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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第6章(1)~サブパーソナリティの話

ねえ、ママ、「海が恐いさん」はママの潜在意識の中に
ず~っと存在していたのかな?

「多分そうだと思うよ。
海で亡くなった経験が、ママの心の中には残ってたんだね。
だから、海の中を覗くと引きずり込まれそうで恐かったんだね。
過去世からの影響って結構あるみたいよ」

ふうん?
そんないろんな人格が、みんな自分の中にはあるってこと?

「うん」
そして、ママは面白い話をしてくれた。

教室でサブパーソナリティのセッションの練習をやったとき。

ママは甘い物が大好きでダイエットをしようと思っても、どうしてもやめられない。

そこで、「甘い物を食べたいさん」を呼びだしてみたんだって。
(仮にB子さんとする)
次に、「甘い物をやめたいと思っているさん」(C子さんとする)を呼びだした。

興味深いことに、このときセラピストが
「まだ、扉の向こうに誰かいますか?」と聞いてくれると、
いるか、いないかがわかる!

ママの場合はもうひとり(D子さん)が出てきた。

さて、ここから、3人で「甘いものをやめるにはどうしたらいいのか」を話し合う。
 
主格のママ(A子さんとする)は黙って聞いているだけ。


B子:「食べたいんだから、食べればいいじゃない!」
D子:「そんなことしたら、太っちゃうよ」
C子:「じゃあ、その分、食事の量を減らせば?」
B子:「それは体に悪いんじゃない?」
C子:「甘いものを少なめにすれば?」
D子:「この人はどうせやめられないよ。根性がないもん」
C子:「じゃあ、どうすればいいと思う?」
D子:「そうだねえ・・・1日何回、って回数を決めたらどう?」」
C子:「だらだら食べるんじゃなくて、最初は1日1回と決めるところから」
B子:「食べる時間を決めるのは?」
C子:「ああ、それ、いいかも!1日1回、何時って決めて・・・」

その会話って、ママが考えてるの?

「ううん、勝手に、ふっと浮かんでくる感じ」

セラピストがC子さんはどう思いますか?みたいに質問すると
何となくふっと浮かんでくるんだって。

みんなの考えが一致したら、
セラピストが、(ママに)
「みなさん、そう言ってますが、どうですか?出来そうですか?」
と聞いてくれる。

このとき、自身が同意できる心境になっていると、
セラピストはA,B,C,Dの4人を統合してくれる。

不思議なんだけど、覚醒後、すっかりその気になってるんだって。
話し合いをしたのは自分自身だから、自分で答えを見出して納得してる感じなんだって。

もし、同意できない時は?

さらに話し合いを続ける。
途中で参加者が増える時もある。
そして、もちろん、ハイヤーセルフの意見を聞くこともある。

へえ? ママ、サブパーソナリティのセッションって、すっごく面白そう!

「うん!前世もいいけど、これは本当にお薦め。
問題解決にはもってこいなの。
この間もね、とっても感動したことがあったの」

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第6章(2)~サブパーソナリティ -2

それはママが友達のSさんのセッションをやったときのこと。

現在気になっている、何人かのパーソナリティ達を呼んでみることにした。

その中の一人は・・。

Sさんは、食事の時に、何故か”食べなくちゃいけない” という気持ちがあって、 (食べたいわけでもないのに)無理をして沢山食べてしまうんだって。
結果、体重が増えていってしまう。
その理由を知りたいと言う。

該当するパーソナリティが出てきた。

ママが、「どんな感じですか?」と聞いてみる。

人の姿をしているとは限らない。
色だけの時もあるし、三角や四角 の形の場合もあるし、いろいろ。

この時はマシュマロみたいなぷくぷく太った人が現れたんだって。

「あなたはどうしていつも無理をして食べるの?」
とママが聞いた。

「・・・・・」

「何か原因があるんですか?」

「う~ん・・・食べると、愛で満たされる感じがします」

ママは少し考えて、こう尋ねた。
「あなたは何歳くらいからSさんのパーソナリティさんになったの?」

やや、間があって、
「9歳・・・」

「9歳の時に何があったの?」

「新しいお母さんがきました」
(注:Sさんの実母は彼女が5歳の時に亡くなっている)

「ああ・・・」とSさんは思い出すかのように、
「(育ての)母が、(食事の時に)そんなにうつむいてまずそうに食べないで 、顔をあげてもっとおいしそうに食べて、と言ったので・・・・」

Sさんがうっ、と涙声になる。
「何でも・・・・美味しそうに・・・食べることが・・・、母への愛情表現だと・・・・」

ママはもらい泣きしそうになるのを懸命にこらえながら、
「マシュマロさん、今もうSさんは大人になって、
育ててくれたお母さんも光の世界に帰って、
だから、もうそんな風に一生懸命食べなくてもいいんですよ」と言った。

ママは他のパーソナリティたちに聞いた。
「誰か、マシュマロさんにアドバイスをあげられる人はいますか?」
(注:これが大事。解決策は必ず自身の中にある。
  大抵は、ふっと浮かぶ) 


しばらくして、別のパーソナリティが言った。
「食べなくても愛情はもらえるんだよ」

「マシュマロさん、それを聞いてどうですか?」

「私はその方法を知りません。
・・・・・・ああ、(そのパーソナリティが)感謝すればいいんだよ、って教えてくれました」

食べなくても、感謝をすればいい。

「(マシュマロさんに)どうですか?出来そうですか?」

「はい、やってみます」

「Sさん、どうですか?」

「はい、できそうです」

その時、Sさんが言った。
「あ!  マシュマロさんが細くなっていく!」

Sさんの育てのお母さんはとても優しい人だったそう。
でももう9歳になっていたSさんは実母のことも忘れられず、
なかなか「お母さん」と呼べなかったと言う。

そんなSさんにとって、お母さんが作ってくれた食事を
おいしそうに食べることが(その時の彼女にできる)精一杯の愛情表現だった。

そして、お母さんの喜ぶ顔を見ることで、
彼女もまたお母さんの愛情を感じていられたのだと思う。


サブパーソナリティは、何かの原因となるきっかけがあって自身の中に存在するようになる。

「何故かわからないけど、沢山食べなくちゃ、と思ってしまう自分」の 、「何故」は、9歳の時から存在していたマシュマロさんの存在だった。

原因が明らかになり、自身で解決策を見出すことで、
Sさんの心からマシュマロさんはいなくなった。

その時、Sさんが言った。
「あ、扉の向こうから、小さい女の子が入ってきました」

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第6章(3)~サブパーソナリティ -3

ママは優しく聞いてみた。
「あなたはだあれ?」

「小さい私(Sさん)だって言ってます」

「どんなパーソナリティさんですか?」と、ママ。

「大人になりきれない人です」
「5歳以上に成長できないって言ってます」

「どうして大人になれないの?」

「お母さんに育てられていないからです」

ああ、そうか・・・・・。

この子はSさんのインナーチャイルドだ。


インナーチャイルドとは、
「子供時代の頃の記憶や心情、感傷の事」と説明されていることが多い。

小さい子供は「親に愛されたい」という情動を本能的に持っている。

その気持ちが満たされないと、傷ついた「内なる子供」が
潜在意識の中に存在することになる。

ママは、ハイヤーセルフにお伺いをたててから、
(注:亡くなった人を呼び出すときは、必ずハイヤーセルフに許可を得る)
Sさんに、「お母さんに来てもらうこともできますよ?」と聞いてみた。

「はい、お願いします」とSさんは答えた。

それで、お母さんに出てきてもらい、Sさんを膝の上に抱っこしてもらった。

「お母さんに何か言いたいことがありますか?」と聞くと、
Sさんはしばらく黙っていたが、
やがて口を開くと、涙をポロポロこぼしながらこう言った。

「いつも・・・こうやって・・・ううっ、、・・・亡くなってからも・・・・、
そばにいて・・・育ててきてくれていたことが・・・わかりました」

ママは、お母さんに頼んだ。
「小さいSさんを抱きしめて、あなたの光で沢山包んであげて下さい。
Sさんが十分と感じられるまで包んであげて・・・・」

(間)

どのくらい時間が経ったのだろう。
1,2分だったのか、
あるいは5分くらいだったのだろうか。

Sさんが突然、「あっ!」と言った。

「(小さいSさんが)今の私の年齢まで成長しました!」

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第6章(4)~サブパーソナリティ -4

ママ、すごいね、Sさん、良かったね!

ママもとっても感動したセッションだったと言った。

皆生きていれば、喜びや楽しみもあるけれど、
悲しみや苦しみも当然のことながら、ある。

「順風満帆の人生はないんじゃないかと思う。
だって、みんな自分で必ずハードルを作ってくるから」
とママは言った。

そして、そのハードルを乗り越えた時、
魂のレベルが上がるように出来ているらしい。
人生は、何度も何度も輪廻転生を繰り返して、
沢山の経験をして、自分の魂を磨いていくしくみらしい。

その「沢山の経験」を積み重ねる中で、潜在意識の中に 溜め込まれていった悲しみや、怒り、罪悪感などのネガティヴな感情。

それを、玉ねぎの皮むきをするように、1枚1枚剥がしていくと、
どんどん自分が楽になれると榊先生は教えてくれた。

同じパターンを繰り返してしまうのも、然り。
例えばいつも同じようなタイプの人と恋愛して失敗するとか、
いつも同じ事象でつまづくとか、
大抵は過去に原因があって、その影響を受けている。

だから、その皮を剥がせばいい。

「そういえばね、その皮むきなんだけどね、Sさんの パーソナリティの中に変わった人が混ざってたの」

どんな?

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第6章(5)~サブパーソナリティ -5

Sさんは個人で仕事をしているんだけど、
友達とかからお金を貰うことに抵抗があって、つい、
「いい、要らない」って言っちゃうんだって。
友達が「仕事の対価なんだから受け取って」って言ってくれても
何故か抵抗があるんだって。

ああ、ママ、また出たね、”何故か”って。

「うん」
ママは笑いながら言った。。

「この時の、”何故”の原因は予想もつかない人だったの!」

出てきたパーソナリティは、西洋人の男の子(10歳位)だったんだって。

「なぜ、お金を貰うことに抵抗を感じるの?」と聞くと、
きっぱりとした口調でこう言った。
「私は清貧の誓いを立てています!」

「それはどんな誓いなの?」

「貧しいことは清いことだと誓いました!」

「それは・・・いつごろ誓ったんですか?」

「中世です」

ママは何かがおかしいと思ったんだって。

それで、こう聞いた。
「ふうん・・・・・・あなたはSさんのパーソナリティさんですか?」

しばらくの沈黙の後、
「・・・・・・・違います・・・・」

ええっ?
本人のパーソナリティじゃない人もいるの?
なんで?

「わからない」とママは言った。

「でも、その人のパーソナリティではないから、立ち去ってもらうの。 だって、やっぱり(居ると)影響を受けちゃうからね」

ちなみにその男の子は、もといた中世の場所に帰ってもらったんだそう。

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第6章(6)~サブパーソナリティ -6

インナーチャイルドの癒しや幼児期の退行に関して言うと、
1回で完結するのは難しいと先生は言った。



後にママ自身も身を持ってその体験をすることになるんだけど、
Sさんの場合もそうだった。

「エフちゃん(注:私の名前。本名は違うけど、ママはいつもこう呼ぶ)、 バースビジョンって、あったでしょう?」


うん、生まれる前、人生の青写真を作る所だよね?


Sさんは、前回のセッションから2ヵ月後にそのセッションを行った。


インナーチャイルドが癒されてSさんの心は少しずつ楽になっていったという。
心の奥にずっと隠れていた「寂しさ」が、解凍されて、そしてちょっぴりずつ解放されつつある。


ヒプノセラピーは魔法ではないから、一瞬にして変化が起こるわけではない。


自分の中にフリーズされて残っている「古い感情」が多ければ多いほど、
「何となく」、「何故か」、もやもやしたり、寂しかったり、自信がなかったり、 いろんな影響を及ぼしてくる。


例えば、厳しい親に押さえつけられて育った子供がいたとする。
いつも”怒られないように”、親の顔色を見ながら、びくびくしながら子供時代を過ごしたとする。


そうすると、大人になっても、同じように人の顔色を気にするようになったりすることがある。


あるいは、会社の上司に、親のように威圧的な態度で怒鳴る人がいたとすると、
 怒鳴られるたびに、その人の脳裏に、あの子供の頃の恐かった体験がフラッシュバックする。


そしてフリーズされた感情、「恐い」「悲しい」などが噴出する。


これを解凍して放出しない限り、なかなか自分を変えることはできない。
 

「人目を気にしてびくびくする自分」がどんなに嫌でも、
顕在意識下で変わろうとするのは難しい。

なぜなら、原因は潜在意識下にあるのだから。


解放すると、少しずつ、自分が楽になっていく。
上司に怒鳴られても、以前ほど落ち込まないでいられるとか、
”また、怒られるんじゃないか”とびくびくしなくなったり、

「それから、これはちょっと難しい話なんだけど、
上司があまり怒らなくなることもある」とママは言った。


え? どうして?

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第6章(7)~サブパーソナリティ -7

「結局、人の心って、そういう”恐れ”や”心配”の事象を引き寄せてしまうから」


「だから、自分の中にそういう”恐れ”がなくなると、その事象そのものを 引き寄せなくなるの」


ママはいつもそのことをハイヤーセルフに諭される。


何かに対してアドバイスを求めると、
「恐れるな。恐れはすべてを駄目にする」ってね。

頭ではわかっていても、人間ってやっぱりマイナスの方に流されやすいから すぐ、余計な心配をしたり、悪い方向に考えてしまったりしやすい。


そして、その心配がまた、そういう現実を引き寄せてしまうのだ。


さて、話をSさんに戻すと、
Sさんは、インナーチャイルドは癒されたが、他にも問題があった。

新しいお母さんになかなか「お母さん」と呼べなかったことを
父親から厳しく叱られ続けたことだ。


Sさんは新しいお母さんが嫌いだったわけではない。

でも、幼い心に残っている実母への想い。
それなのに、継母を同じように「おかあさん」と呼びなさいと強要されたことへの戸惑い。
そして、優しい継母に対する罪悪感。


幼い心は沢山の感情でいっぱいいっぱい・・・・。
どうしていいのかわからないのに・・・。
今にも胸が張り裂けそうなのに・・・・。
誰にもそれを言えない。
誰にも受け止めてもらえない。
それどころか「もっと、お母さんになじみなさい!」と暴力的にすらなる父親。


Sさんは心を閉ざした。

心はいつも叫んでいた。
「お母さん、なぜ、死んじゃったの!」って。
生きてさえいてくれたら、こんな想いはしなくて済んだのに・・・。


大人になったSさんは、表面上は誰とでも仲良く、協調してやっていける。

でも、心の奥は閉ざしたまま。
子供の頃に誰にも(自分の気持ちを)助けてもらえなかった「怒りと」「悲しみ」が、 フリーズされている。


そして、何か引き金になることが起きると、たちまちその感情が顔を出す。


Sさんからその話を聞いて、ママは考えた。
「バースビジョンをやってみたらどうかな」って。

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第6章(8)~サブパーソナリティ -8

ママ、それでどうだったの?


「うん。、Sさんのお母さんに聞いたの。  "なぜ、彼女が5歳の時にあなたは亡くなることになってるの?"って。]


そしたら?


「私はSさんを生むことがお役目なので、
生んだらもう光の世界に帰るのです、って答えたの」


ママはSさんがそれで納得すると思っていたそう。


ところが、違った。


Sさんは涙を流しながら、抗議した。
「でも、でも・・・・生きててくれたら・・・(私は)こんな思いを
しなくて済んだのに・・・」


Sさんは何十年もそう思って苦しんできたのだ。
その悲しみは計り知れない。


「・・・・・・・」


この先の展開をどうしようか、ママはちょっと考えた。


(ひとりのクライアントさんに対して、
100人のセラピストがいたら、100通りのセラピーがあると言われている。
セラピーをどのような流れにするのか、どのように展開するのかはセラピスト次第)


その時、ママは、はたと閃いた。


「それでは、あなたがお母さんと一緒に今回の人生の計画を 立てている所に行って見ますか?」


ママは、出来上がった青写真ではなく、その青写真を作っている所へ誘導しようと考えた。


「はい、行きます」とSさんは答えた。


そして。

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第6章(9)~サブパーソナリティ -9

ああ、30歳くらいの私と女の人(お母さん)が居ます。
二人とも同じくらいの年頃です。」


Sさんは続けた。

「私が、どうしてもクリアしたい課題があると言ったら、
その女の人が、”じゃあ、私がお母さんになってあなたを生んであげるわ”って 言ってます」。


「その課題とは何ですか?」とママは聞いた。


「人を許すことです。
私は何度も何度も生まれ変わってその課題にチャレンジしたけど、いつもクリアできなかった。
だから今回はどうしても、絶対にクリアしたい、って言ったんです」


人を許すためには、「許せない人」の存在が必要だ。
その役を買って出たのがSさんのお父さんだった。


「継母もここにいる・・・・」とSさんがつぶやいた。


人生のシナリオはこうして作られていた。


Sさんはもう泣いていなかった。

「ああ、そうだったんだ・・・・」
と言うような顔をしていた。(ように思う)

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第6章(10)~サブパーソナリティ -10

「ねえ、エフちゃん、この”ああ、そうだったんだ” がとっても大事だとママは思うの。
この”気づき”で、人は救われることがいっぱいあると思うの。
”気づく”と、楽になれる。
気づかないうちは、悩んだり、苦しんだりするでしょ?」


ヒプノセラピーはその「気づき」を得るための、ひとつのツールだ、と ママは言った。


「例えば、”この難しい数学の問題を解くぞ~”って決めて生まれてきたとするでしょ?
 
だけど、問題が難しすぎて、どんなに考えても、考えても解けないとするじゃない?

あきらめかけたその時に、誰かがちらっと、ヒントをくれたとする。
たとえば、その問題を解くための公式を見せてくれたとする。

そこから、その公式を使って解いていくのは、もちろん本人なんだけど」


そのヒントがヒプノセラピーなんだね?


「うん、あるときには、ね」


「人によって、ヒントは違うと思うよ。
それに、そのヒントだって最初から自分で決めてきてることが多いと思うし。
ここまでは頑張って解いて、あと一歩なんだけど、っていうところまで来たら、 ヒントに出会うようにしよう、って決めてるんじゃないかな?」


そして、ママはこう続けた。
「でもね、問題を解き始めてすぐにはヒントは得られないみたい。
苦しんで、悩んで、あれこれやってみて、
どうやったら解けるんだろうって、さんざん手を尽くし終わった頃に ヒントって来るみたいなの」


それはまるで、トンネルの中を1歩ずつ手探りで進んでいく人を、
空の上から見ていて、
「よし!もう半分超えた!」「 あ、もう8割方進んだ!」
「もういいだろう!」と言って、
出口へ向かって、ぽんっと背中を押してあげるような感じだと言う。


「だから、出口のないトンネルはないの。
いつになったらこのトンネルから抜けられるんだろう、
そんな日は永遠に来ないんじゃないかと思えても、
絶対に出られる日が来るから大丈夫。

そして、明るい光の中に立って、今まで通ってきたトンネルを振り返ると、自分の中に沢山の”気づき”が生まれているはずなの」


なぜなら、悩んだり、もがいたりしたことこそが、
魂磨きに役に立っているはずだから。


そして、ママは思い出したようにくすっと笑った。


「はじめてこのしくみに気づいた時、有頂天になってね、叱られたことがあるの」


 第7章~木村藤子先生

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