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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第16章~ペットと繋がる(3)

呼び出したすべてのパーソナリティが揃った所で、ママは、
「誰か一番に発言したい人はいますか?」と聞いた。

と、J子さんがくすくす笑った。

「ワンちゃんです」

どうやら、ワンちゃんが一番に名乗りを上げたらしい。

よほど言いたいことがあるのだろう。

ママは、
「何でも言いたいことを言って下さい」と話しかけた。

すると・・・・。

「仲間に入れて欲しい」

「うん・・・。ワンちゃんはいつも家の外にいるけど、どんなことを 考えているの?」

「みんなと一緒に居たい。一人は寂しい」

ああ、やっぱり・・・。

窓の外から前足でガラスをカリカリと引っかくのは、 家の中に入れて、と訴えているんだ・・・・。

ママはちょっぴり切なくなった。


「ワンちゃんは、過去世で、J子さんやその家族と縁があったの?」

「・・・・・・・・・・」
突然、J子さんが涙声になった。

「・・・ネコでした・・・」

ああ、そうだったんだ・・・・。


「昔、飼われていたのね?」

(涙声で)、「うん」

「また会いたくて、来てくれたの?」

(涙声で)、「うん」

「ねこちゃんのときは、おうちの中でずっと(みんなと)一緒だったの?」

J子さんがシクシクと泣き出した。

言葉が詰まって、出てこない。

(この場合、泣いているのは、ワンちゃんではなく、J子さんである。
ワンちゃんは、ママの質問にJ子さんの口を借りて答えているが、 それを聞きながら、J子さん自身が泣いているのだ)

「だから、今度も一緒に居たいのね?」

(涙声で)、「うん・・・」

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