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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第4章(5)~パラレルワールド

うん。
 
人間てさ、
「もし、あの時、こうしてたらなあ」とか、
「もし、こういう家に生まれてたら、もっと違う人生を歩めただろうにな」とか、 
「私に才能があったらなあ」
とか、思うことあるでしょ?


「その思い通りの人生をセッションで”仮に”やってみるの」


そんなこと、出来るの?


「うん。潜在意識下では何だってできるんだよ」


そして、ミミさんとセッションをやったときのことを話してくれた。


ミミさんは音楽や踊りが大好きだったんだって。
だからそれを最大限に取り入れた人生をイメージでしてもらった。


小さい時からバレエを習い、バイオリンを習い、
学校は常に自分の希望するところへ進学し、
バイオリンでは数々のコンコールで優勝。
音大を出て、外国へ留学し、世界中に注目されるバイオリニストとして活躍。
優しくて素敵な男性と結婚し、子供にも恵まれる。
もちろん、何一つ苦労も悩みもない。
つらいことなど一度も起きない。
常に幸せだけの人生。


ミミさんがやりたかったこと、憧れていたことがすべて叶った人生を、現在のミミさんの年齢まで展開してもらった。 


そして、最後にこう聞いた。
「今、見てきた人生と、実際のあなたの(現在までの)人生を
比べてどうですか?」


でも、ママ、自分の望むことがぜ~んぶ叶う人生だったら、
そっちの方がいいに決まってるんじゃないの?


「ミミさんはね・・・・・」


ママはその時のことを回想するかのように、ゆっくりとした口調で言った。
「今の人生の方がいいです、って答えたの!」


そのときペアで練習していた他の人達も、一様に同じ答えだったんだって。


へえ? なんでかな?


「何ひとつハードルのない望み通りの人生だと、”達成感”がないんだって!」
人生における充実感が全く味わえないらしい。


そうなんだ・・・・・。


「いろんな苦労があっても、今までの(実際の)人生の方がいい」ってミミさんも他の人も言ってたよ」 



「もし、人生が苦しくて苦しくて、”何で私が・・・”と八方塞がりの人がパラレルワールドを体験してみたら、少し何かが違ってくるかも知れないね」 
とママは言った。


「誰かから、何も悩みのない人生もつまらないよ、って言われたら
苦しみの真っ只中にいる人は到底納得できないと思う。
でもヒプノの場合は、自分で見て、自分で何かを感じることができる」


「そこがすごいと思うの」


 第5章~幼児期退行


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