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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第11章~コーチング(5)

それを聞いてママはショックを受けた。


ママ、つまり、コーチングに向くテーマと向かないテーマがあるってこと?


「うん。そういうことだよね。
コーチングは目標達成のために自分の行動に変化を起こしていく、そのためのサポートなんだけど、 ママの練習台になってくれた人たちは、”心の問題”とかさ、方向性が違ったんだね、きっと」


もちろんそれにも意味があったのだ。


顕在意識での解決ではなく、潜在意識下での解決に行き着くために。


でもその時点では、ママはそんな人生のシナリオは知る由もなかった。


コーチング自体はとても良いツールだと思う、とママは言った。


「だってね、コーチが的確な質問をしてくれると、ちゃんと自分で考えて、答えが出てくるんだもの」


例えば、5分間のショートコーチングを練習した時のこと。


コーチ: 5分間でどんな目標について話したいですか?

クライアント: (職場での)時間管理について。

コーチ: 具体的には?

クライアント: 定時に帰りたいのですが、いつも残業になってしまって。

コーチ: 5分という短い時間ですが、何についてはっきりさせたいですか?

クライアント: ひとつひとつの作業には無駄はないと思うのですが・・・・ 
何が駄目なのか、気付くきっかけになれば・・。

コーチ: 時間管理が出来ている状態を100とすると、今はどれ位?

クライアント: そうですね・・・。70くらいかな。

コーチ: 70からいきなり100は無理ですが、75に上げるとしたら何が出来ますか?

クライアント: 前日に翌日の仕事を計画するのですが、サポート業が多いので、予定  外の仕事が入ってくるんですよね・・・。

コーチ: 予定外の仕事ですね。それが妨げになっている?

クライアント: 困っている人を見るとつい放っておけなくて。

コーチ: 他には?

クライアント: メールが多いので対応に時間を取られます。

コーチ: もう1つ挙げるとしたら?

クライアント: 遅くなりがちな日はミーティングが多いです。

コーチ: 今、三つ挙げていただきましたが、それ以外にはありますか?

クライアント: 自分の生産性とか、業務プロセスの見直しとか・・・・。

コーチ: ここまでで、何か見直しのきっかけはありますか?

クライアント: はい、(答えながら気付いたのですが)仕事に優先順位をつけようと思いました。

コーチ: では、その為に明日から出来ることは?

クライアント: 予定外の仕事に対応できるように、先回りしてなるべく情報を掴んでおくことかな。

コーチ: ここまで話してみていかがですか?

クライアント: そうですね、残業になってしまう理由や問題点がはっきりしました。 明日からは事前に情報収集するよう頑張ってみます。

コーチ: では、また来週聞かせてください。


「こんな感じなの。すごいでしょ?」


職場でも5分で行える。


「でも、コーチングに向かないテーマで悩んでいる人はどうやって救えばいいの?」
ママはそのことばかりを考えるようになってしまった。

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