
私: そういえば、ママ、「タロットカード事件」があったじゃ
ない?
ママ:そうそう!
勉強会を始めてちょうど1年後。
最後の勉強会の日。
ママは買ったばかりのタロットカードを持っていた。
一週間前、何気なく立ち寄った古本屋さんで目に付いて
買ったものだった。
「あ、タロットカードがある。しかも、新品」と思って、すぐさま
レジに持って行ったのだ。
だけど、不思議なことに、家に帰ってから、カードが入って
いる袋を開けることもなかった。
ママが、透明な袋越しに見えている、一番上のカードを指さ
して、「このカードの絵、ちょっと漫画チックだよね」と言って、
お兄ちゃんも、手に取って「ほんとだ」と言ったのに、
なぜか、誰も袋を破いて他のカードを見ようとはしなかった。
ママは、勉強会の時に、ミミさんに使い方を教わろうと思って、
そのままにしておいた。
(ミミさんは占い師で、タロットカードも扱っている)
当日、
「ねえねえ、このカード、買ったんだけど」とみんなに見せ
ると・・・・。
部屋の空気が一瞬にして凍りついたかのように、し~んと
なった!
「え? なに? なに?」と、うろたえるママ。
皆が異口同音にこう言った。
「どうしたの? そのカード!」
それは、(なんで、そんな不気味なカード持ってるの?)と
言う風に聞こえた。
カードの以前の持ち主の、すさまじい悲しみがカードから
ひしひしと感じられるのだという。
ママは、ぞっとした。
Hiroさんが一生懸命、浄化してくれた。
ミミさんが、「マサコさん、そのカードを見た時、何も考えずに
すぐ買ったでしょ?」と言った。
そう言われれば、そうだった。
「あ、タロットカードだ」と思って、手に取って、即刻、レジに
行った。
私: つまり、「買わされた」ってこと?
ママ:らしい。
以前の持ち主は、何らかの事情があって、そのカードを
一度も使うことなく、手放してしまった。
大きな悲しみを抱えていたようだ。
カードは、人に使われてこそ価値があるので、売られて
しまったカードもまた悲しい思いをしてしまったのだろう。
みんなで浄化して、(波動が)きれいになったカードを、ママは
翌日、別の古本屋さんに持って行った。
レジでお店の人に渡すとき、心の中で、
「今度は大事に使ってくれる人の手に渡りますように」と
祈った。
そして、お店を出て、歩き始めると。
「ありがとう」っていう声が聞こえた。
ママは驚いて、思わず、空を見上げた。
そっか。
そういうことだったんだ。
私:ママに助けを求めたんだね?
ミミさんからは、
「あんまり、何でもかんでも助けてあげたいって思ってると
いろんなものを引き寄せるから、気を付けてね」って、釘を
さされてしまった。

