聖なる樹のヒプノセラピー物語      

神様のお使い(28)

そういうわけで、ママは、彼が今生でどんな問題を抱えて
いるのかを聞き出さなければならなかった。

躊躇はしたが、思い切って聞いてみた。
首の痛みになる原因が今生にありそうなんだけど、何か
思い当たること、ありますか?って。

そしたら、
「う~ん・・・。思い当たるとしたら、息子のことかな」と即座に
応えが返って来た。

彼の息子さんは、地方で一人暮らしをしていて、定職にも
就かず、毎日山の絵ばかりを描いているのだそう。

彼はずっと経済的援助をしているのだが、自分も年老いて
きたし、もしものことがあったら、その後、息子はどうやって
生活していくのかと考えると、(能天気な息子に対して)腹
が立つのだとか。

ママは、「子供は親を選んで生まれてくるんです」と言った。

もしかしたら、生まれる前に、「山の絵を思いっきり描きたい
んだけど、いい?」って聞いて、彼がそれを受け入れたのか
もしれなかった。
あるいは、過去に、その息子さんにとても恩があって、今生は
こういう形で恩返しをしているのかもしれなかった。

いずれにせよ、息子さんには息子さんの人生のシナリオが
ある。

彼が援助できる間はしてあげようと思うのならそうすれば
いいし、その後のことは息子さん自身の人生だから、心配
したってしょうがない。

「心配していれば、ある日、息子さんが急に気が変わって
就職して普通に働くと思います?」って、ママは聞いた。

「いや、それは絶対ない」と彼。

わかっているのだ。

「だったら、考えてもしようがないですよね?」

少し間をおいて、彼が、「そうだね」って言った。
そして、(ママが言うことを)「信じるよ」って。

ママは、自分で話しておきながら、彼の反応に驚いた。
ほんの4、5分、立ち話をするぐらいの時間しかなかったから、
必死に説明をしたが、こんなにすんなり「信じるよ」って
言ってもらえるとは思ってもいなかった。

PageTop