聖なる樹のヒプノセラピー物語      

第6章(10)~サブパーソナリティ -10

「ねえ、エフちゃん、この”ああ、そうだったんだ” がとっても大事だとママは思うの。
この”気づき”で、人は救われることがいっぱいあると思うの。
”気づく”と、楽になれる。
気づかないうちは、悩んだり、苦しんだりするでしょ?」


ヒプノセラピーはその「気づき」を得るための、ひとつのツールだ、と ママは言った。


「例えば、”この難しい数学の問題を解くぞ~”って決めて生まれてきたとするでしょ?
 
だけど、問題が難しすぎて、どんなに考えても、考えても解けないとするじゃない?

あきらめかけたその時に、誰かがちらっと、ヒントをくれたとする。
たとえば、その問題を解くための公式を見せてくれたとする。

そこから、その公式を使って解いていくのは、もちろん本人なんだけど」


そのヒントがヒプノセラピーなんだね?


「うん、あるときには、ね」


「人によって、ヒントは違うと思うよ。
それに、そのヒントだって最初から自分で決めてきてることが多いと思うし。
ここまでは頑張って解いて、あと一歩なんだけど、っていうところまで来たら、 ヒントに出会うようにしよう、って決めてるんじゃないかな?」


そして、ママはこう続けた。
「でもね、問題を解き始めてすぐにはヒントは得られないみたい。
苦しんで、悩んで、あれこれやってみて、
どうやったら解けるんだろうって、さんざん手を尽くし終わった頃に ヒントって来るみたいなの」


それはまるで、トンネルの中を1歩ずつ手探りで進んでいく人を、
空の上から見ていて、
「よし!もう半分超えた!」「 あ、もう8割方進んだ!」
「もういいだろう!」と言って、
出口へ向かって、ぽんっと背中を押してあげるような感じだと言う。


「だから、出口のないトンネルはないの。
いつになったらこのトンネルから抜けられるんだろう、
そんな日は永遠に来ないんじゃないかと思えても、
絶対に出られる日が来るから大丈夫。

そして、明るい光の中に立って、今まで通ってきたトンネルを振り返ると、自分の中に沢山の”気づき”が生まれているはずなの」


なぜなら、悩んだり、もがいたりしたことこそが、
魂磨きに役に立っているはずだから。


そして、ママは思い出したようにくすっと笑った。


「はじめてこのしくみに気づいた時、有頂天になってね、叱られたことがあるの」

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