聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第21章~時空を超えた再会(50)

Tさんとの勉強で得たことはもうひとつあった。

それは、幼児期退行やインナーチャイルドのセッションの重要性。

ママは今まで、セッションの内容はクライアントさんの希望に合わせ
るものだと思っていた。
過去世なのか、幼児期なのか、未来世なのか・・・。

「でもね、たとえば、過去世を見たいっていうクライアントさんがきた
とするでしょう? もしその人が幼児期退行が必要だったとすると
先にそれをやらなければ、過去世へは行けない場合もあるみたい
なの」

「遠い過去を癒す前に、まず今の人生の幼児期を先に癒すべきって
ことなのかなあ」

Tさんは勉強の中で、デモとして、胎児期、幼児期、インナーチャイ
ルドなどを先に行った。
その結果、
心の固さを氷に例えるなら、氷が少しずつ、少しずつ時間をかけて
溶けていって、やがて水に変わった頃には、過去世にもすんなり
入れたような気がした。

不思議なことに、ママがそう考え始めると、やってくるクライアントさ
んもまた、子供時代の癒しを必要とする人が現れる。

過去世を希望してきたのに、潜在意識は幼児期へと導き、
悲しかった場面をいくつも見にいって、いっぱい泣いて、最後には
すっきりして帰る、みたいな・・・。

自分では子供時代には、何も思い当たらないという人でも、
実は無意識につらい体験や傷ついた過去にフタをしている人は
多いんだなあ、ってママは思った。

カウンセリングの段階で子供時代のことを聞いて、つらかった事は
特に思い当たらないと言った人が、いざセッションをしてみると、
両親のケンカの場面へ行って、本人は「やめて、やめて!」と
言いたいのを懸命に我慢していたりする。

それが1歳や2歳の出来事ともなると、もう顕在意識でも覚えていな
いから、当人もそんなことがトラウマになっているとは知りもしない。

潜在意識下で、その時に言いたかった言葉を口にして、閉じ込め
られたままになっていた感情を解き放つと、心が軽くなる。

なんとか前向きに生きようと思っていても、どうしても落ち込んで
しまうと言っていた人が、要らなくなった感情を手放せたことで
不思議と前向きになれたりする。

ママは仲間にもいろいろと試してみたが、やはり幼児期退行は
とっても大事な気がした。

それで、この経験から、以後のセッションでは、特に「過去世」とか
「幼児期」とか特定せずに、「必要な場面へ」とか、「今見るべき
場面へ」と誘導することが多くなった。

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