
海のすぐそばの町。
なだらかな丘のようになっているが、丘を下っていくとすぐ漁港に出る。
ママは8歳くらいの少年。
木造の質素な家に母親とふたりで住んでいる。
父親は漁師だったが、海で亡くなった。
大人になった彼は尊敬していた父親と同じ漁師の道を選ぶ。
船には自分と友人ふたり、いつも3人で乗って漁に出る。
幼なじみだった町の娘と結婚し、子供が二人いる。
家の前で遊ぶ子供を見つめる彼と妻。
幸せな生活を送っていた。
そんなある日のこと。
友人達は嵐が近づいているので、今日は漁に出るのを止めようと言った。
が、彼はその忠告に耳を貸さず、ひとりで海に出る。
そして、嵐にあい、船は転覆する。
海に投げ出された彼は、海中へと沈んでいく。
妻と子供の顔が目に浮かぶ。
激しく後悔する。
俺が馬鹿だった・・・・。
まるで海中に吸い込まれるように、彼は沈んでいく。
ママが最後に見た場面は海底の砂の上に横たわる骸骨。
そう、その骸骨は今もどこかの海の底にいる。
誰にも知られずに、ひっそりと。
「びっくりした」とママは言った。
だから、海が恐かったんだね・・・。
過去世を見たから(再体験したから)、もう、海が平気になるかな?
「わかんないけど・・・」
まだそれ以来、海には行っていないので効果のほどはわからない。
「だけどね、とっても感動したことがあるの。
海の妖精(乙姫みたいなイメージだったって)が、その骸骨を見守ってくれてたの」
骸骨がひとりで寂しくないように、そばにいてくれた。
ママが始めてヒプノセラピーを受けた時も、
樹の精霊や光に見守られていたけど、
人間って、目に見えないいろんな存在に守られているらしい。
第6章~サブパーソナリティ
なだらかな丘のようになっているが、丘を下っていくとすぐ漁港に出る。
ママは8歳くらいの少年。
木造の質素な家に母親とふたりで住んでいる。
父親は漁師だったが、海で亡くなった。
大人になった彼は尊敬していた父親と同じ漁師の道を選ぶ。
船には自分と友人ふたり、いつも3人で乗って漁に出る。
幼なじみだった町の娘と結婚し、子供が二人いる。
家の前で遊ぶ子供を見つめる彼と妻。
幸せな生活を送っていた。
そんなある日のこと。
友人達は嵐が近づいているので、今日は漁に出るのを止めようと言った。
が、彼はその忠告に耳を貸さず、ひとりで海に出る。
そして、嵐にあい、船は転覆する。
海に投げ出された彼は、海中へと沈んでいく。
妻と子供の顔が目に浮かぶ。
激しく後悔する。
俺が馬鹿だった・・・・。
まるで海中に吸い込まれるように、彼は沈んでいく。
ママが最後に見た場面は海底の砂の上に横たわる骸骨。
そう、その骸骨は今もどこかの海の底にいる。
誰にも知られずに、ひっそりと。
「びっくりした」とママは言った。
だから、海が恐かったんだね・・・。
過去世を見たから(再体験したから)、もう、海が平気になるかな?
「わかんないけど・・・」
まだそれ以来、海には行っていないので効果のほどはわからない。
「だけどね、とっても感動したことがあるの。
海の妖精(乙姫みたいなイメージだったって)が、その骸骨を見守ってくれてたの」
骸骨がひとりで寂しくないように、そばにいてくれた。
ママが始めてヒプノセラピーを受けた時も、
樹の精霊や光に見守られていたけど、
人間って、目に見えないいろんな存在に守られているらしい。


