聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第5章(7)~海が恐い理由-1

それは、「サブパーソナリティ」のセッションをやったときのこと。

サブパーソナリティと言うのは、自分の中に存在しているさまざまな人格を指す。

催眠下で、自分の中にいる「海が恐いさん」に出てきてもらったんだって。

ママが言うには、(自分の中の)短気さん、くよくよさん、
投げやりさん、人に迎合するさん、とかいろんなパーソナリティを呼び出すと、
格好も雰囲気もそれぞれに違う人達が出てきて、とっても面白いんだって。

それで、「海が恐いさん」って、どんな人だったの?

「それがね!」
と、ママはこやや興奮気味に・・・。

「骸骨(がいこつ)だったの!」

ママは、白いお部屋でゆったりと椅子に座ってくつろいでいる自分をイメージする。
そして、セラピストが「彼女(ママ)の中の、”海が恐いさん”、扉の向こうから入ってきて下さい」と言った。

すると、骸骨が入ってきたのだと言う。

ママはびっくりしたが、これは現世ではなく、過去世から来てるのだと思った。
それでセラピスト役の人に、「過去世に誘導して下さい」と言った。

ここで注釈を加えると、催眠下では、セラピストの質問には答えられるが、
ママのように自分から(セラピストに)話しかけられる人は少ないそう。

それは、催眠中は自分の意識が受身の状態になっているかららしい。

そもそも、「催眠」って、自分の意識がなくなるわけではない。

単に、リラックスして脳をα波の状態にするだけのこと。

例えばソファでゆったりくつろいで、目をつぶって、無心に好きな音楽を聞いている時と何ら変わらない。
脳がα波になると、日ごろの顕在意識より潜在意識のほうが優位になる。
すると、潜在意識にアクセスしやすくなる。

この状態を「催眠」という。

「催眠」の語源は『ヒプノス』で、これはギリシャ語で『眠り』を意味している。

ママは日本では、「催眠」というと、まるでTVで行う「催眠ショー」のようなイメージをもたれそうで、ちょっと残念なんだよね、とつぶやいた。

「もっと他の言葉に訳されるとよかったのにな・・・」

自分の意識を人に操られるわけでもないし、潜在意識が優位になるといっても、顕在意識はお休みしてるだけであって、ちゃんと共存している。


現に、電車の中で気持ちよくうとうとしている時って、ちょうど「催眠」状態と似ているんだけど、ちゃんと車内アナウンスとか、周りの声とか聞こえてるでしょ?

そして、ぱっと目を開けた瞬間、今度は顕在意識が優位に立つ。

セッションの時も途中で目を開けると、催眠から覚めちゃうんだって。

「で、まあ、それはいいとして、その骸骨なんだけどね、
過去世に誘導してもらったら、中世ヨーロパの町が浮かんできたの!」

「そこはね・・・」

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