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聖なる樹のヒプノセラピー物語      

神様のお使い(2)

ママの話はこうだ。

その日、教室が終わった後に、スタッフのKさんと話をして
いた。
数週間ほど前に起きた火災事故の話になって、Kさんが
被害者の一人は友達だったと言った。
そして、実は3年前にその場面が視えていたと。

ママは、びっくりした。

ママ: Kさんはね、未来が見えるんだって!
    自分の意思とは無関係に、突然視えるんだって。
 
ある時は、教室で講義を受けている生徒一人一人の頭上に
未来がふっと見えたこともあると言う。

それに、ヒプノのセッションを受けていても、次にどんな場面
が出てくるのか、セラピストが何と言うのかまでわかるらし
かった。

逆にセラピスト側の立場に立った時は、クライアントが見て
いるものが同時に見えてしまう。

ママは、ただただ驚いていた。

その時、Kさんが、「マサコさん、あの・・・」と言いかけて
「あ、いや、やっぱりいいや」と口をつぐんだ。

「え?なに?なに?」と気になるママ。

しかし、Kさんは話そうとしない。

と、傍にいたミミさんが、
「彼女、足に気をつけて、って言いたいんだよね?」
そして、こう付け加えた。
「私、人の言いたいことがわかるの」

ママは、ぞおっとした。
目の前に立っている二人は、違う世界の人のように思えた。

その帰り道、ママは気持ちがだんだん落ち込んできた。
「あそこは、自分が居る場所ではない」という気がしたから。

そういう訳で、いつもなら教室の後は、はずむ気持ちを抑え
きれないぐらい興奮して帰ってくるママが、その日はしょん
ぼりしていたのだった。

理由はそれだけではなかった。
ヒプノに出会う前、ママは
コーチングの勉強を始めて、わず
か1か月で違和感を感じ、辞めてしまったことがある。
週2回、電話会議システムを使って、15名ほどの生徒たち
と、決められたテーマに沿ってコーチングのノウハウを学ぶ。

コーチ役、クライアント役に分かれてロールプレイもやるん
だけど、ママにはなんだかしっくりこなくて、「ここは私のいる
場所ではなさそう」と思った。

だから、ヒプノに関しても、「またか・・・」と思ってがっかり
したのである。

コーチングの時は、ワクワク感がなかった。
それもそのはずで、コーチングは顕在意識下で行うものだ
から。

もともと、ママの魂が求めているのは、潜在意識下の世界
でのことだから、顕在意識の方には興味が湧くはずもない。

でも、この時のママは、まだ自分の魂の目的を思い出して
いなかったから、せっかくワクワクする世界と出会ったのに、
資質的に無理のようだと思って、落ち込んでいた。

(先にコーチングを学んだのは、顕在意識の世界につまず
くことによって、潜在意識の世界に目を向けさせるための
プロセスだったのだけど、このときのママは、そんなことは
知る由もなかった)

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