聖なる樹のヒプノセラピー物語      

魂の交信(38)

3週間後。

どうしてもしゃれこうべが気になるママは、再びマチ子さんの
セッションをやった。

そして、驚愕の事実を知らされる。

いや、「事実」かどうかはわからない。
そもそも、ママがセッションで見ている内容が事実か否かな
んて誰にもわからないのだから。

ママはいつもヒプノで「不思議な世界」を覗いて、驚いたり、
感動したりしているけど、それは現実社会の中にいて垣間
見ることのできる「非現実の世界」だからこそ面白いんだって
言っている。

ママ:だって、「神秘的」なものって、ワクワクするでしょう?

それに真偽の確かめようはないんだけど、それでも、謎が
解けたり、心が軽くなったり、意識が変わったりすることで、
人生を前向きに捉えられるようになったり、何より、せっかく
生まれてきた今生の人生を楽しむことができれば、それで
いいのだと思っている。

「見たものが本当かどうか」は、さして重要ではないって。

ママ:死んで、魂だけの存在になったら、真偽がわかるよね。
  ああ、これって、本当だったんだ、とかね。
  で、仲間の夢枕に立って、「ねえねえ、いろんなこと実験
  したけど、あれは・・・、これは・・・・真実はこうだったよ」って
  伝えたいなあ。

  でも、きっと、「ゆうべマサコさんが夢に現れて、こんなこと
  を教えてくれた」って、仲間が話しても、
  「へえ、面白い夢だね」で片づけられちゃうんだろうなあ・・・。

「しようがないよねぇ」って、ママはため息をついた。

なにしろ、目に見えない世界なんだから。

それでも、「今をよりよく生きる」ための助けになれば、それで
いい。

と、前置きはこんなところで、しゃれこうべの続き。

ママ:しゃれこうべさん、この間のセッションで出て来てくれて
  ありがとう。
  あなたの中には、チベット時代の修行僧で、マチ子さんの
  親友の方(の魂)がはいっていましたね。
  私はあなた自身のことがとても気になっているんですけど、
  あなたはどういう方ですか?
  マチ子さんと関わりのある方なの?
  肉体を持っていた時、マチ子さんと縁のある方だったの?
  それとも・・・・。
  (もしかして)マチ子さん自身(の過去世)だったの?

しばらくして、マチ子さんが口を開いた。

マチ子:祈りの念・・・。
  何だろう? 祈りの念が伝わってくる。
  祈りの波動が伝わってくる・・・・。

ママ:あなたはマチ子さんと一緒に修行をしていて、病気か
  何かで亡くなった方なの?

しゃれこうべ:わたしは、修行僧ではない。
  妻に死なれた。それで・・・。
  妻を弔うために・・・・、チベットまで辿り着いた。
  辿り着いたときには、もう、私は死んだ。
  それを無念に思ってくれたチベット僧が・・・・。
  (嗚咽)私を骸骨にして、一緒に弔ってくれた。

  妻の魂を弔うために、ずっと五体投地(ごたいとうち)をし
  ながらチベットまで行った。

 (五体投地というのは、両ひざ・両ひじを 地に着けて伏し、
 さらに合掌して頭を地につける拝礼の仕方)

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ママ:あなたは今、光の中で幸せにしているの?

しゃれこうべ:(泣き続ける)

ママ:まだなにか、無念な気持ちが残っていますか?

しゃれこうべ:(泣きながら)妻に会いたい・・・。

ママ:(亡くなって)光に帰って、奥さんとは会えていないの?

しゃれこうべ:(泣きながら)見つからない・・・・・。

ママ:では、今日、奥さんを探しましょうか・・・。

しゃれこうべ:(頷く)

ママは、「一度、大きく深呼吸をして下さい」と言った。
言いながら、次の言葉が閃くのを待った。

こういう場合はどんなにヒプノを勉強しても、台本には出てこな
いので、閃きに任せるしかない。

ママの口が動いた。
「あなたが心を無にすると、広い光の中で、一段と輝く場所が
目に浮かびますよ。3つ数えると、その場所がひときわ
光り輝きます。そこにあなたの奥さんがいますよ」
そして、「3,2,1」とカウントした。


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