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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

神様のお使い(1)

ママ:ねえ、エフちゃん、たとえ、「使命」とか「任務」とかを
    担っていたとしても、今生、自分がそれをしたくなけ
    れば、それでもいいみたいよ。
   
私:そうなの?

ママ:うん。 人間の自由意志は尊重されるんだって。

でも、ママの場合は、ヒプノの世界を知れば知るほど、面
白くって、楽しくて、ワクワクする気持ちを止められないので、
魂が心底望んでいるのだと思う、って言った。

以前に見た、古代ギリシャの過去世
ヒーラーの家系に生まれながら、その道を拒み、「普通の
女の子」の暮らしがしたくて、家を飛びだした。

そして、やはり、自分の生きる世界は違うと気づいたときに
は、もうヒーラーの力はなくなっていた。
「使命」を放棄したとき、大いなる存在にその力を取り上げ
られてしまったのだ。
自分の手を見つめて茫然としている姿が脳裏に焼き付いて
いる。
人を癒すことが出来た手。
神が授けてくれた手。
もはや、何の力もない、ただの普通の手になっていた。

深い後悔で泣き崩れるママ。

悲しみと絶望感に打ちひしがれて、町をさまよい、最後は
行き倒れのように死んでしまった。

過去世を再体験したときから、ママには、もう二度とあんな
想いをしたくないという気持ちが強く残っている。

今回は、絶対にやり遂げたい!って。

そして、「神様のお使いができるといいな」って。

私:神様のお使い?

ママ:そう。神様が何かをしたいときに、(肉体がないから)
   自分ではできないでしょう?
   そんなときに、上から見下ろして、「この人に頼もう」
   って、「お使い」をやらせてみるの。
   最初は隣のパン屋さんに行って、パンを買って来て、
   かもしれない。
   そのうち、「うん、大丈夫そうだから、少し遠くのお店
   まで行ってもらおうかな」、って。
   さらに、電車に乗って、隣町までのお使いを頼んでも
   大丈夫そうだな、って。

   そんな風に、だんだん遠くまで、だんだん複雑な「お
   使い」もできるようになったら、嬉しいなあって、思う
   んだ。

   そのために必要なのは・・・、きっと、「謙虚な気持ち」
   なんだと思う。

ママがそういう風に言う理由が何となくわかる気がした。

4年前、ママがヒプノの教室に通い始めた頃、毎日曜日、
「楽しい、楽しい」と夢見心地になっていたんだけど、2か月
ぐらい過ぎたある日、しょんぼりして帰ってきたことがある。

「あそこ(ヒプノの教室)は、やっぱり、ママのような(普通の)
人が行くところじゃないみたい・・・・」って。

私:どうしたの?

ママ:だってさ、みんな、普通の人じゃないんだもん。

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