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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第14章~6人の謎(8)

ママはびっくりしたが、驚いている暇などなかった。

ママがその通りに言うと、美帆さんは
「砂浜?」とつぶやいて、どうやらその場面を見ているようだった。

「”そこに泣きながら首を捜している女の子がいるでしょう?”って言って」と、 再びミミさんが耳打ちしてきた。

しばらくすると美帆さんが
「馬鹿みたい・・・・私のことなんか探して・・・」と涙声になった。

「”首が見つかるまで、その女の子はずっと捜し続ける”って言って」と、ミミさん。

その言葉に突然美帆さんの態度が変わった。

はらはらと涙を流しながら、
「後ろの岩の間に挟まってる」と素直に教えてくれた。

そして、ようやく首が見つかった。

美帆さんが海に身を投げた時、ミミさんはたまたまそれを目撃していた。

あわてて駆けつけたが、首がなかったので、必死で探し回っていたのだという。

ミミさんは当時、美帆さんの幼なじみだったんだって。

「じゃあ、その時の首は今生になってやっと見つかった、ってこと?」

「うん。たぶんね・・・。」

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