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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第19章~占いと未来(32)

ちなみに、あーちゃんはその後も佳奈ちゃんとは遊んでいるが、
「自分のことも大事にしようね」というアドバイスで、
気持ちのバランスがとれたのか、動揺することは(今のところは)
なくなったんだって。

心の優しい子って、ややもすると、自分の気持ちを押し殺してでも
相手のために尽くそうとするところがある。
ミミさんもいつだったか、セッションでガイドに言われたんだけど、
「与えることだけが愛」と勘違いしてしまうって。

そのときは、「突き放すのも愛」だと悟りなさい、って言われたんだけど。

あーちゃんの場合は、佳奈ちゃんの、お友達を叩いたりする行動が、
彼女自身の性格ではなく、他の原因からそうなってしまうことを
本能で(というか魂レベルで)わかっているだけに、優しくしなくちゃ、と
思ってしまう。

そして、他の子なら叩き返すのに、あーちゃんは決してそういうことを
しないから、佳奈ちゃんにとっても好ましい存在である。

保育園に行きたくないわけでもない。
佳奈ちゃんと遊びたくないわけでもない。
佳奈ちゃんを嫌いなわけでもない。

でも、あーちゃんの小さい心は傷つき、おびえ、悲しくなってしまう。

大人になってからでいいんだよ、今は子どもなんだから、
周りに助けてもらおうね。

子どもって、生まれてからいろんな現実に直面していくわけだけど、
その都度、こうやって、誰かに助言を受けたり、対処方法を教えて
もらったりしながら成長していく。
何よりも大切なのは、傍にいる親がいつでも話を聞いてくれて、
一緒に考えてくれる、そして自分はいつも守られていて、安心できる
砦があるんだと思えること。
―だと、思うんだ、とママは言った。

「そうそう、ゆうさんがあーちゃんと話をした翌々日くらいにね、
保育園にお迎えに行ったら、なぜか佳奈ちゃんがやってきて、
ゆうさんに、ぎゅ~って(抱きしめて)して、って言ったんだって」

ゆうさんはびっくりしたけど、ぎゅーってしてあげた。

それを見ていたあーちゃんが、後で、
「佳奈ちゃんは大人の人に、ぎゅ~ってして欲しかった
んだよね」と言った。

ママはふと、佳奈ちゃんはもしかしたら、お母さんに抱きしめて
もらうことがないのかも、と思った。

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