fc2ブログ
 

聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第12章~潜在意識(13)

Wさんは泣きながら、こう答えた。
「私がどうしても会いたかったから・・・・。会って、確かめたかったの」

「何を?」とは聞かない。
ママがをそれを知る必要はないから。


しばらくして、Wさんはぽつんと言った。
「でも、もうあきらめる・・・・。(今生では)人生が違うから・・・・・」

ママは胸にグッとくるものがあった。

ママ自身も何十回とヒプノセラピーを体験しているが、
現実で直面している問題の答えが潜在意識の中でわかるときというのは、 「魂」で納得するような感覚がある。

顕在意識の状態で、頭で「ああ、そうか」と理解するのとは感覚が違うのだ。

もっと心の奥深いところで感じ取る。

そして、とても腑に落ちる。

その感情の動きがわかるだけに胸が一杯になったのだ。

「でもね、エフちゃん、面白いんだけど、覚醒するともうその感情は 引きずってないの」

そうなの?

「うん、大抵はぼ~っとして、”そうだったんだ・・・・・”って不思議そうにしてるの」

Wさんは覚醒してから、
「置いていかないで」の意味を教えてくれた。

「それがね、治る見込みのなかった彼女を山に連れて行って置き去りにしたんだって。その彼が」

ええっ? ひどい!

「うん。ママもそう思った。でもね、Wさんは冷静に、”仕方がなかったの。もう治らない病気だったから」って言ってたよ。

中間世で、「この人生で学んだこと」を聞いた時も、Wさんは 「思い通りにならなくて仕方のないこともある」と言っていた。

ママ、そのお友達の場合は今、その人間関係を見る必要があったから、 セッションで出てきたってことなの?

「そうだと思うよ」

そして、ママは何かを言いかけて口をつぐんだ。

ママの視線の先には中庭の木、沙羅(しゃら)ちゃんがあった。

しゃらちゃんはセッションの途中でママにこんなことを告げた。

彼女は今、(人生の)転換期で、今日のセッションはその1つのきっかけになるだろう、って。


 第13章~高次の存在

PageTop