後、気になってはいたが、ママも美帆さんも年末年始
は忙しくて連絡を取る暇もなかった。
そして、年が明けて、2013年、1月。
「子宮癌の全摘出、回避しました!」という短いメールが
届いた。
聞けば、友達の友達のお母さんは子宮癌で、子宮全摘出、
加えて周囲のリンパ節も摘出しなければならないだろうって
言われていたらしい。
私: それが治っちゃったの?
ママ:だって!! すごいよね!
ご本人はあちこちの病院へ行ってみたが、子宮全摘出と
周囲のリンパ節摘出の診断は変わらなかった。
最後は神頼みで、地元で評判のヒーラーのところを訪ねたり
もしたが、治ることはなかった。
そんなとき、たまたまヒーリングを勉強している美帆さんの
ことを聞いて、だめもとでいいから、やってみて欲しいと
頼んできたのだそう。
藁にもすがる気持ちだったのだと思う。
ママ:美帆さんがヒーリングをしてから、ちょうど1か月後くらい
に、手術前の検査で病院に行ったんだって。
MRIを撮ったりしたらしいんだけど。
その結果説明を聞くのにすご~く待たされたんだって。
たぶん、先生たち、画像を見て、信じられなくて、大慌て
だったんじゃないかなあ。
だって、癌が消えてるから。
病院側も誤診だったと思われると大変じゃない?
外科部長とか、先生たちが何人も出てきて、
なんか、説明もしどろもどろだったらしいよ。(笑)
で、とにかく癌はないわけだから、手術も必要なくなって、
そのまま帰宅したんだって。
私:すご~い!
ママ:すごいね。美帆さんの友達の友達が、診察後すぐに
メールをくれたらしいんだけど、あまりの驚きで、メール
を打つ手が震えちゃったって!
美帆さんのヒーリング力は本当にすごいものだった。
彼女はとても愛に溢れ、かつ純粋な人なので、そういった
ことも力の大きな要因になっているのだと思う、ってママは
言った。
癌を治したことを聞きつけた知人・友人たちが、
「こういう人がいるんだけど、お願いできないかな」って、
いろんな相談を持ち込むようになった。
ママ:そして・・・。
私: そして?
ママ:美帆さんの苦悩が始まったの。
一番の苦悩は、本当にヒーリングの力で治ったのだろうか
という疑問。
ママ:なぜ、どうして治ったのか、解明できないじゃない?
目に見えない世界のことだし。
それに輪をかけて美帆さんを苦しめたのは、治る人と治ら
ない人がいるという事実だった。
「自分の力が足りないからだ」って、美帆さんは自分を責め
るようになっていった。
でも、ママにはそうは思えない。
ママ:だって、私たちは神様じゃないんだから。
来る人来る人、一人残らず治せるはずがないでしょう?
それに、癌のときは、癌自体が消えたので、はっきりと効果
を確認できたけど、他の病気で症状が軽くなっていたとして
も、気づけない可能性がある。
だけど、せっかく自分を頼ってくれたからには、なんとか
治してあげたいと思う美帆さんには、
「なぜ、治せないのか」、それが苦しみなのだった。
それで、ママはあるとき、美帆さんがヒーラーだったときの
過去世を見に行ってみることにした。
2013年3月。
美帆さんから突然メールがきた。
「明日の日曜日、空いてる?」
ママが「空いてるよ~」って返事を返して、
美帆さんが翌日やってきた。
「なんだか、波動が悪くて」って、美帆さんが言った。
(う~ん・・・・)
ママはどんなセッションにしようかと考えて、ハイヤーセルフ
に直接会いに行くことにした。
自分がリラックスできる場所を想像して下さい、と誘導する
と、美帆さんは、「海が見える小高い丘の上にいます」
と言った。
ママ:砂浜を歩いて行って下さい。
そうすると、ハイヤーセルフが待っていますよ。
美帆:髪の長い、白い服を着た女性がいます。
ママがハイヤーセルフに向かって、今の美帆さんに必要な
アドバイスを下さい、とお願いする。
ハイヤーセルフ:笑顔を忘れていますね。
そうだ。
美帆さんは最初の教室でヒプノを学んでいた頃から、繰り
返し繰り返し、「笑顔でいなさい」ってアドバイスされている。
ママは、なぜ、「笑顔でいること」が大切なのかを知ってい
る。
以前、潜在意識下で聞いたことがあるのだ。
「なぜ、笑顔でいることが大事なの?笑顔でいると、どうな
るの?」って。
そのとき、笑顔になると、その人の波動ががらりと変わる
ということを教えてもらった。
癌患者が、お笑いのビデオを毎日毎日見て笑っていたら、
いつのまにか癌が消えていたというのを聞いたことがある。
作り笑いでもいいから、とにかく笑顔になること。
笑顔は、自分で自分の波動を上げることのできる、とても
手軽で効果的な方法なのだという。
そして、実際にモチベーションが上がる感覚を体感させて
もらった。
ママ:顔の表情が変わるだけのことなのに、不思議だよ
ね~。こんなに自分の波動が変わるなんて。
だから、悲しいとき、つらいときこそ、無理にでも笑顔を作る
ことで、自分を救うことが出来る。
ハイヤーセルフは続けてこう言った。
ハイヤーセルフ:ひとつひとつをよく見てみなさい。
ひとつひとつ、無駄なものはない。
自分に何が求められているのか、何が必要なのか、
ていねいに見ていきなさい。
(あなたの)目を開きなさい。
ただ嘆くだけでは、(大切なものを)見逃していく。
美帆:私が、自分のヒーリングの力を信じられないのは、
何故ですか?
過去世で悲しい想いをしたことがあるから、とハイヤーセル
フは答えた。
ああ、やっぱり、とママは思った。
ママ:今、その感情を解放したいですか?
美帆:少しだけ見に行ってみます。
ママはその過去世へと誘導する。
美帆:白い部屋の中に女性がいます。大人です。
髪が長くて、白い服、丈の長いワンピースのようなも
のを着ています。
ママ:そこで何をしているの?
美帆:仕事をしています。
困ってる人が来るのを待ってます。
ママ:困ってる人が来たら、どうするの?
美帆:病気を治します。
実際に治している場面を見に行く。
美帆:患部に手を当てています。
ママ:いつからその仕事をしているの?
美帆:小さいときから。
そして、「この仕事はとても好きだし、楽しい」と言った。
ママは、治しているときに、どんなことが起きているのかを
客観的に見て下さい、と言った。
美帆:患部に手を当てると、上から光が降りてきて、手から
流れています。手が光を集めている感じ。
私は、その患者がよくなりますように、って祈ってる
みたい。
そして、少し涙声でこう付け加えた。
美帆:すごくピュアな気持ちでやってます・・・。
馬鹿なくらい・・・・・ピュアな気持ち・・・。
あまりにも無防備・・・。
ママは、そのとき降ってきた質問をしてみた。
ママ:もし治らなかったらどうしよう、って考えたことはある?
美帆:(即座に)いいえ!
(明るい口調で)治してるのは私ではないし、
治せないのも私ではないから。
すべては神様が決めること。
ママが、
「生まれ変わったら、またこの仕事をしたいですか?」と
聞くと、美帆さんは、ためらいがちに、「こわい・・・」と呟いた。
美帆:なんだか、ひどい目にあったみたい・・・。
ママはその場面へと誘導する。
美帆:悪意とか、意地悪のような、「黒いもの」をいっぱい
感じる・・・。
私のことを、「普通じゃない」「怪しい」「気持ち悪い」
って。そんな黒いもの(感情)をいっぱい感じる・・。
私は広い所にいます。
柱に縛られてる・・・。 痛い・・・。
ママ:あなたに何が起きたの?
美帆:ある日、突然、兵士?警察?のような人が3~4人
やってきて、私は無理やり連れて行かれた。
私のことを嫌いな人たちがいるの。
「魔女がいる」「気持ち悪い奴だ」「得体の知れない奴
だ」って。
彼女はその場所で処刑されたようだった。
最後に、こう言い残した。
「なんで? なんで? どうして?
私を嫌いなの? なんで嫌いなの?
なんでそんなに黒い気持ちを、私にぶつけるんだろう?」
ママは、ため息をついた。
とても悲しい場面だった。
死の場面を通り越して中間世へ行く。
ママ:今の過去世を見て、どうですか?
美帆:彼女を見て、羨ましいと思った。
ピュアだけど、無駄なものが何もない。
「愛のみ」で。
過去世の彼女は自らが「媒体」であることを認識して、無心
に、ただひたすら、「神様のお使い」をこなしていた。
治せなかったらどうしようとか、治さなくてはいけないとか、
余計なことは考えずに、心からその仕事に勤しんでいた。
そういえば、美帆さんが来たときに、首や肩がすごく凝って
ると言ってたっけ。
ハイヤーセルフはその原因を、
「あなたはまるで、鎧を着て縮こまっている感じ。
(ヒーリングが)出来なくてはいけないと思い込むあまり、
自分をリラックスさせようとしない」と言っていた。
美帆さんは、過去世の彼女のことを、
「少し頭が弱いんじゃないかと思うぐらい、何も考えない。
でも、その分、無駄がない。
そのせいで、殺されたけど・・・・。
あのピュアさが羨ましい・・・」と言った。
中間世で、彼女に会いに行ってみた。
あんな形で処刑されたことを、どう思っているのだろう。
美帆:彼女は、とってもピュアだったから、傷ついてる。
自分のやり方がいけなかったのかな、
じゃあ、どうすれば良かったのかな、って・・・、
考えてる・・・。
ママ:生まれ変わりの美帆さんから、彼女に言ってあげたい
ことはありますか? 彼女はいけなかったの?
あなたの気持ちを言ってあげて?
美帆:いけなくなかった・・・。
一生懸命生きて・・・。
すごくピュアできれいだった・・。
でも・・・・・。かわいそうだったね・・・・・。
あの世界で、あなたみたいな人は生きていけない・・・。
ママは、少し考えて、こう言った。
ママ:沢山の人たちが彼女に救ってもらった。
その人たちからの感謝と、ありがとうの気持ちを
受け取って下さい。
美帆:彼女は、決して感謝されたかったんじゃない。
ただ普通に、あたりまえのことをしてただけ。
だからありがとうって言ってほしかったわけじゃない。
ただ、どうして「黒い想い」があるのかが理解できな
かった。
だから、こわかった・・・・。
なんで、あそこでは「黒い想い」が渦巻いてる?
こわい、って。
彼女の魂はとても傷ついている。
今、ここで何をしてあげられるんだろう?ってママは考えた。
そうだ。
「黒い想い」を持っていた人たちも、今はもう魂だけの存在に
なって、「光」の中に帰っているはず。
自分たちが彼女にやったことを、今この視点から見てどう
思うのか、聞いてみるのはどうかな・・・。
でも彼女は、怖くて、彼らと会うのを拒んだ。
それほどに、彼女の魂の傷は深かった。
優しくて、ピュアな心を持っていて、人のために一生懸命
ヒーリングをする。
それなのに、
「得体がしれない」「気味が悪い」と存在を否定されて、
魂が傷つき、人間不信に陥る。
美帆さんはずっとそんな人生を繰り返してきているようだった。
自分がとてもピュアだから、
自分の中には「黒いもの」がないから、
だから、他人が自分に向ける「黒いもの」が理解できない。
そういった感情が、なんなのか、わからない。
ママ:ねえ、エフちゃん、もちろん、美帆さんが、そういう
過去世ばかりを生きてきたわけじゃないのよ。
人間は何十回も、何百回も生まれ変わるらしいから。
人のために一生懸命ヒーリングをしたのに、魔女狩り
みたいな目にあったいくつかの過去世が、今生の美帆
さんに影響しているってことなの。
そして、なぜ影響しているのかといえば、美帆さんの今生
のテーマが、そういった感情から解き放たれ、人間不信を
払拭することにあるからなのだと、ハイヤーセルフは言う。
ママ:つまり、今生は、そのテーマをクリアするチャンスでも
あるってことだよね?
しかし、大きな問題があった。
「目」である。
美帆さんは、過去世でみんなから向けられた、悪意のある
「目」が、こわくて忘れられないのだ。
ママは、かつてHiroさんが同じことを言っていたのを思い
だした。
ママ:頸椎、つまり首の骨は7個で構成されていて、その骨と骨の間
には、「椎間板」と呼ばれるクッションの役目をするも
のがあるんだって。
その「椎間板」の中の「髄核」というのが飛びだして、
神経を圧迫するので、痛みが生じるらしいの。
私:うわ~、痛そう。
ママ:その人は、6番目と7番目の間って言ってたから、
首の付け根に近いところかな?
美帆さんから、
「ネット画像で見てみたけど、髄核とやらが、神経に突き刺
さってる~。痛いだろうなあ・・・」とメールがきた。
ママ:でもね、エフちゃん、部位が特定してると、治しやすい
んだって。そこにフォーカスして光を送るから。
そう。「何となく胸のあたり」とか、場所が漠然としていると
難しい、って美帆さんは言っていた。
1週間後。
美帆さんが、「今日からやってみるね」と言った。
木曜日だったと思う。
そして、土曜日の夜10時ぐらいに 、
「今、その人と連絡とれる?」って聞いてきた。
仕事関係の人なので、さすがに休みの日の夜遅くには
電話できないけど、何かあった?ってママが聞いたら、
「うん。今ね、首のところの黒いのが、なくなったの」って。
「だから、今の首の状態を聞きたかったんだ」
美帆さんは、悪いところが黒く見えるのだという。
そこに集中して光を送ると、黒いものがなくなるのだとか。
ママは月曜日の朝に、彼に連絡をしてみた。
首の調子はどうですか?って聞くと、
「それがさ、調子いいんだよ!昨日も車を運転して遠出した
んだけど、全然痛みがなくってさ!」って嬉しそうな声。
それって、土曜日からですか?って聞いてみる。
「ああ、そういえば、そうだね。土曜日の夜ぐらいからかな」
へえ~っ!
ママもびっくりした。
私:すごい! 治ったんだ!
ママ:うん。治ったの。
薬も効かず、2か月間、痛みが続いていたのが、嘘のように
治ってしまった。
「痛くないから、もうMRIも撮らなくていいかな」という彼に、
ママは、
「いいえ、是非、受けて下さい」とお願いした。
何が起きているのか、知りたかったから。
髄核が飛びだしたままなのに、痛みだけがなくなったのか、
あるいは、髄核自体が、もう飛び出していないのか。
そして、2週間後、MRIの結果が出た。
ママ:で、どうでした?
彼: それが、不思議なんだよね。ぼやけてるというか、
う~ん、ぼんやり写ってるようにも見えるし、写ってない
ようでもあるし。
飛び出していたはずの髄核が、そのようには写っていない、
つまり、もう飛び出してはいないらしいのだ。
(じゃあ、痛みがとれただけじゃなくて、椎間板ヘルニア自
体が治っちゃったわけ?)
ママは驚いた。
医者も首を傾げたらしいが、とにかく痛みもないのだから、
手術する必要はないね、ということになったのだとか。
その旨を美帆さんに連絡すると、美帆さんは泣いて喜んだ。
「ほんとにほんと?気を使って、痛みがとれたって言ってく
れてるんじゃなくて?」
ママが、本当だよ、って強調すると、美帆さんは
「なんだか信じられない」って言った。
そして、続けて、
「でも、少しでも楽になったのなら良かった。神様、ありが
とう」って。
美帆さんが、人の病気を治す媒体として選ばれたのは、
きっと、これほどまでに、「愛」のある人だからなんだろう
な、ってママは思った。
ママ:ねえ、エフちゃん、考えてもみてよ?
自分の痛みのために、一度も会ったこともない、見ず
知らずの人が、一生懸命祈ってくれるんだよ?
広い世界の中には、そういう人間もいるんだってこと
がわかってくれたら、嬉しいよね?
でも、実は美帆さんにヒーリングをしてもらう前に、ひとつだ
け、やっておかなければならないことがあった。
ママ:それはね、彼に、なぜ病気になったのかを理解して
もらうこと。
そう。
病気になった意味を知ることもなく、ただ治ればいいというの
では駄目なのだ。
逆に言うと、病気になるのにはちゃんと理由があって、その
理由がわかると、治る確率も上がるように思われた。
そういうわけで、ママは、彼が今生でどんな問題を抱えて
いるのかを聞き出さなければならなかった。
躊躇はしたが、思い切って聞いてみた。
首の痛みになる原因が今生にありそうなんだけど、何か
思い当たること、ありますか?って。
そしたら、
「う~ん・・・。思い当たるとしたら、息子のことかな」と即座に
応えが返って来た。
彼の息子さんは、地方で一人暮らしをしていて、定職にも
就かず、毎日山の絵ばかりを描いているのだそう。
彼はずっと経済的援助をしているのだが、自分も年老いて
きたし、もしものことがあったら、その後、息子はどうやって
生活していくのかと考えると、(能天気な息子に対して)腹
が立つのだとか。
ママは、「子供は親を選んで生まれてくるんです」と言った。
もしかしたら、生まれる前に、「山の絵を思いっきり描きたい
んだけど、いい?」って聞いて、彼がそれを受け入れたのか
もしれなかった。
あるいは、過去に、その息子さんにとても恩があって、今生は
こういう形で恩返しをしているのかもしれなかった。
いずれにせよ、息子さんには息子さんの人生のシナリオが
ある。
彼が援助できる間はしてあげようと思うのならそうすれば
いいし、その後のことは息子さん自身の人生だから、心配
したってしょうがない。
「心配していれば、ある日、息子さんが急に気が変わって
就職して普通に働くと思います?」って、ママは聞いた。
「いや、それは絶対ない」と彼。
わかっているのだ。
「だったら、考えてもしようがないですよね?」
少し間をおいて、彼が、「そうだね」って言った。
そして、(ママが言うことを)「信じるよ」って。
ママは、自分で話しておきながら、彼の反応に驚いた。
ほんの4、5分、立ち話をするぐらいの時間しかなかったから、
必死に説明をしたが、こんなにすんなり「信じるよ」って
言ってもらえるとは思ってもいなかった。
私:そして、その後に美帆さんがヒーリングをして、治っちゃ
ったんだ。
ママ:うん。その人の場合は理由がわかったし、話すことで
彼自身の心が変わったから、それも治る要因になったん
だと思う。
後日、美帆さんから聞いたんだけどね、ガンが治った人
の場合はね、原因を見てみたら、過去世が出てきたん
だって。
悲しんでいる修道女の姿が出てきたんだって。
自分が女性であることをネガティブに捉えてるの。
それで、まず、その修道女を癒したんだって。
自分が女性だということに喜びを感じるように。
その後に、ガンを治すためのヒーリングをしたんだって。
ママは、美帆さんからその話を聞いたとき、小林正観さんの
本を思い出した。
ある病院の副院長を長年務めてきた人の話が載っていた。
「乳がん、子宮がん、卵巣腫瘍の患者には共通項がある」
次の3つの言葉を繰り返し口にしてきたというのだ。
一つ目、女になんか生まれたくなかった。
二つ目、男に生まれてきたかった。
三つ目、今度生まれてくるときは絶対男だ。
そう言い続け、思い続けてきた人たちなのだそう。
それをず~っと自分の体に言い聞かせ、思い続けてきた
結果、自分の体が反応した。
「わかりました。じゃ、女でなくなっちゃいましょうね」
というわけで、女性特有の器官を切リ取る方向に動いた。
(『宇宙を味方にする方程式』~小林正観)
ママ:だからね、その修道女をまず癒す、ってことがとても
大切だったんだと思うの。
ママはヒプノをやっているので、自分の「思い」が、体の細胞
にどれほど影響するかを知っている。
たとえば、どこかに「痛み」があるとき、ヒプノでその痛みの
原因を見に行くこともできるし、直接、細胞に原因を聞くこ
とだって可能である。