聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第21章~時空を超えた再会(20)

そしたら、悲しい場面が出てきた。

幼稚園でみんなから仲間はずれにされている場面。
とっても意地悪な子がいて、Tさんが標的にされていたのだという。

幼稚園でその子と会うのがすごく嫌だった、とTさんは言った。

その子に何か言いたいことがある?と聞くと、
「なんで意地悪するの?」と。

じゃあ、その時言えなかったその言葉を、今、言ってみましょう、と
ママは促した。

少し時間をおいてから、今度は小学校で印象に残っていることを思
い出してみて下さい、と言った。

それはどんな場面ですか?

すると・・・。

「いつも仲間はずれにされてるのに、(ある日、お昼休みに)一緒に
外で遊ぼうって誘ってくれて・・・・。
外に行ったら、みんなが私の周りを円になって取り囲んで、私が
そこから出られないようにして、そして、私の周りをぐるぐる回って
・・・・、私は嫌なのに・・・」

ママは切なくなった。

ママとにこにこ笑顔で話しているTさんに、こんな子供時代があった
とは想像もつかなかった。

カウンセリングのときに、幼稚園を途中で辞めたことや、小2まで
登校拒否だったことを話してくれたが、このいじめが原因だったの
かもしれない。

ところが、ママが、みんなに取り囲まれているTさんに、
「今、どんな気持ちですか?」と聞くと、驚いたことに、
「別に」という返事が返ってきた。

嘘をつかれたと思ってる、と。

幼い子供がこんな目に会っているのに、
泣きたいほど悲しいとか、つらいとか、悔しいとか、そういった感情
はないのだろうか・・・。

覚醒後、お母さんにはその出来事を話したの?って聞いてみる。

「話したけど、”あんたも悪い”って言われた」

ああ、そうか・・・・。
助けを求める先がなくて、彼女は、感情を閉じ込めてしまったんだ。
悲しいとか、つらいとか、「感じない」ように。

セッション中に、今の気持ちは?って聞くたびに、
「何も」「別に」「特には」と答えるTさんを不思議に思っていたけど、
心が固くなった理由のひとつが、何となくわかった気がした。

最初のセッションの後、筋肉反射で、Tさんに必要なのはインナー
チャイルドのセッションという反応が出たけど、その通りだったのだ。

もし初回の遠距離恋愛のセッションだけで終わっていたら、この心
の闇は見えずじまいだったことだろう。

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