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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第10章~植物と話す(9)

そう、その家には小さな中庭があって、そこに沙羅の木が1本植わっていた。
細い幹がすら~っと3階まで伸びている。


不動産屋さんとその家に入ったとき、ママは3階の窓の高さに 沙羅の木が枝を広げ、青々とした葉を茂らせているのを見て感動した。


それは素敵な光景だった。


3階の窓の外一面に沙羅の葉が広がっている。


ママは、思わず(心の中で)「こんにちは」って言ったんだって。


その瞬間だった。


太い、響くような声がはっきりと聞こえた。
「よく来たね」


ママは、驚いた。


胸が震えた。


確かに、聞こえた・・・・。


涙が出てきた。


ママは不動産屋さんに気付かれないように、汗をふくフリをして涙をそっと拭った。
そして、即決でその家を借りることにした。


その物件は前日の夜にネットに掲載したばかりで、見に来たのは ママが一人目だったという。


「ここに来ることになってたんだ」ってママは思ったんだって。


その通りだった。


この時点ではまだ知らなかったけど、 沙羅の木はいろんなメッセージをくれたり、セッション中にはアドバイスをくれたりと、ママにとって、なくてはならない存在になるのだから。

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