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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第5章(2)~記憶の書き換え

教室で習ったのは、「書き換え」という方法なんだって。
 

たとえば、このケースの場合、
母親を、お兄ちゃんと彼を比較したりしない優しい母親に書き換えてみる。


リコーダ-を練習している彼に
「上手ね」と言ってくれる母親。


通知表をみて、
「よく頑張ったね」と頭を撫でてくれる母親。


もちろん事実ではない。
だけど、「潜在意識は成長しないので、子供の時の感情がそのまま留まっている。
それを新しい情報と置き換えることで、トラウマが解消できる」
と習った。


で? ママは何でため息ついてるの?


「それがね、その方法、ママには効き目がなかったの」


効き目のある人とない人がいるというのだ。


「授業のあと、みんなでお茶をしながら話したんだけど、
映像ではっきり見える人の方が効果はあるみたいなの。
やっぱり、目で見るからかなぁ」


ママはどちらかというと、聴覚、感覚派なので
新しい事実に置きかえられても
「何となく」しか感じられないという。


強いて言うなら、
すりガラスの向こうで書き換えられた事実が起きているのを
こちら側から客観的にぼんやり眺めているような感覚なんだって。


感情はあまり変化しないという。
従って効果は薄いそう。


「それにね・・・」とママは続けた。

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