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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第5章(4)~原因不明の症状-2

毎朝、彼女の母親は彼女の部屋のドアをノックして、
「起きなさい!会社に行く時間よ!」と声をかける。

彼女は寝起きが悪いので、母親はドアをドンドン、ドンドン!と叩き続ける。

睡眠から目覚めようとして、うとうとしているとき、
人の意識はまさに潜在意識下にある。
その状態で彼女の耳に響く、ドンドン!という音は
時を越えて、あの物置小屋での恐怖に満ちた感情を呼び覚ます。
そして、彼女はパニックを起こすのだ。


「で、お母さんは、朝、ドアをノックするのをやめたの。
そしたらその日から彼女の発作はピタリと治まったんだって」

へええ? すごい!

「でしょ?」

この場合は、彼女の恐怖心を呼び覚ます引き金となる原因を
作らないようにした訳だけど、
もちろん、”物置には閉じ込めれらなかった” という書き換えをすることで、
潜在意識を(恐怖心がある→恐怖心はない)と上書きすることも
出来るかもしれない。

その場合はドアを叩く音を聞いても、恐怖心は呼び覚まされなくなるのだろう。

どんな方法がその人に適しているかはわからない。
セラピストの腕にもよるし、
「一番大事なのは本人の潜在意識がどんな方法を望むかだと思う」とママは言った。

いずれにせよ、原因不明の症状の場合、
もしかすると過去の出来事に伴う古い感情の影響を
受けていることがあるかもしれない。

その出来事を再体験して、フリーズされた感情を
解放することで症状が改善される可能性はある。

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