聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第21章~時空を超えた再会(10)

1か月後。

年の瀬も押し迫ってきた頃、Tさんからセッションの予約が入った。
ちょっと気持ちが辛くなったので、また何も見れないかもしれない
けど、お願いしたい、って。

2回続けて見えなかったから、もしかして今はヒプノをやるタイミン
グではないのかも、ってママは思っていたんだけど・・・。

3回目のこの日も、あまり見えなかった。
明るい光、紫の光、複雑な色のちかちか瞬く光、そう言った光が
断片的に見えるんだけど、映像やストーリーは出てこなかった。

う~ん・・・・。
何とかしてあげたいな・・・って、ママは思った。

窓の外の姫しゃらの木を見る。
セッション中、この木がたいていメッセージをくれるから。

ぼんやり木を見ながら、
「そうだ!」
もう、あれこれ誘導するのをやめようと思った。

過去世とか、幼児期とか、ハイヤーセルフとか、何にもこだわらずに、
今、この時間を楽しんでもらおう!

それで、ママは、あなたが行きたい所、気持ちがいいと思える場所
へ行きましょう、と言った。

どんな所へ行きたい?と聞いてみる。

緑がたくさんあるところ・・・、森みたいな・・・。

ああ・・・。そういえば、最初のセッションの時も、
自分がくつろげる場所は?って聞いたら、同じ答えだったなあって
ママは思い出した。

「じゃあ、そういうところへ行きましょう」
そして、
「自分でイメージしてもいいですよ」って付け加えた。

「そしたらね、すんなり行けたの!」

え? 見えたの?

「見えたの!
背の高い木がたくさんあります、って
木漏れ日が差していて、とてもきれい、って!」

でも、「イメージしてもいいですよ」と言ったので、自分の頭の中で、
思い描いているだけかもしれなかった。

そこでゆっくりくつろいでね、ってママが言うと、Tさんは頷いた。

そして、
「草の上に座ってます、とても気持ちいい」と言った。

それを聞いて、ママは、Tさんは森を見ているだけではなくて、その
中に実際に登場しているんだとわかったので、
森の中を自由に歩き回ったり、好きなように過ごして下さいと言った。

「はい」とTさんが答えた。

しばらくすると、「男の子がいます」と言った!

ママはドキドキした。

いつものように、足元から順に見ていく。
足には何か履いているという。
体には袖のない、布のようなものをまとっている。
髪の毛は金色で短い。

その子供のそばにはきれいな小川が流れている。
水はそんなに冷たくない。

ストーリーが展開することを願いながら、その子の家へ言ってみま
しょう、と誘導する。

で、家に行ったの?

「うん! エフちゃん、行けたの!」

そんなに大きくない水車がある、とTさんは言った。
そばに、小さな木の家がある。
四角い窓がある。

家に入ってみたいかどうかを聞くと、Tさんは入りたくないと言った。

残念ながら、そのうちに、景色がぼんやりしてきて、何も見えなくなった。

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