fc2ブログ
 

聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第7章(2)~木村藤子先生-2

とにかくそういうわけで、Eさんが”何となく一緒と思った”のなら、 何かそれなりの理由があるのかも・・・・、とママは考えたのだ。


それでママは、その夜、ノリちゃんに電話をしてみた。


ノリちゃんと言うのは、ママの古くからの友人で、超直感人間。
ママがとても尊敬している人。


ノリちゃんは、ママの話を聞くなり、
「あなたも行かなきゃ駄目よ!」と言った。


「えっ?なんで?」


「なんでかわからないけど、行かなきゃ駄目!」


いつもノリちゃんの言葉は、ママにはずっしり響く。
「わかった」


かくして、二人は1か月後、新幹線の車中に居た。


ママは車窓から見える景色を眺めながら、2週間ほど前のEさんとの会話を思い出していた。


Eさんはこう言った。
「おばあちゃんが、”自分から、ヒモはどこ?って探すようになったら駄目” だって言ってた」


「え? どういう意味かなあ?」


「自分で一生懸命(問題を解こうと)頑張っていたら、あるとき、
”あ、こんな所にヒモがある”って気が付いて引っ張ってみる。
そしたら、そこに答えがあった、って言うのはいいんだけど、
(先に何もしないで)ヒモはどこ?ヒモはどこ?って、
 ヒモだけ探すようになるのは駄目だって」


ママは、何故そんなことを言われたのかわからなかった。


すると、Eさんがそんなママの気持ちを見透かしたかのように、
「この間、マサコさんが
”おばあちゃん、私達が青森に行くことになるって、わかってたんだから 先に教えてくれればよかったのにね!” って、言ったでしょ?」


「ああ・・・・でもあれは冗談のつもりで・・・・」


「冗談のつもりでも、口から出るって事は、心の中で思ってるって
ことだから同じなんだって」


ママはそんな風にたしなめられた。

有頂天になっていた自分が恥ずかしかった。

PageTop