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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第12章~潜在意識(8)

その日は「過去世退行」の練習だった。

ママは特に見たいものもなかったので、
「今みるべき必要のある過去世へ」と誘導してもらった。

すると、中世ヨーロッパとみられる国の港が見えてきた。
ママは小さい女の子で、そばには立派な身なりの紳士が立っている。
その男性はママの父親のようだ。
二人はこれから豪華客船に乗りこもうとしている。

荷物が先に積み込まれ、乗客が乗り終えると船は出航した。

ママは甲板の手すりにもたれて海を眺めている。
少し離れた所で父親は誰かと立ち話をしている。

セラピストが「次の場面」と誘導すると、場面は真っ暗になった。

「重要な場面へ、って言ってみて」とママは頼んだ。
もう亡くなっているかもしれないと経験上思ったからだ。

案の定、海に落ちて沈んでいく姿が見えた。

それは出航してすぐのことだった。

そして突然、娘を探す父親の姿が見えた。
血の気が引いている。

誰かが、女の子は海に落ちたようだと気付き、
船上は騒然となった。

父親は半狂乱で暗い海に向かって娘の名前を叫び続けた。

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