
その後の木村藤子先生は別人のように優しかったんだって。
丁寧な口調で、ママを諭すように、(ママに必要なことを)話してくれた。
そして、ママの母方のおばあちゃん(注:20年前に亡くなっている)がメッセージをもって現れていると言って、それを伝えてくれた。
さらに、「他に何か聞きたいことはありますか?」と二人に促してくれたりもした。
優しく、愛に満ちた(素の)先生の姿がそこにはあった。
おいとまする時には、ママもEさんもソファから降りてきちんと正座をした。 (そうせざるを得ない心境だったんだって)
お礼を述べた後に、Eさんが、
「今後とも宜しくお願いします」と言って頭を下げたので、ママはびっくりした。
(後で、「なんで、”今後とも”って言ったの?」と聞いたら、
Eさんは、「わからないけど、何となく・・・。また、来るような気がしたから」と答えた。
ママはそれを聞いた時、自分はもう来ることはないだろうと思ったそう)
部屋を出る時、先生が、
「遠くからいらっしゃったのに、きついことを言ってごめんなさいね」とママに声をかけた。
そして、ネットに自分のことを悪く書かれたりしていることを知っている、と寂しそうに言った。
ママは何か言葉をかけてあげたかったけど、何も思い浮かばなかった。
ドアを閉めるときに、そっと先生の後姿を見ると、
その背中はとても寂しく、悲しげだった。

