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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第5章(7)~海が恐い理由-2

海のすぐそばの町。
なだらかな丘のようになっているが、丘を下っていくとすぐ漁港に出る。

ママは8歳くらいの少年。
木造の質素な家に母親とふたりで住んでいる。
父親は漁師だったが、海で亡くなった。

大人になった彼は尊敬していた父親と同じ漁師の道を選ぶ。
船には自分と友人ふたり、いつも3人で乗って漁に出る。

幼なじみだった町の娘と結婚し、子供が二人いる。
家の前で遊ぶ子供を見つめる彼と妻。
幸せな生活を送っていた。

そんなある日のこと。
友人達は嵐が近づいているので、今日は漁に出るのを止めようと言った。
が、彼はその忠告に耳を貸さず、ひとりで海に出る。

そして、嵐にあい、船は転覆する。
海に投げ出された彼は、海中へと沈んでいく。
妻と子供の顔が目に浮かぶ。
激しく後悔する。
俺が馬鹿だった・・・・。

まるで海中に吸い込まれるように、彼は沈んでいく。

ママが最後に見た場面は海底の砂の上に横たわる骸骨。

そう、その骸骨は今もどこかの海の底にいる。
誰にも知られずに、ひっそりと。

「びっくりした」とママは言った。

だから、海が恐かったんだね・・・。
過去世を見たから(再体験したから)、もう、海が平気になるかな?

「わかんないけど・・・」
まだそれ以来、海には行っていないので効果のほどはわからない。

「だけどね、とっても感動したことがあるの。
海の妖精(乙姫みたいなイメージだったって)が、その骸骨を見守ってくれてたの」

骸骨がひとりで寂しくないように、そばにいてくれた。

ママが始めてヒプノセラピーを受けた時も、
樹の精霊や光に見守られていたけど、
人間って、目に見えないいろんな存在に守られているらしい。


 第6章~サブパーソナリティ

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