
ママ: それで結局、何が起きたかというとね、
フランスからスペインへ向かう国境辺りに、
「バスク地方」っていうところがあるんだけど、

当時、そこでよくテロ事件が起きていたらしいの。
私: こわ~っ!
ママ: うん、でも、
今みたいにネットがあるわけじゃないし、
情報は少なかったからね。
なんにも知らなくて。
私: それで?
ママ: 列車の進行先の線路上に、
爆弾を仕掛けたという情報が入って、
見に行った警官が殺されたんだって。
私: え~っ?
ママ: それで、列車を止めて、
危険区域をバスで迂回した、というわけ。
現地の人たちはそういう事情を分かってるから、
バスから降りるやいなや、
われ先にと列車に乗り込んで
すぐに自分の席を確保していたわけ。
私: そっか、非常事態のときはもう指定席なんて
関係ないんだ。
ママ: それなのに、日本人は律儀だから、
自分の指定席に戻ろうとしちゃって。(笑)
何はともあれ、このあと列車は無事に走り続け、
翌朝には、スペインの首都、マドリッドに到着した。
そして、ママたちが、
自分たちの身に何が起きたのかを知ったのは、
この翌日である。
ママ: もし言葉がわかっていたら、
あのとき、何が起きているのか理解できるので、
すごくこわくて不安だったかもしれない。
でも、何にもわからないまま、
急き立てられるように
ただ、バスに乗ったり、
列車に乗ったりしていただけだから、
後で事件のことを聞かされても、
「え~!そうだったんだ~」って
なんか、他人事みたいだった。


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