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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

浄化隊(34)~番外編~みわ殿、光へ帰る③

展望台から戦場跡を見下ろしていたTさんが帰ろうと思って
振り向いたとき、「石田三成陣跡」の碑と林が目に入った。
 
石田三成 

石田三成率いる西軍の武将と思われる人が、「ありがとう」と
深々と頭を下げているのを感じた。

その言葉には嘘偽りなく心の底からの感謝を感じるけど、
何だか言葉の周りにグレーの霧がかかっているような・・・。

Tさんが、「無念ですか?」と聞くと、

「無念だ」との返事が・・・。


Tさんは一生懸命光を送るが、霧はなかなか晴れない・・・。

霧のパワーが強くて、このままでは光が消えてしまいそう、
と思った矢先、


その霧の中からかわいい双葉が顔を出した。


双葉 


そして、双葉の中にポッ!と光が生まれ、外に向けて放射し
始めた。

霧の中では双葉から光が、
霧に向けてはTさんが、光を送り続けていると、
霧がだんだんと薄くなっていって、やがて消滅した。

光に帰って行ったのだろう。


ようやく。

すべてが終わった。


早朝の「石田三成陣跡」にひとり佇むTさんの両肩は、
まるで「空席」を表すかのように、ぽっかりと空いていた。

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