聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第20章~ヒプノの世界(28)

実は、この友達のセッションでは、他にも幼児期退行の場面が
あった。

その内容にママは驚いた。

それは彼女が3歳のとき。
家族で母親の実家に遊びに行った時の出来事だった。

「何をしているの?」と聞くと、
「ひいおばあちゃんと一緒にいる。
でも、ひいおばあちゃんは歳をとっているから話すことができない。
薄暗い部屋にじっといしていてつまらない」と言った。

どうやらお留守番をしているらしい。

場面を進める。

家族が外出先から帰ってきた。
お買い物に行っていたのだという。

彼女はお昼寝をしていたので、置いて行かれたらしい。

その時、彼女がこう言った。

「嘘をついてる!みんなで何か食べてきた。
嘘をついてもわかるんだから、本当のことを言えばいいのに!」

当時の彼女はもちろん黙っていたが、今はヒプノの中なので、その
ことをお母さんに告げてみた。

「お母さんはあなたにそう言われてどんな気持ちですか?」

お母さんの気持ちを感じとってもらう。
(ヒプノってこういうことができるので便利)

「なんでわかったのかしら、って思ってます」

ママも同じことを思っていた。
3歳の子に、何故わかったのかしら?って。

すると、彼女は、
「気配でわかった。私、よく見てるから」と言った。
そして、「嘘をつくなら、上手にね」と付け加えた。

私は思わず、え~っ? って言った。
「ママ、3歳の子供に、上手にね、って言われるなんて・・・」

「そうだね・・・。でもエフちゃん、もちろん、彼女は3歳当時には
それを言ってないわけだから」

お母さんは、まさか我が子に嘘を見破られていたとは露ほども
思っていないだろう。

お母さんは、
「嘘をつくつもりじゃなかった。
(食べてきたことを)言うと不公平になるから言わなかっただけ」と
弁解した。

彼女が、「寝てたって、ひとこと声をかけてくれれば良かったのに」
と言うと、お母さんは、
「そうだったね」とわかってくれた。

この出来事によって彼女の中に芽生えたのは、
「疑り深いパーソナリティ」だったの、とママが言った。

この後、彼女は、ママの誘導に従って、その時のフリーズした感情
を解放した。

この退行の場面はママにいろんなことを思い出させたんだって。

「普通、大人は小さい子供って何もわからないと思ってるでしょう?
それは大人と同じようにアウトプットが出来ないから。
例えば言葉が話せないとか、まだ語彙が少ないとか」

でも、そんなことはないと思う、とママは言った。

「ママも、あの頃はそんなこと、わからなかった。
だけど、今思い返してみると、いろんなことがあてはまる」

それはみつるお兄ちゃんのことだった。

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