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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第6章(6)~サブパーソナリティ -6

インナーチャイルドの癒しや幼児期の退行に関して言うと、
1回で完結するのは難しいと先生は言った。



後にママ自身も身を持ってその体験をすることになるんだけど、
Sさんの場合もそうだった。

「エフちゃん(注:私の名前。本名は違うけど、ママはいつもこう呼ぶ)、 バースビジョンって、あったでしょう?」


うん、生まれる前、人生の青写真を作る所だよね?


Sさんは、前回のセッションから2ヵ月後にそのセッションを行った。


インナーチャイルドが癒されてSさんの心は少しずつ楽になっていったという。
心の奥にずっと隠れていた「寂しさ」が、解凍されて、そしてちょっぴりずつ解放されつつある。


ヒプノセラピーは魔法ではないから、一瞬にして変化が起こるわけではない。


自分の中にフリーズされて残っている「古い感情」が多ければ多いほど、
「何となく」、「何故か」、もやもやしたり、寂しかったり、自信がなかったり、 いろんな影響を及ぼしてくる。


例えば、厳しい親に押さえつけられて育った子供がいたとする。
いつも”怒られないように”、親の顔色を見ながら、びくびくしながら子供時代を過ごしたとする。


そうすると、大人になっても、同じように人の顔色を気にするようになったりすることがある。


あるいは、会社の上司に、親のように威圧的な態度で怒鳴る人がいたとすると、
 怒鳴られるたびに、その人の脳裏に、あの子供の頃の恐かった体験がフラッシュバックする。


そしてフリーズされた感情、「恐い」「悲しい」などが噴出する。


これを解凍して放出しない限り、なかなか自分を変えることはできない。
 

「人目を気にしてびくびくする自分」がどんなに嫌でも、
顕在意識下で変わろうとするのは難しい。

なぜなら、原因は潜在意識下にあるのだから。


解放すると、少しずつ、自分が楽になっていく。
上司に怒鳴られても、以前ほど落ち込まないでいられるとか、
”また、怒られるんじゃないか”とびくびくしなくなったり、

「それから、これはちょっと難しい話なんだけど、
上司があまり怒らなくなることもある」とママは言った。


え? どうして?

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